火打山、妙高山

2000年8月20日〜21日、単独

コースタイム
8/20
4:57笹ケ峰駐車場発−5:03登山口通過−5:55黒沢着6:04発−6:3
3十二曲の上着6:43発−7:33富士見平通過−8:10高谷池着8:30発−
8:43天狗の庭通過−9:10雷鳥平着9:15発−9:38火打山山頂着10:
03発−10:23雷鳥平通過−10:33天狗の庭通過−10:55高谷池着11
:40発−12:20黒沢池着(幕営)

新潟県上越地方に肩を組んだように並ぶ三つの山がある、頸城三山と呼ばれている。
妙高山、火打山、焼山である。
それぞれ標高は2400メートルを超え、高田平野から眺めた時、または、信州の
山々から眺めた時、この三山は目をひかずにいられない。
昨年越後三山縦走を終えた時、次の目標は頸城三山縦走と決めた。
しかし、三山のうち焼山は現在も火山活動が活発のため登山禁止ということのためそ
れを除く二山の火打山、妙高山に登ることにした。

前日のうちに登山口の笹ケ峰の駐車場に入っていて車中で泊っていた。
あたりが明るくなると同時に歩きはじめた。笹ケ峰からは対岸に黒姫山が秀麗な姿を
見せていた。
登山口で登山届を出して歩き始める。
黒沢までは緩やかな登りで木道が敷かれているところもあり非常に歩きやすい。
ただし、テントも入った大形のザックが肩に重くのしかかっていた。
軽装の日帰り登山者にどんどん追い抜かれていく。
人気の山のため入山者が非常に多い。
黒沢は明るく開けた大きな沢だ、ダケカンバの丸木橋を慎重に渡った。
黒沢を過ぎると本格的な登りが始まる。十二曲がりと名付けられている。やや急登だ
がつづれ折のため歩きやすい。
十二曲がりの上に標柱が有りそこで休憩した。
十二曲がりを過ぎてもまだまだ登りは続く。辛い登りに小鳥のさえずりが心を癒して
くれる。
黒沢との分岐点の富士見平を過ぎ、小尾根を越え火打山が見えると思われるところで
休憩した。しかし、肝心の火打、焼山はガスに覆われていて姿を見ることが出来な
かった。
富士見平から天狗の庭まではほぼ平らな道のりである。
火打山は中学の時2度登っているので23年ぶりの登山である。その時は登山道上に
十六分割した合目標識が有ったが、途中4箇所ほどその標識が残っていた。
高谷池ヒュッテは昔と変わらない姿をしていたが、今年は増築工事がこれから始まる
ため足場が組まれてあった。
テントなどの荷物を預け必要最低限の荷物のみ持って歩き出す。
高谷池の湿原は少し黄色くなりはじめていた。早くも秋の訪ずれを思わせる。
高谷池と天狗の庭の間の草原にハクサンコザクラが花盛りだった。こんなに大量に一
度に咲いた姿は見たことが無い。他の花もまじえて素晴らしいお花畑を作り出してい
た。
天狗の庭を過ぎると再び登りが始まった。ナナカマドの実が赤くなりはじめていた。
ハイマツ帯に入るところに雷鳥平と呼ばれているところがある。
北アルプスで有名な雷鳥は火打山にも生息しているが、最近の温暖化の影響で北アル
プスの生息域の標高が上がっているそうだ、しかし、火打山は標高が2462メート
ルしかないので生息地を上げるわけには行かず、火打山の雷鳥は危機に瀕していると
いう。こんな所にも温暖化の影響がある。23年前は当たり前のように登山道付近を
歩いていた雷鳥は今回は見ることが出来なかった。
最後の斜面は登山道の土砂の流出を押さえるために木で階段状のものを作ってあっ
た。その斜面を登りきるとガスに覆われた山頂に着いた。
中学時代以来の山頂である。しかし、ガスに覆われていて視界は丸でなかった。
焼山の方角は登山禁止の立て札が立ててあった。
記念写真を撮り、しばらくしてから往路を下山した。
高谷池まで戻ってから昼食を摂った。昼食を摂っているうちに火打山を覆っていたガ
スが晴れた。高谷池の後ろに聳える火打山の姿は圧巻だ。ただ、焼山は相変わらずガ
スに覆われていた。
当初の予定では高谷池にて幕営の予定だったが、時間が早いため黒沢池に移動してそ
こでテントを張った。

コースタイム
8/21
4:45黒沢池発−5:00大倉乗越着5:05発−5:32長助池分岐着5:37
発−6:33妙高山山頂着7:00発−7:40長助池分岐着(近くの沢で休憩)7
:50発−8:15大倉乗越着8:18発−8:30黒沢池着9:01発−9:38
富士見平着9:45発−10:15十二曲がりの上着10:21発−10:43黒沢
着10:50発−11:15登山口通過−11:20笹ケ峰駐車場着=苗名の湯=1
5:30新潟着

このところ暑さのためか妙高方面は朝早いうちでないと山頂は晴れていないとの事な
ので早めに行動することにした。
空がうっすらと明るくなりはじめた頃ヘッドランプを点けて妙高山を目指して歩き出
した。テントは乾かすため張ったままで出かけた。
複式火山の妙高に登るためにはまずは外輪山を越えなくてはならない。
外輪山の大倉乗越に着く頃にはすっかり明るくなっていた。そして、カルデラに向け
て下りはじめた時に雲海の彼方から朝日が昇ってきた。
登山道は外輪山を右にへつりながら緩やかに下っていく。下りきったところに沢が流
れていてすぐ上流にまだ雪渓が残っていた。冷たい雪解け水で喉を潤した。
その沢のすぐ上で燕温泉方向に下る道を分けた。
そこからは急な登りが始まった。
ガレた急な登りで雨が降れば完全に川となるような道である。上部の方は根が曲りそ
の上に見事な枝振りのダケカンバが岩にへばりついているようだった。
ごつごつした登りが終わると一等三角点が置かれた山頂に出た。しかし、ここは妙高
山の最高点ではない。三角点の写真だけ写して最高点へ向かった。
ミョウコウトリカブトが紫の花をつけていた。
最高点は岩峰で地蔵様が祭られていた。
岩の上に立つと360度の大展望が待っていた。すぐ近くには火打山、噴煙をあげる
焼山、そして、その向こうには山頂は雲がかかっていたが、学生時代の思い出が残る
白馬岳、北アルプスの山々、左に目をむけるとすぐ近くに雲がかかった戸隠連山、黒
姫山。そして、苗場山などの上信越の山々、越後三山、米山、日本海。眼下に野尻
湖。
朝早く出て来て正解だった。山頂はまだ誰も居ずひとりでこの素晴らしい眺めを独占
した。
黒沢池までは往路を戻った。黒沢池に着いた時は既にあたりはガスに包まれていた。
黒沢池の幕営地でテントを撤収して、再び大きなザックを担いでの下山開始だ。
湿原の中の木道を進んでいく。
富士見平で昨日登ってきた道に合流して、往路を下山した。
杉野沢の苗名の湯で汗を流して、開通して間も無い上信越道に乗って新潟まで帰っ
た。
途中振り返った頸城三山はもう既に雲の中だった。

最近、山は中高年で埋め尽くされている感が有るが、火打、妙高に関しては何故か若
い登山者が多かった。山登りを始めて最初のうちに目指す山ということか。


妙高山山頂より見た火打山と焼山(噴煙をあげている)

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