二王子岳

二本木山


2002年4月24日、単独

コースタイム
6:05二王子神社発-6:55一王子-7:35定高山(独標)-8:19油こぼし-8:45二王子岳山頂着8:50発-9:10二本木山着9:30発-9:50奥の院-10:05油こぼし-10:25定高山(独標)-10:45一王子-11:27二王子神社着

二王子岳は飯豊連峰の主脈が一望に見渡せる山である。
私の所属する豊栄山岳会は5月の連休に二王子岳から飯豊の門内岳までの縦走を計画していて、私が担当リーダーになっている。
この冬は例年になく暖冬少雪で、春になってからも気温が高い日が進み、山の雪解けはここ数年では一番早いペースで進んでいる。
二王子から赤津山を通って門内岳へのルートは残雪があれば問題ないが、そうでなければ相当な藪こぎを覚悟しなければならない。大学のワンゲルならともかく、我々の山岳会もご多分に漏れず高齢化が進み、大荷物を担いでの藪こぎ山行は体力的に無理な面があると考えていた。
とにかく、実際にこの目でルートを見てみようと天気のいい日を選んで二王子岳に登り、縦走路の入口の二本木山から状況を見てみようと思った。

まるで初夏のような陽気の日が続いていた。この日の天気予報は晴れのち曇り、日中の気温は27度まで上がる予報だ。曇っても気温が上がっても遠望は利かなくなる。朝早く涼しいうちに山頂から縦走路を見ようと早朝に出かけた。
登山口の二王子神社までは車で入れた。平日の早朝だけあって静かな登山口だ。登山届けを出して歩き始める。
杉林の登山道脇にはスミレやイチリンソウが沢山咲いていた。小鳥のさえずりも心地いい。
一合目の手前に大きな栃の木がある。黄緑色の若葉をつけていた。周囲の木々も若葉を付け始めている。

一合目手前の栃の木は、新緑の装いだった。


神子石(みこいし)手前より坂が急になる。
神子石の先で大きくカーブすれば二合目だ。水場の水は勢いよく流れていた。
急登が一段落すると避難小屋のある一王子だ。ここは三合目にあたる。雪が登山道を覆い始めた。
ここから先はほぼ残雪の上の歩きだった。細かい間隔でピンクのテープが木に付けてあるので迷うことは無い。
登るにつれて視界が開けてきた。
独標(定高山)のポールを過ぎると、夏道通りではなく、稜線上を歩くようになる。赤いポールやピンクテープに導かれて登っていく。分かりづらいところは持参したオレンジ布を付けた。
油こぼしは雪で埋まっていた。
3月に来たときは巨大な雪庇が出来ていた8合目のピークは、片側が少しへこんだだけで、雪庇はなくなっていた。
ここまで来ると山頂の小屋が見えてくる。
緩やかなのぼりを終えると山頂に着いた。
飯豊連峰の大展望が待っていた。二王子には何度も登っているが、雲のかからない飯豊連峰を見たのは何年ぶりだろう。展望は飯豊だけではない、朝日連峰や鳥海山、南会津の山、燧ケ岳や越後三山、守門岳、浅草岳、川内の山々、五頭連峰と素晴らしい展望だった。
しかし、今回の目的は赤津山経由で門内までの縦走路の残雪状況の偵察だ。もう少し良く見える日本木山に向かった。
二王子岳には何度も来ているが、二本木山は初めてだった。山頂から残雪上を二本木山に向かう。半分くらい夏道を利用した。
二本木山山頂までは20分ほどで着いた。山頂からは周りを藪に囲まれて展望は利かない。山頂近くの雪原に出て展望を楽しんだ。
赤津山経由門内岳への縦走路は良く見えた。鞍部の長ばなまでも見える。
予想通り、長ばなからヤンゲン峰の間は稜線上の雪は少なかった。しかし、ヤンゲン峰から赤津山、二つ峰までは尾根上に沢山の残雪があるように見えた。
今後一週間でどれくらい変化するだろうか。
厳しい藪こぎは長ばなからヤンゲン峰の間くらいなら、予定通り決行しようと思った。
行動食を食べ、ビールを一缶飲んで下山に移った。
平日にもかかわらず10人くらいの登山者とすれ違った。私のトレースどおりにみな登っているようだった。
一王子で雪から離れると、もあ〜とした熱気に包まれた。まるで初夏の陽気だ。たまらず長袖を脱ぎ、半そでのTシャツ一枚になった。
登りも下りもまったく腰を下ろすことなく往復してきた。
二王子岳は故郷の山として今後も何度も登ることになるだろう。

二本木山より見た飯豊連峰、長ばなの鞍部まで見える 御神楽岳、川内山塊、遠くに越後三山や燧ケ岳まで見えた

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