松平山

2002年4月7日
豊栄山岳会雪上技術訓練、12名


コースタイム
7:43 魚止の滝駐車場発-8:04山葵沢出合着8:15発-9:15山葵山着9 :30発-11:00松平山山頂着(ピッケルを使った滑落停止訓練、歩行訓練、昼 食)15:20発-16:28山葵山着16:43発-17:10山葵沢出合着17: 16発-17:32魚止の滝駐車場着

私の所属する豊栄山岳会は、毎年4月初めに雪上技術訓練をする。主な内容は、読図 訓練とピッケルワークの訓練だ。
私は雪山が好きで良く行くので毎年必ず参加することにしていた。
登山口の魚止の滝の駐車場で豊栄からやってくるメンバーを待つ。7時を回ってまも なくメンバーが全員集合した。
支度をしたあと、担当リーダーの服部さんか挨拶、そ して、読図訓練を担当する小林会長から拡大コピーされた地形図をメンバー全員に配 布された。
地形図には尾根線、谷線が引かれているだけでなく、山葵山から松平山ま でのピークごとに番号が振られてあり、下山時間違いやすい尾根には黄色い尾根線が 引かれてあった。これなら読図初心者でも分かりやすい。
読図に関する注意事項を会 長が説明し、コンパスを進行方向にあわせて歩き始めた。 天候は曇り、山頂付近はガスの中だろう。
大荒川を橋で渡り対岸の高台に上がる。雪解け水で水量は多かった。
川沿いの高台にしっかりした登山道が続いている。 エゾエンゴサクの花がきれいだ。歯ブラシ状の花はヒメカンスゲと外山さんから教 わった。鳥のさえずりも心地いい、ミソサザエという名の鳥だと本田さんから教わっ た。
やがて進行左手から山葵沢が流入するところで立ち止まり、地形図で現在地を確認し た。ここから沢沿いの道からはなれ、尾根を登ることになる。
尾根を登っていくとイワウチワが登山道脇に見え始めた。ショウジョウバカマもきれ いだ。
急登が一段落したところで立ち止まる。ここは小尾根が合わさるところだ、地形図で 現在地を確認する。 この辺りから雪の上を歩くところが多くなり始めた。
山葵山で小休止、行動食を食べる。地形図で進行方向を確認し、コンパスで進路を合 わせる。
ここから先は小林会長が用意した地形図にはピークごとに番号が振られてい る。枝尾根の状況や周りの地形から現在地を判断しながら進むことになる。ここから はほぼ雪の上の歩きになった。
マンサクの花が沢山咲いていた。咲いているところは黄色くなり、山に彩を添えてい た。
ピークごとに立ち止まって現在地を確認しながら進んだ。この方法だと読図初心者も 良く分かるだろう。 枝尾根に迷いやすいところでは特にその注意点を指摘しながらの説明があった。
夏道を歩いている分には足元だけ見ながら歩いていても山頂に着けるし降りてこれる が、道の無いところや雪山を歩く場合は読図は重要な技術である。
山頂に着き、風をよけたところに昼食用のテントを張り、食事の前にピッケルワーク の訓練に入った。
服部リーダーの指揮のもと、滑落停止訓練が入念に行われた。 ざら目雪で雨具を着ながらだと良く滑っていいが、雪がやわらかい分だけ、ピッケル の摩擦が小さく止めにくかった。私も何度もいろいろな体制から転倒滑落し、体制を 立て直して停止する訓練をした。
場所を変えて、トラパースや急登を登る訓練もした。
とにかく雪山では滑落したら停止するより、まずは転ばないこと、そして、転んでも 滑る前に止める事が重要なのだ。 私も雪山では良く転んだ、ピッケルを刺しながら歩いていれば、転んだ瞬間にピッケ ルがささっいて落ちる事が無いのは経験済みだ。
一通り訓練が終わった後、テントに入って豚汁を作って食べた。
暖かいテントの中で 酒と豚汁ですっかりいい気分になってしまった。
テントから出ると、天候は回復し、遠くの山々が見えていた。特に川内山塊の山々がきれいだ。
下山も地形図を見ながらの下りだ。道迷いは多くは下山のときに発生する。登りは上 へ上へと行けば山頂に着くものだが、下山の場合、尾根一本間違えばとんでもないと ころに降りてしまう。往路のトレースなど、消えていることも多い。読図は重要な技 術なのだ。
魚止の滝の駐車場で経費の精算をして、解散となった。
雪山は美しい。しかし、その領域に入るためにはそれなりの技術がいる。このような 訓練によって自らの技術を確認することが出来るからこそ、雪山に入れるのだと思っ ている。


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