佐武流山

2000年6月24日〜25日、豊栄山岳会月例山行、吉田、本田、服部

コースタイム
6/24
5:30新潟発=越後川口IC=7:50秋山郷和山先の林道ゲート着8:20発−
9:42登山口通過−9:53檜俣川徒渉地点着10:13発−(途中で35分昼
食)−12:50悪沢(ワルサ)峰着13:10発−13:55ナラズ分岐通過−1
4:20 標高2030m地点着(幕営)
6/25
4:32幕営地発−5:23佐武流山山頂着6:08発−6:45幕営地着7:14
発−7:22ナラズ分岐通過−7:55悪沢(ワルサ)峰着8:08発−9:35檜
俣川徒渉地点着9:53発−10:08登山口通過−(途中40分昼食)−12:15
林道ゲート着=萌木の里=16:00新潟着

佐武流山は苗場山と白砂山の中間に位置し、そして、苗場山や白砂山よりも標高が高
く、この山塊の最高峰でありながらまだ整備された登山道が無い。
しかし、深田クラブ選の日本200名山に選ばれており、現在秋山郷より登山道が整
備されている。
昨年この山に興味を持ち、所属する豊栄山岳会の山行として、私がリーダーで野反湖
より白砂山経由で計画されたが、計画の甘さから山頂目前の赤土居山で撤退をするこ
ととなった。
それ以来宿題の山となっていた。
そして、豊栄山岳会で再挑戦の機会を与えられ、途中まで整備された登山道を使って
登ることにした。
6月24日午前5時30分、メンバー3名は新潟市の鳥屋野潟公園に集まり、新潟中央
ICより高速に乗って登山口の秋山郷を目指した。
梅雨のさなかというだけあって、時々雨がしとしと降っていた。
秋山郷の和山の先の林道ゲートに着く頃には雨はあがっていた。
まずは長い林道歩きから始まる。林道途中でカモシカに出くわした。
月夜立岩を回り込むように進み、正面にトマグチ沢の砂防ダムが見えると、右に降り
る登山道が有る。登山道の最初の部分は木の階段が設置されていた。
左に沢の音を聞きながら降りると水量の多い沢にぶつかった。これが檜俣川だ。
このルートはこの沢の徒渉がキーポイントとなる。雨のため増水して徒渉が不可能な
ら、水が引くまで待つか、引き返す予定だった。
しかし、やや水量が多い感じはあったが全員難なく徒渉することが出来た。
念の為に持ってきたザイルは使う事は無かった。
徒渉地点は水無尾根の先端よりやや川の上流方向にある。尾根の北西側の斜面の急登
が始まった。
時折木々の間から見える月夜立岩の高さがだんだん低くなり高度を稼いでることを実
感させられた。小鳥のさえずりが気持ち良い。
急登が一段落したあたりで昼食を摂った。昼食を摂っていると大きな猿が近くに現れ
た。
悪沢(ワルサ)峰に着くと登りは一段落、あとはアップダウンの繰り返しだ。
時折雨が降るが雨具を着るまでの事はない。ただ、周囲の景色が見えず少々がっかり
だ。
登山道は整備されたばかりで刈り払われたネマガリダケなどの茎が残っておりやや歩
きづらい。これから多くの登山者が歩くようになれば良い道になるだろう。
ナラズ山への分岐には木にステンレスのプレートが打たれてあった。ナラズ山方向に
道が伸びているがこれはおそらく最低鞍部付近にある水場までのものだろう。
我々は残雪を期待して水場へは寄らず稜線を南下した。
標高2030m付近は二重稜線になっておりその窪地にはたっぷりと残雪が有った。
我々はここを幕営地とした。

翌6月25日は夜明けとともに歩きはじめた。
最初はあたりの山の稜線が見えていたが、登るにつれガスに覆われはじめた。
標高2100mの横長のピークで刈り払いは終了していた。あとは藪の世界だ。
しかし、所々途切れているものの細い踏み跡が続いており、邪魔な木の枝は切り落と
されていて、その上、赤テープなどで目印がこまめに付けてあり藪の割には歩きやす
かった。
木の枝の刈り払いや赤テープの目印は、おそらく、六合村の尾崎さんのグループによ
るものだろう。彼らの労力には感謝する。
そして、ひょっこり佐武流山の山頂に出た。山頂はたたみ6畳分ほどの広さで刈り払
われており、以前訪れたグループの手による標識が木に付けてあった。三角点は見つ
けることが出来なかった。
周囲は相変わらずのガスのため何も展望が無かった。
それでも二年越しの憧れの山の山頂だ。充実感はたとえようがない。
持ってきたウイスキーで乾杯し、朝食のラーメンを食べた。
山頂からメンバーが持ってきたドコモの携帯は通じた。
下山は往路を戻った。
だんだんとガスがあがって来て周囲の景色が見え始めた。
幕営地に戻ってテントを撤収して、往路を下山した。
悪沢(ワルサ)峰からは苗場の山上の大湿原の縁の部分が雲から姿を出していた。
振り返ると佐武流山の山頂は前衛のピークの陰で見えないが、その堂々とした山容は
我々を圧倒していた。
鳥甲山が山頂は雲がかかって見えなかったが、さの荒々しい山肌は我々を魅了してい
た。
檜俣川の徒渉は今回も難なく渡れた。
林道に出てからは、フキなどの山菜を取りながら帰った。

やっと憧憬の佐武流山の山頂に立つことが出来た。
しかし、この山も今年秋には登山道が開通する。おそらく中高年の登山ブームといわ
れている昨今、多くの登山者がこの山を目指すだろう。
そうなると佐武流山も変わらざるを得ない、藪山のうちに登ることが出来て非常によ
かった。


佐武流山山頂にて

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