大石山(途中撤退)

2000年7月16日、単独

コースタイム
4:00新潟発=5:40胎内ヒュッテ着6:10発(自転車)6:35足の松尾根
取付着6:47発−7:39姫子の峰着7:50発−8:27滝見場着8:40発−
8:45撤退開始−9:23姫子の峰着9:33発−10:10足の松尾根取付着
(自転車)10:20胎内ヒュッテ着=胎内グランドホテル(入浴、昼食)=13:
30新潟着

7月の飯豊は花が咲き乱れている。特に今年は残雪が多いため稜線上は花と雪で素晴
らしい景観となっているらしい。
インターネットの各ホームページや新聞などで写真を見るたび飯豊に行きたくなって
きた。
しかし、7月5日に権内尾根よりえぶり差岳を目指して登っている途中で転倒して頭
部と左腕に怪我をしてしまい。きれいな花を見る前に下山せざるを得なくなった。
そして、怪我も大分よくなったので再び花の飯豊を見ようと今度は新潟県側からの稜
線までの最短コースである足の松尾根を登ろうと出かけたのだった。
前日は会社の宴会が有り少々体調が優れない。それてでも花の飯豊の稜線を思い描き
夜明け前に自宅を出た。
新潟を出る時は曇り空で雨は降っていなかったが、携帯電話で天気予報を聞いた時大
雨洪水警報が新潟県下越地方に出ていることを知った。
まもなく雨が降りはじめ、ワイパーはHighにしないと前方が見えないくらいの雨
になった。
胎内の林道に入ると山側から流された木の枝や小石が道路を埋めている所も有った。
胎内川は水位が明らかに上がっている。茶色の濁流となり、普段中州が有る所も中洲
が隠れているほどだった。
胎内川ダムを過ぎ、胎内第一ダムに近づくと放流を知らせるサイレンが鳴り響いてい
た。何度か奥胎内まで来ているが私自身このサイレンの音を聞くのは初めてだった。
胎内ヒュッテで車を降りヒュッテの中に入った。
昨夜から泊まっている登山者が数人いたが、ダムのサイレンは一晩中鳴りっ放しだっ
たそうだ。
天気予報では局地的に大雨になるのは明け方まで、それ以後は曇り時々雨の予報だ。
ヒュッテにいる間に雨は止んだ、登山届を出して登ることにした。
胎内ヒュッテで一般車は通行止、持ってきた自転車に乗って林道を足の松尾根の取付
まで行った。
足の松尾根取付に着くと再び雨が降りはじめた。雨具を着て歩き出す。ここからは登
山道だ。
ぶな林に入ってすぐ急登が始まった。その前に新潟大学工学部の岡本先生のお知らせ
の看板が立っていた。「大石山まではロープが沢山張ってあって邪魔でしょうが・・
・・」と、このルートの沢山のロープについての登山者の理解を求めたいという内容
の看板だ。
事実、このルートはロープが張りすぎるほど張ってあり、そのロープを跨がねばなら
ない所もあり登山に邪魔と思われるところがある。
岡本先生は胎内川周辺に60箇所も雨量計を設置して雨量の研究をなさっている。そ
れぞれの雨量計の記録紙を1ヶ月に一度取り替えなくてはならないしメンテナンスも
あるので毎週のように山に入っておられる。以前二王子で偶然お会いした時この研究
を10年続けるとおっしゃっていられた。
姫子の峰に着くまで雨が降ったり止んだりでその度に雨具を脱いだり着たりしてい
た。
姫子の峰で急登は一段落つく。そこからは暑いが雨具のズボンは付けっぱなしで歩い
た。
足の松沢の滝が見下ろせる滝見場に着いた時、激しい雨が降りはじめた。
大石山までは行くつもりだったが戻ろうかどうしようかと思案する。
初めての山だったら雨が降ろうと登るのだが、大石山は過去4回登っている。この雨
の中無理に登らなくてもという気持ちになりはじめた。
滝見場より5分歩いたが撤退を決めた。
下りはじめたらひとりの登山者が登ってきた、胎内ヒュッテにいた登山者だ。下るこ
とにしたと彼に伝えた。彼もすぐ撤退を決めて戻ってきた。
姫子の峰に着いた時、雨はあがった。そのまま登っても大した事無かったかもしれな
い。
しかし、もう下りはじめた。今日のところは降りるとしよう。
下山途中、手に蛭がくっついていた。飯豊で蛭にあったのは初めてだった。爪で弾き
飛ばしたら落ちた。
足の松尾根取付き手前で後ろから一人の登山者が追いついてきた。昨夜はえぶり差の
小屋に泊まったという、ただ、一晩中バケツをひっくり返したような雨だったそう
だ。
足の松尾根取付きで林道に出て、自転車であっという間に胎内ヒュッテに戻ってき
た。
ヒュッテは鍵がかかっていて中には入れなかった。
下山後、雨は完全にあがった。しかし、飯豊の方は黒い雨雲に覆われたままだった。

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