未丈ガ岳

2001年6月10日、単独

コースタイム
2:40新潟市発=4:30泣沢待避所外の駐車場着4:40発−4:55三ツ又口
通過−5:53前の沢の峰着6:01発−7:40未丈ガ岳着(藪こぎ10分)8:
20発−9:34前の沢の峰着9:42発−10:25三ツ又口通過−10:50泣
沢駐車場着=大湯温泉ユピオ=14:00新潟着

3度目の未丈ガ岳になった。
今回は未丈ガ岳北東にある大鳥池を目指した。
未丈ガ岳より大鳥池まではかつては道が有ったようであるが、今は廃道となり藪に
帰っている。
歩くなら残雪期が最もいいのかもしれないが、肝心の池が雪の下では意味が無い。
所々残雪を利用でき、雪の下から池が出てくるであろう6月上旬が敵期だと思ってい
た。
前日午後までこの日の天気予報は晴れであった。
ポイント予報でも湯之谷村は朝から晩まで晴れマーク、降水確率0%であった。
晴れれば未丈ガ岳から大鳥池を目指そうと考えていたので、所属会の事務所にファッ
クスで計画書を提出、準備をした。
ところが夜のテレビのニュースの天気予報を見ると、曇り後雨に予報が変っている。
梅雨前線ははるか南に有り新潟県は高気圧に覆われているはずなのになぜ?
上空に寒気が入り込んでいるようだ。
天気予報はこうも急変するものなのか。
しかし、気持ちはもう未丈に飛んでいる。今更変更できない、雨が降ってもガスさえ
かからなければ藪こぎして大鳥池まで行ってやると、意気込んでその晩は就寝した。

行動時間は長いので深夜のうちに自宅を出発、小出ICに着く頃は夜も明け始めてき
た。
そして、シルバーラインのトンネルの泣沢待避所のシャッターを開け、登山口の駐車
場に着いた頃はすっかり明るくなっていた。
昨年秋以来半年ぶりの泣沢駐車場だ。
雪は日陰にしかなく、車を置くには支障が無い。笹はまだ伸びておらず周囲の見通し
がいい。
まずは泣沢沿いの緩い下り道から始まる。
小さな沢の渡渉地点にかけられていた板橋はまだ取り外された状態だ。
橋が架かっていれば10歩も歩けば対岸に着くところを一旦沢底に降りて渡渉して登
らねばならない。
そういう場所が3個所ほどあった。
オリソノ沢渡渉地点は昨秋より水量が多かった。
空は高曇り、一部青空が覗いていた。
黒又川本流は立派な橋が架かっている。これを渡ったところが三ツ又口だ。
枝道を何本か分けて道標にしたがって尾根に取付く。
朝露で濡れないように雨具のズボンをはいた。
急登一息で尾根の上に出ると、右手に荒沢岳が見えていた。
しかし、歩いていくうちに雲に隠れてしまった。
いつしか空は曇り始め、周囲の山々は雲に隠れてしまった。
974mピークは「越後の山旅」(藤島玄著)には前の沢の峰と記されている。
そこで初めて休憩した。
前方に未丈ガ岳が見えるはずであったが、山頂は雲の中だ。
一旦下って松ノ木ダオから再び登りに転ずる。
標高1200m付近からガスの中に入っていった。
かなり濃いガスで視界は5m程度しかない。
残雪が所々現れ始めた。
樹林帯を抜けるとまもなく、未丈ガ岳の山頂に出た。
山頂の一角に立っているのに、山頂を示すポールが霞んで見えるほど濃いガスだ。視
界は相変わらず5mくらいしかない。
ここから先、大鳥池を目指すが、進むべき尾根が全く見えない。
30分ほど天候の回復を待った。
天気が良ければ稜線東側に有るであろう雪堤を利用して進めるはずであった。
風が無いのでガスは晴れる見込みはない。携帯電話で天気予報を聞いたが天気は下り
坂のようだ。
とりあえずコンパスを頼りに行ってみようと、藪に入った。
朝露で濡れるので雨具の上下を身に付けた。
進行方向にコンパスをあわせ、背丈を越すネマガリダケの藪をこいだ。
踏み跡は全く無い。
コンパスで時々進行方向を見ていたが、5分後に確認したとき、我が目を疑った。
進行方向より30度近く東へずれて進んでいた。
ネマガリダケの茎の方向にだまされて、いつのまにか右に進んでいたのだろう。
ガスの為周囲の視界が無いとこんなにも方向感覚が無くなるものか。
あきらめて引き返すことにした。このままだと完全に目標に向かって歩けない。
山頂に戻ると、とぼとぼ下り始めた。
自らの方向感覚の無さに落ち込んでしまった。
途中3パーティーほどすれ違った。
静かな山だ。
オリソノ沢渡渉地点まで戻っとき、小雨が降り始めた。
泣沢駐車場に戻ったとき、そのあたりも薄くガスがかかっていた。
そして、大湯温泉で一風呂浴びて帰りかけたとき、雨も本降りになった。
引き返してきて正解だった。
いつかは必ず大鳥池まで行ってみたい。

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