守門岳

2001年4月22日、MML、東北の山MLオフミ、メンバー15名

コースタイム
6:36二分奥除雪終了地点出発−7:12猿倉橋着7:28発−8:00尾根上着
8:10発−9:03 881mピーク着9:10発−11:55守門岳山頂着12
:42発−14:48林道合流点−15:25除雪終了地点着

守門岳は越後の名山である。
山麓を取り囲む地域の人たちは、この山に憧憬が深く、守門の名を冠した施設が多く
見られる。
深田久弥も日本百名山の候補にあげたが、残念ながら百名山には選ばれなかった。
しかし、その品格、歴史、個性、どれをとっても名山の資格充分な山だと思ってい
る。
昨年、登山メーリングリストで守門岳の雪庇の話題がでて、残雪期に雪庇を見にオフ
ミを開こうということになった。

前日に登山口の守門村二分の奥の除雪終了地点に参加メンバーの多くが集まり、大型
のテントの中で楽しい一夜を過ごした。
あわよくば除雪終了地点より少しでも奥に入れればと思っていたが、林道は完全にま
だ雪の下だった。
早朝、メンバー全員が集まり雪で埋まった林道を歩き始めた。ルートファインディン
グが必要なので私が先頭を歩き始めた。
メンバーのうち3名はスキーでの参加である。
天気は上々、気温は低く雪は硬く全くもぐらずに歩けた。
雪上のトレースは大岳へ向かうものが多かったが、我々は守門の山頂の袴岳を目指す
べく、二口の登山口へ向かった。
登山口近くの猿倉橋でアイゼンを装着した。
尾根への取り付き点は夏道が出ていてすぐに分かった。
ここからは私はパーティーの最後尾について歩いた。
テレマークスキーの南雲さんが急な登りで苦労していた。彼はどうやらスキーで山に
登るのは初めてのようだ。
尾根の上に出てしばらくは緩やかな登りになったが、やがてぶな林の急斜面の登りに
なった。
南雲さんのビンディングが何度か外れ、小町さんが同じ機種のビンディングを持って
いるとのことで調整した。しかし、なかなか登るのが大変そうで、結局板を外して担
いで登ることになった。それでも、足首を固定しているスキー靴での登りは大変きつ
そうだった。
隊がバラけながら881mピークに到着、先行していたメンバーに休憩せずそのまま
歩くことを伝えたが、南雲さんの息が切れているのを見て急遽休みを入れることにし
た。
ここからは南雲さんの板を私が担いで登ることにした。
そこから先は痩せ尾根になった。気温が低いので雪が崩れることはないだろう。
ちょっと端を歩きすぎるかなとも思ったが、そのまま問題なく通過できた。
途中の雪の切れた夏道の脇にイワウチワが咲いていた。
山頂をガスが覆い始めて、やがて我々もガスの中に入っていった。
黙っていると隊がばらける、一旦小休止したときにばて気味のメンバーを前に歩かせ
て追い越さないように指示を出した。
視界は10m以下になっていた。
用意していた標識旗は5本しかなく、そのうち1本はかなり前に使ってしまったので、
4本の標識旗を立てる地点に苦慮した。
しかし、別のパーティーが残した雪の上の赤いペンキがもあったので、周りに木の無
いところに旗を立てた。地図を何度も取り出して、わずかな手がかりから現在地を特
定しながら歩いた。
大岳分岐は斜度が緩くなり始めて通過したことを知った。
視界はない上に時折雪が降り始めた。山頂は目前である。晴れていれば指呼の間だろ
う。
青雲岳と袴岳の鞍部を通過したところで最後の標識旗を立てた。
この登りが最後の登りだ。前の方から「着いたよ」の声で山頂に着いたことを知っ
た。
山頂だけは雪が消えて土が出ていた。
全くの濃いガスの中、期待していた景色は見えない。風が弱いことだけが救いだっ
た。
時間が押していたので30分で休憩を切り上げて下山する指示を出した。
みなそれぞれの昼食を摂り、記念写真を撮り、予定よりやや遅れて山頂を後にした。
山頂を後に一歩踏み出した瞬間、西の方の景色が見え始めた。みなそれぞれに歓声を
上げる。そして、みるみるガスが晴れ360度の大展望が現れた。
まるで映画のワンシーンかのようにそれは劇的な瞬間だった。
青雲岳まで進んでみなそれぞれ写真を撮ったり、展望に見入ったり。
そして、うわさに聞く大雪庇は目前だ。大岳山頂に人がいるのが見えるが、人の大き
さがごま粒のように見えるということは、雪庇がいかに巨大かということだ。
大岳の北方の雪庇はまるでアーケードのようだ。
そして、越後の山の大展望。遠くに日本海も見える。
山頂手前の登りで雪の舞う濃いガスの中、帰路確保が大変だなと思ったが、そんな心
配は何も無い。かえってその時の悪天候のおかげで強烈な感動を皆に与えたのだ。
尾根の分岐点から下山する尾根に入るときは名残惜しかった。
スキー隊は快適に下る。大山さんや小町さんはミニスキーを楽しんでいた。
つぼ足隊も下りの速度はなかなか速い、下りが快適なのは雪山の特徴だろう。
気温も徐々に上がってきた。痩せ尾根のところでは雪が一部崩れかけたところもあっ
た。
私はアイゼンをはずし時折グリセードを試みたが、これはまだまだ修行が足りないよ
うだ。
林道に出て振り替えると、白くどっしりした守門岳が我々を見下ろしていた。
参加したメンバーの皆さんお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。
守門はやっぱり越後が誇る名山でした。
そして、いい思い出ができました。

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