仙ノ倉谷西ゼン(平標山)

2001年9月24日、T氏、S氏、Fuuta氏、吉田

コースタイム
5:30新潟市発=7:10毛渡沢林道ゲート着7:20発−8:17入渓地点着
8:33発−9:05東ゼン出合通過−10:30第2スラブ中間着10:55発−
12:30登山道に出る−12:47平標山着14:00発−15:15入渓地点着
15:28発−16:25毛渡沢林道ゲート着=駒子の湯=食堂でビール=
19:30新潟市着

私と同じ豊栄山岳会のFuutaさんが9/24に沢へ行く予定があるという事を彼
のHPで見つけ、出来れば同行したいと申し出た。
前々日になってようやく連絡があり、平標山に突き上げる仙ノ倉谷西ゼンに行く事に
なった。
西ゼンはガイドブックや雑誌などで良く出てくる沢なので前から行きたいと思ってい
た。
そして、平標山も初めてだ。
メンバーは同じ豊栄山岳会のT氏、S氏、そして、Fuuta氏と私の4人で行く事
になった。

鳥屋野潟公園で他のメンバーと合流して、Fuutaさんの車で入渓地点の湯沢町土
樽を目指した。
土樽の駅手前で毛渡沢にかかる橋がある。その橋の手前を右に入って行った。
しばらくしてゲートがあり、その前の駐車スペースには既に5台ほどの車がとまって
いた。
車を降りると空気が冷たい。前日の新潟地方は9月としては観測史上最低の気温を記
録している。
この日はそれほどでもなかったが、平年より気温は低めの朝だった。
入渓地点までは林道と登山道をガイドブック等では1時間半くらい歩く事になってい
た。
ヘルメットは着用せず手に持って歩いていった。
男4人しゃべりながら平坦な道を歩いていった。
林道終点で毛渡沢の吊り橋を渡り、そこからは平標新道と名づけられた登山道を行
く。
ゲートから1時間弱で入渓地点に着いた。
その頃には既に気温が上がり、肌寒さはなくなっていた。
地形図や資料を見て、ここが間違いなく入渓地点である事を確認して遡行を開始し
た。
しばらくはゴーロ状が続いた。
ダイコンオロシ沢出合は気づかないうちに通り越した。
イイ沢出合を過ぎ、ちょっとした滝を越すと東ゼンの出合いに着いた。
ダイコンオロシ沢出合いを分からないうちに通り越したのでここがイイ沢の出合いだ
と最初思っていたが、地形図から東ゼン出合いである事が分かった。
出合いのすぐ上に奇麗なナメがあった。私とT氏が写真を撮っているうちにFuut
a氏とS氏はさっさとナメの右側の斜面を登っていった。
奇麗な滝をいくつか越すといよいよ西ゼンのクライマックスに差し掛かる。
前半は第1スラブだ。
私が写真を撮っているうちにみんなすたすたと歩き出す。
斜度はそれほどきつくない。ホールドも豊富だ。振り返ると草紅葉の始まった巻機山
が見えていた。
やがて、第1スラブが終わり、やや大きな滝が現れた。
よく見ると滝の真ん中をバンドがジグザグに走っている。シャワークライムが楽しめ
そうだ。
滝の左側にも直登出来そうな部分がある。
でも、この時期冷たい水に濡れたくないという事で高巻く事にした。
滝の右側に踏み跡があり、それをたどって登っていった。
滝の上に出た所でトップを歩いていたT氏が懸垂でないと沢底に降りれないという、
その地点の潅木に誰かが残していった捨て縄が縛り付けてあった。
我々は懸垂で降りる事にした。
滝の左側を登っていれば良かったのだ、踏み跡にだまされた、とこぼしながらザイル
の準備をする。
T氏がまず降りて、S氏が後に続いたとき、T氏が下から上に残っている私とFuut
a氏に向って、「上にルートが有りそうだ」と呼びかけ、Fuuta氏がルートを探
索しに登って行った。
T氏とS氏は苦労して懸垂で降りた斜面をまた登ってきた。
先行したFuuta氏から手で丸印の合図があり、結局我々は右側の斜面を登って途
中トラバースして水線に戻った。
もう既に第2スラブに入ってきていた。
第2スラブ途中で腹が減ったので食事タイムにした。
その後、私がトップで歩き出した、歩き出して振り返るとだれも付いてきていない、
私はスラブの右側を登っていったが、他のメンバーは左側を登っていた。
私はバンドや割れ目を利用すれば右側の斜面を登れるつもりで登っていったのだが、
よく見ると逆層で登りにくそうだった。
仕方なく、途中でトラバースして左側に戻り、せっかくトップに出たのに、最後尾に
なってしまった。
第2スラブ最後の滝は足がかりが頼りなかったが、手の届く所に潅木があるので頼り
になった。
その上の滝を越えると熊笹帯を流れる平凡な沢になった。
振り返ると巻機山や八海山が見えている。
その場で他の山名で議論になるが、こんな所で議論するより上に行けば分かるさ、と
いう事で山名議論は平標山頂に持ち越しとなった。
沢の源頭はこんこんと湧き出る湧き水だった。
その右側の笹薮の中に踏み跡があり、いよいよ沢と分かれて藪こぎが始まった。
途中で足が痙攣した。足の鍛え方が足りないのか?
他のメンバーを先にやって、休みながらゆっくりと登っていった。
短い藪こぎに時間を費やしてしまった。
稜線の登山道に出ると小さな池塘があった。
草紅葉の始まりかけた草原の登山道を平標山目指して登っていく、たびたび足が痙攣
し、その度にストレッチしながら、ゆっくりと登っていった。
平標山山頂には多くの登山者が休んでいた。
そして、360度の大展望が我々を取り囲んだ。
すぐ近くに仙ノ倉山、谷川岳、一ノ倉岳、茂倉岳。
そして、八海山、中ノ岳、荒沢岳、巻機山、平ガ岳、燧ケ岳、至仏山、赤城山、榛名
山、秩父連山、浅間山、苗場山。
さらに、遠くに雪をかぶった富士山、八ヶ岳、白馬三山までもが見渡せた。
最高の展望だ。
同じ会のK氏にまで偶然出会った。
気分のいい山頂だ。気温も上がって寒くない。着替えも持ってきていたが、着替える
必要も無かった。
下山は平標新道を下山した。
相変わらずT氏は速い、彼は私が遅いというが、私は普通の人のペースなのだ、それ
でもコースタイムより速く歩いている。T氏が速すぎるのだ。
途中西ゼンの第2スラブが見える所があった。
現地にいるとき以上に急に見えた。
入渓地点からは往路と同じだ。
登りの時と同じく男4人しゃべりながら歩いていった。
帰りに駒子の湯に入り、近くの食堂で生ビールを飲んで、新潟に帰ってきた。
天候に恵まれて最高の沢登をする事が出来た。
しかし、今回のメンバーは全員40歳前後の独身男である。
運命の糸に導かれた4人だったのであろうか・・・・


第2スラブ入口の滝、夏なら絶対シャワークライムだ。


平標山山頂にて

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