毛石山、青里岳、五剣谷岳
銀太郎山、銀次郎山、木六山

2000年4月8日〜9日、豊栄山岳会月例山行メンバー5名

コースタイム
4/8
4:30新潟発=6:00杉川チャレンジランド着(車で毛石山登山口へ移動)6:
40毛石山登山口発−8:30金山神様着8:45発−10:38毛石山着11:1
5発−11:55  861mピーク着12:00発−14:33灰ケ岳分岐ピーク着
14:40発−15:33三方ガリ南東鞍部着(幕営)

川内(かわち)山塊は新潟県村松町と三川村、下田村、上川村にまたがる大きな山塊
であるが標高が低い割に険しい山が多く一般的な登山道がある山は山塊の周辺部の山
に限られている。
その核心部は整備された登山道はなく、行くとすれば残雪期を利用するしか方法はな
い。
私が所属する豊栄山岳会は毎年4月に川内山塊の山行を計画しており、今年はその中
でももっとも奥深い所に位置する山、青里岳を目指して計画された。
杉川チャレンジランドに6時に集合がかかっていた。時間に遅れること無く本隊5名
とサポート1名が集合し、サポートメンバーの車とリーダーの車に分乗して毛石山の
登山口に移動した。
早朝に降っていた雨もこの頃には上がっていた。
毛石山の登山道は沢にかかる水路橋を渡る所から始まる。登山道には雪が無くそのま
ま夏道を進んでいった。
小さな沢で水平に進む道と分かれて登山道は登っていく。
大平という所で雪の上に出た。その先すぐで夏道は完全に雪の下になり、雪の付いた
斜面を登って尾根に出た。
大きなザックが木の枝に引っ掛かりなかなか思うように登れない。わずかな距離に思
いもかけず苦労をしてしまった。
尾根に出てまもなく金山神様と書かれた石の祠があった。地図上の504mの標高点
の先の小さな鞍部だ。祠の周辺だけ雪が無かった。
尾根をたどって登っていった。雪は締まっていて歩きやすかったが毛石山は思ったよ
り遠く感じた。
毛石山手前はなかなかの急登だった。
毛石山山頂で昼食とした。サポートのメンバーはここで別れて下っていた。
時々小雪が舞いはじめた。風もやや強くなってきた。だが視界は良好だ。雪も締まっ
ていて歩きやすい。
緩いアップダウンを繰り返しながら進んでいく、進行方向に灰ケ岳が見えだんだん近
くなっていく。
灰ケ岳の山頂を踏むべく往復しようと思ったが、山頂付近の雪が見るからに不安定に
見えたのでそのまま三方ガリへ向かった。
雪が緩みはじめズボズボもぐるようになった。他のメンバーはあまりもぐらない、歩
き方が違うのか体重が違うのか。
私ひとりわかんを装着した。
三方ガリ手前の鞍部から進行左手の谷に降りた。
そして、三方ガリ南東の鞍部付近で幕営した。テントを張る頃には青空が頭上に広
がっていた。
夕食はリーダー自ら食料係となりクリームシチューを食べた。山では最高の贅沢な食
事だった。

4/9
6:33三方ガリ南東鞍部発−8:45青里岳着9:08発−11:36五剣谷岳着
13:15発−
14:10銀太郎山着14:20発−15:08銀次郎山着15:18発−16:0
0七郎平通過−17:25木六山着17:35発−18:30グシの峰通過−20:
25登山口着=21:50新潟着

朝6時出発の予定だったが、私のアイゼンが靴に合わないトラブルが有り出発が遅れ
てしまった。
アイゼンは軽登山靴のサイズに合わせてあり、昨年買ったばかりの重登山靴にははま
らなかった。
結局リーダーのアイゼンと交換してなんとかなったが私のうっかりミスのためにメン
バーに迷惑をかけてしまった。
雪は硬く締まっていてキックステップも出来ない、アイゼンが無ければ歩けない状況
になっていた。
天候は快晴で周囲を白い川内の山々が取り囲んでいた。風も無風状態だ。
進行方向に今回の目標の山青里岳が堂々と迫って来ていた。
出迎えのサポート隊と連絡を取るため8時に交信を試みるが無線は通じなかった。携
帯電話も圏外だ。
雪が割れている所が随所に現れたが確実なルート見極め一歩一歩登っていった。
青里岳山頂には素晴らしい景色が待っていた。メンバー全員で握手をして登頂の喜び
を分かち合った。
すぐ近くに川内山塊の盟主矢筈岳が横に長い山頂を見せていた。そして、守門岳、浅
草岳粟ケ岳、白山、すぐ近くに昨年の思い出の山五剣谷岳見えた。
ゆっくりしたいが割岩山をピストンするメンバーがいるため早々に青里岳を後にし
た。
1名が割岩山へ向かった。私は昨年五剣谷岳を日帰りで往復しているのでこれから先
の道のりが大変なことを知っている。体力温存のためそのまま五剣谷岳へ向かった。
天気がよく気温が上がってきたため雪が緩みはじめた。そうそうにわかんを装着し
た。
このあたりからときどき携帯電話が通じるようになった。出迎えのメンバーと連絡を
取りながら歩いた。
五剣谷岳の山頂からも素晴らしい展望を望むことが出来た。
昨年来た時は薮の中だったが今回は完全に雪の上だ。ここで昼食を摂り割岩山を往復
しているメンバーを待った。
私が到着してから一時間遅れでメンバーが全員揃った。
銀太郎、銀次郎と進むうち体力がどんどん消耗していくのが分かる。
出迎えのメンバーとは銀次郎山と七郎平(しちろうたいら)山の中間のピークで出会
えた。
木六山までは6名で登ってきたそうだがそのうち2名が出迎えにきてくれた。
木六山のメンバーは4時になったら下っていった。
七郎平山の下りで夏道が出てきたのでわかんをはずした。
木六山の登りは辛かった。気は焦るが足が前になかなか出ない。
木六山山頂でサポート隊が持ってきたビールで乾杯したが日が傾いているのでゆっく
りできない、急いで下りはじめた。
グシの峰付近で暗くなりはじめヘッドライトを装着した。
雪が所々有るため夏道、薮、雪の上と歩く状況が変化するが、暗いのでルートファイ
ンデングが難しい、サポートメンバーがいなければとても安心して下れない所だっ
た。
疲れた足に急な下りは辛い。
下るにつれて杉川の流れの音が大きくなっていった。もうすぐだもうすぐだと心に言
い聞かせた。
杉川沿いの道に出てほっとした。その為か歩きながら眠くなってきた。
車は杉川チャレンジランドから林道の入れる所まで先に降りたサポート隊が移動して
くれていた。
車の明かりが見え長い山旅が終わったことを実感した。
車の所には遅い時間にもかかわらずサポート隊全員が待っていてくれていた。
杉川チャレンジランドに移動して解散となった。
一泊二日の素晴らしい山行を経験することが出来た。今回の山行はきっと思い出に残
る山行になるだろう。
越後の山の素晴らしさを再認識した。


青里岳山頂にて

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