荒沢岳

2001年11月1日、単独

コースタイム
4:00新潟発=(一般道経由)=6:12村杉登山口(銀山平)着6:25発−7
:02前山着7:07発−8:00前くら下「これより岩場」看板−8:30前くら
着8:38発−9:40山頂着10:17発−11:05前くら着11:13発−1
1:50前くら下−12:30前山−12:53村杉登山口着=大湯温泉「ユピオ」
=(中之島〜巻間のみ高速利用)=16:30新潟着

荒沢岳は魚沼の人里から見えないが、越後三山のそれぞれのピークから、また、周囲
の山から、その尖った山容は目を引かずにいられない。
前から気になっていたがなかなか登る機会に恵まれなかった。
そして、ついに登山のチャンスがやってきた。
ただ、事前の情報では難所の前くらの岩場の鎖は冬支度で取り外されたとの事だった
が、前年私の所属会の者が、鎖が外された後に登ったこともあり、気にせずに行く事
にした。

高速代を倹約する為に一般道で登山口に向った。
早朝ならそれほど時間に変わりはない。
小出より奥只見へ向う道路に入り、奥只見シルバーライン経由で登山口の銀山平へ
向った。
思ったより早く登山口に着いた。
登山道は前山の登りから始まる。やや急な登りだが、まだ登り始めなのでペースは控
えめに歩いた。
周囲の木々の葉はほぼ落ちて、木の枝から荒沢岳が透けて見える。
前山からは緩く一旦下り、緩いアップダウンを繰り返しながら緩やかに登っていく。
進行右手に堂々とした駒ケ岳と中ノ岳が見え、左手には奥只見湖の上に雲が溜まっ
て、白く輝いていた。そして、行く手には三角形の荒沢岳とごつごつした前くらが重
なって見えた。
前くら手前の鞍部で手にしていたストックをしまった。
「これより岩場」の看板から岩場が始まる。
登山道は一直線に尾根を登るのでなく、進行左手を巻きながら高度を上げていく。
最初の部分だけ鎖は張ってあったが、頼るような所はなかった。
足場はしっかりしており、手がかりになる木や岩は沢山有る。
鎖が無くても平気で登る事が出来た。
一旦、尾根に出たら、前方の岩峰の左基部に降りて、草付きの岩場の登りが有った。
岩には黄色いペンキでマークがしてあるが、消えかかっていて分かりづらい。
時々有るボルトを目印に登って行った。
前くらの上に立つと、大展望が広がった。
これから登る荒沢岳を見ると、意外に遠いと感じてしまった。前くらに登ったら7割
方登った感じになってしまうからだ。
そこからは普通の登山道だ。ただ、周囲に木が無い為、展望がすこぶる良い。
頂稜にでると、真っ先に燧ケ岳の姿が目に飛び込んだ。平ガ岳も間近に見える。
ただ、今まで無かった風が吹き出して冷たい。
そこから、山頂までの間にも小さな岩場があった。
そこをよじ登って、山頂に出た。
山頂は風が強く寒かったが、体を隠す場所も無い。
それにしても、360度の大展望だ。
北には未丈ガ岳、毛猛山塊、守門岳、浅草岳、そして、その向こうに飯豊山。そこか
ら東から南に転ずれば、会津朝日岳、会津丸山岳、三岩岳、会津駒ケ岳、双耳峰が美
しい燧ケ岳、日光白根山、間近に平ガ岳。そして、その右手に巻機山、その背後に上
越国境の山々。
越後三山は中ノ岳と駒ケ岳がすぐ近くに迫力ある姿で迫り、その鞍部から八海山のギ
ザギサの峰々が頭を出していた。
そして、足元から、いつかは歩いてみたい灰ケ岳から兎岳に続く稜線が緩やかに伸び
ていた。
見事な絶景である。
景色を眺めながら早めの昼食を食べて下山を開始した。
前くらの岩場は下山の方が時間がかかった。
せっかく持ってきたので、一個所ロープを出して懸垂下降を試みたが、三点支持に心
がけて下ればなんてことはない。ロープは不要だった。
前山は休まずに通過した。
下山後、シルバーラインのトンネルに入る手前で、荒沢岳を見上げる事が出来た。
三角の形のいい山である。
気になっていた山に登れて、満足の一日だった。


前くらの岩峰、登山道は左側基部を巻いて行く


山頂から見た中ノ岳(左)と駒ケ岳(右)鞍部よりわずかに八海山が見えている

新潟県中越の山の目次へ戻る

ホームへ戻る

inserted by FC2 system