粟ケ岳〜白山の縦走

粟ケ岳、権ノ神岳、宝蔵山、白山


2002年3月17日、本田、中山、吉田

コースタイム
3:50新潟市発=4:50慈光寺着5:00発=5:40岩野(宮寄上浄水場前) 着5:55発-6:15第二貯水池(登山口)通過-6:58三合目着7:05発-8 :15砥沢峰(粟ケ岳ヒュッテ)着8:32発-9:05北峰通過-9:18粟ケ岳本 峰着9:25発-9:40北峰通過-10:15シバクラノクボネ通過-10:47大 シデ着(昼食)11:30発-12:05橋立通過-13:00宝蔵山着13:05 発-13:35 934ピーク手前で別働隊と出会う 13:45発-14:05白山 着14:45発-15:30慈光寺着=岩野へ車回収=七谷コミュニティーセンター にて入浴=18:10新潟市着

川内山塊の最高峰粟ケ岳から積雪期の人気の山白山までは縦走路がついている。所々 藪っぽい所もあるがしっかりした道だと聞いたことがある。いつかは縦走したいと 思っていたが、雪が消えるとヒルのいる山域ということから、雪のあるうちに縦走し たいと考えていた。
3月になり暖冬の影響で越後の山も春山の様相になってきた。会のメンバー数名に声 をかけたら3名のメンバーが集まった。

夜明け前の5時に豊栄から来る本田さん、中山さんと白山の登山口である慈光寺で合 流し、本田さんの車をそこに置き、私の車で粟ケ岳の登山口の加茂水源池に向かっ た。
除雪は岩野集落の宮寄上浄水場前で終了。雪解けが早いので少しでも奥には入れるだ ろうかと思っていたが、そう甘くは行かないようだ。
メンバーにアイゼン、ピッケル、わかんを用意するように計画書に記載して渡して あったが、ベテラン本田さんはいらないと判断して持ってきていない、中山さんはア イゼン、わかんは持ってきていたが、ピッケルはない。山を甘く見ているなと思った が、数日前に倉谷山に登ったとき、わかんは使ったがアイゼンは使わなかったことを 思い出し、アイゼンは不要と判断し私と中山さんは車に置いていった。しかし、わか んはあったほうがいいと言ったが、本田さんは無し、中山さんも重いから置いていく 事にした。私ひとりピッケルをザックに刺し、わかんをぶら下げて歩くことになっ た。ザックの中にはザイルもある。私一人荷が重いと思いつつ、その分体力でカバー さと歩き出した。
しかし、アイゼンがなかったために後で苦労することになる。

ダブルストックで歩き始めた。 歩き始めは所々アスファルトが出ていたが、その部分は凍結している。雪の上を歩い ても大してもぐらないことから、滑りにくい雪の上を歩いた。それも、水源池を通過 する頃には道路はすべて雪が覆っていた。
第二水源池の堰堤を渡り、中央登山道を登って行く。前日のトレースがあり、雪もし まっているので歩きやすい。マンサクの花が咲き始めていた。
尾根に出たところで小休止。ベンチのあるところより上のところで尾根に出た。
尾根を登るにつれて視界が開けてくる。右手に守門が見えるが霞がかかってぼんやり している。 登るにつれて、この日歩く宝蔵山や白山も見えてきた。
粟庭手前の岩場ははしごが2本出ていたが、あとのはしごや鎖はすべて雪の下。ト レースに合わせて登っていった。
砥沢のヒュッテは雪が入り口を埋めて入れなかった。雪の上で小休止する。 ここから先はトレースがない。雪も硬くなってきたことから私はピッケルに持ち替え た。他のメンバーはダブルストックだ。
雪が硬くてキックステップが利かない。靴の内側を雪に蹴りこんでわずかな引っ掛か りを作り、それを頼りに登っていった。アイゼンが必要な場面だった。アイゼンを登 山口に置いてきたことを後悔するが仕方がない。滑り落ちてもこの傾斜ならピッケル で止められるだろうと考えてこつこつと登っていった。
北峰に出ると川内の山々の展望か広かる。皆それぞれ思い思いに写真を撮りながら進 んでいった。 稜線上はやや雪が緩んでいる感じだった。 とにかく風が強い。
粟山頂からは大展望が広がっていたが、記念写真を撮って縦走路 に向かった。

北峰から縦走路が始まるが、分岐点にはポールが立ててあった。雪庇が出来ているた め下る部分が分かりづらいが、適当なところからかかとで雪面を蹴りこみながら下っ た。
急な傾斜を下ると七頭にさしかかる。 尾根が痩せて雪庇が出来、それが崩れかけている。しかし、雪もだいぶ緩んでいて壷 足で安心して歩けた。振り返ると一本岳を従えた粟ケ岳が大きく聳えていた。
七頭と権ノ神岳の鞍部はシバクラノクボネと名づけられている。権ノ神岳で縦走路は 西に大きく折れ曲がっている。権ノ神の頭を踏まずに左側を巻くようにして縦走路に 出た。
そこからは緩やかに下る尾根道だ。雪庇も張り出しているという感じはなく、歩きや すい。雪も適度なしまり具合で好きな歩幅で歩ける。
標高800m付近で尾根が広がっており、適当なくぼ地で風を避けるようにして昼食 にする。大シデと名づけられている所だ。白山に登っている会の別働隊との交信時間になっていた。 風をよけられれば日差しは暖かく外にいても寒くはない。 別働隊のルートは事前に確認はしていなかったが、この時は宝蔵山から白山に歩いて いると思っていた。標高800m付近にいるとのことだったので、途中で追いつくかな と思っていた。(しかし、別働隊は上戸倉からバリエーションルートで白山に登り、 宝蔵山経由で下山するルートを取っていた。)
予定よりも早いペースで歩いていたので、ゆっくりと昼食をとることが出来た。しか し、ばてるといけないのでビールは白山まではお預けだ。

これから先は尾根幅が広いことから、私もピッケルをしまい、ダブルストックに持ち 替えた。
静越の最低鞍部の標高は600m粟ケ岳の標高の半分以下だ。ここから再び登り返すこ とになる。
橋立の分岐を過ぎると宝蔵山の登りが我々に圧力をかける。ぶなのきれいな登りだ。 雪も緩みキックステップは有効だ。
宝蔵山まではもくもくと登っていった。足には辛い登りだった。
宝蔵山で再び別働隊と交信。別働隊は白山の山頂にいるという。 宝蔵山よりトレースがあった。我々はまだ別働隊は宝蔵山から白山に向かって歩いた と思っていたので、彼らのトレースだと思った。しかし、どうもこの日のものとは思 えない。かなり緩んでいる足跡だ。
白山の方を見るとひとパーティー下ってくる。
烏帽子岳の分岐を過ぎ、934mピーク手前の尾根上で別働隊と会うことが出来た。こ こで初めて彼らのルートを知ることになる。風が強くて寒く、ゆっくりはしていられ ない。別働隊よりビールをご馳走になった。 白山までビールはおあずけのはずだったが、差し出されると思わず栓を抜いてしまっ た。白山はもう目の前だ。ばてても足を前に出せば届く距離だ。 ビールは最高にうまかった。張りかけていた腿が回復した気分になった。
別働隊と分かれてまもなく白山の山頂に着いた。 すぐに小屋に入り、ご苦労宴会を行った。 予定では白山到着17時だったので3時間近くも早い。ゆっくりくつろぐことが出来 た。
下山はほろ酔い気分だった。下山は早い。 私も歩くのは早いほうだが、他の2名はもっと早い。ここまで来ればはぐれても迷う ところはない。そのまま先に行ってもらった。
白山の尾根線の登山道はかなり土が出ていた。3合目より下はほぼ土の道だった。 下山は雪のほうが歩きやすい。土の道は歩幅を狭くしなければならずスピードが上が らない。
慈光寺に着くと、メンバーは私より5分早く下山していたようだ。
岩野まで車を回収に行き、100円風呂の七谷コミュニティーセンターで汗を流して 解散となった。
一日にしてはかなりハードな縦走路であったが、充実感いっぱいの山行であった。
粟北峰より縦走路を眺める。白山まではまだまだ遠い。 七頭で粟北峰を振り返る。 橋立付近から見た粟ケ岳随分下ってきた。

新潟県下越の山の目次へ戻る

ホームへ戻る

inserted by FC2 system