日本平山


2002年4月27日、とんとん、えび太、えんじゃるん、むーむー、吉田

コースタイム
6:33早出川ダム発-7:55金ケ谷渡渉地点着8:20発-8:36駒の神着8:42発-10:03トコヤ着10:16発-11:10ガンガ着11:20発-11:50日本平山山頂着13:05発-13:22ガンガ通過-13:58トコヤ着14:10発-14:53駒の神着15:03発-15:15金ケ谷渡渉地点着15:50発-16:55早出川ダム着


日本平山は川内山塊の外郭を成す山で、登山道の無い山が多い川内の山の中で、整備された登山道のある山である。しかし、3本ある登山道のどれも長く、日帰りではどれも健脚コースとなっている。
山仲間のとんとんさんが日本平山に行ってみたいと話していた。しからば、ご案内しましょうと今回の山行は決定した。
そして、地図読みが苦手なメンバーのために、初歩的な読図の講習をすることにもなっていた。

6時半に早出川ダムに集合をかけておき、その15分前に着いたらメンバー全員が既に到着していた。
まずは用意した地図をコンパスを使って実際の方向にあわせることを教えた。地図は25000図をやや拡大して、現在地が特定しやすい地形の変化のあるところにチェックポイントを記しておいた。そのチェックポイントに来たら、実際の地形を見てみて地図上の地形と見比べてみるというやり方で講習をおこなった。
まずは、ダム湖畔の道を歩き始める。最初は車も通れる幅広の道だが、やがて山道に変わった。
今日のメンバーはやたら写真を撮る。道沿いにツツジなどの花が咲き、ダム湖のに写る周囲の山も美しく、写真を撮りたいところは沢山ある。しかし、この日はアプローチの長い山である。こんなにゆっくりしていては先が思いやられる。
山の神を過ぎると道は湖面からはなれ、かなり高いところをへつるようになる。所々足場の悪いところもあり要注意だ。
ダム湖の対岸の絶壁が近くなり、話し声もこだまが返ってくるようになった。沢の音が聞こえれば金ケ谷(きんがたに)の渡渉地点もまもなくだ。
金ケ谷の渡渉地点は沢底まで15mくらい登山道から降りなければならない。ロープが張ってあったところは雪崩のためか登山道が崩壊してロープが切れていた。これは、9日前に下見をしていたので分かっていた。
ロープを取り出して、下降地点にロープを張った。一人ずつ沢底に降り、最後に私は肩がらみの懸垂下降で沢底に降りた。
川幅は5歩くらいでわたれそうだが、雪解け水で増水しているので、飛び石伝いには渉れない。ビニール袋に足を突っ込んで渡渉した。
そして、対岸は雪崩跡のデブリを登って登山道に出た。ここではアイゼンが必要になるかもと考えていたが、雪のデコボコを利用して、アイゼンなしで全員登ってきた。
この渡渉地点の風景は一般的な登山道では考えられなかったらしく、メンバーはおっかなびっくりで渡渉してきた。
渡渉地点から急な登りのトラバース道を登り、尾根に出たところが駒の神だ。早出川本流に下降する道が分かれていた。
そこからは尾根道の急登が始まった。ちょっとペースが速いかなと思ったが、もくもくと登っていくので黙っていたら、案の定とんとんさんがばて始めた。
ときどき休憩を入れながらトコヤまで歩いた。途中からは周囲の山の展望が開け始めた。この日は晴天で絶景を見ることが出来た。
トコヤはかつて鉱山だったらしい。周囲は見事なブナ林だが、その部分だけ土が出ている。
しかし、このあたりのブナ林は見事だ。幹の太いブナの木が新緑の装いで我々を包み込んでいた。鳥のさえずりも心地いい。
トコヤからやや登って緩やかに下った先のブナ林の鞍部からはまた急な登りになる。
登るにつれて視界が開け、その上の小ピークがガンガだ。川内の山並みが素晴らしい、そして、真っ白い飯豊連峰の全景も見える。
再び急登を登ると残雪が現れ、日本平山の山頂に出た。
広い山頂は雪で覆われていたが、山頂の標識と三角点の周辺は土が出ていた。何故あるのか意味の分からない石の蛙の置物もあった。
山頂からは大展望が広がった。かつては藪で何も見えなかった山頂も、2年前に刈り払われたらしい。
まず目を引くのが白く輝く飯豊連峰、そして、磐梯山、博士山、志津倉山といった会津の山々。鍋倉山越に見える御神楽岳、日尊の倉山、狢が森山。浅草岳、守門岳が白く輝き、手前には矢筈岳、五剣谷岳の川内の中核をなす山、そして、川内の最高峰粟ケ岳、その右に宝蔵山、白山。すぐそばに銀太郎、銀次郎の稜線。とんがった権現山、裏側から見る菅名山塊。素晴らしい展望だ。
春の日差しは暖かく、外に座ってのランチでも全然寒くなかった。
1時間で宴会を切り上げて、記念写真を撮って往路を戻った。
下山もゆっくりかと思ったが、結構いいペースで下って行った。
トコヤまで一気に下り、駒の神で休み、再び金ケ谷の渡渉地点に戻ってきた。
朝の渡渉で使ったビニール袋は穴があいていて使えなかった。私は石を一つ投げ込んで足場を作り、靴のまま渡った。
そして、先に登山道に登り、ロープを張っていると、他のメンバーの歓声が聞こえてきた。
とんとんさんがビニール袋を使って渡渉したが、どうやら袋の中に水が浸入し靴がずぶ濡れになったようだ。それを見て他のメンバーは裸足になって渡渉してきた。
登山道へは急なところを15m登らねばならない。どうやら確保したほうが安全と思えたので、近くの木に支点をとって確保しながら登ってきてもらった。
ロープでの確保なしでも登れると思ったが、確保されていると滑っても落ちないという安心感が違う。確保してよかったようだ。
あとはダム湖畔のへつり道だ。足場が悪いところもあるが大したことは無い。
5時に早出川ダムに戻り、日帰りとしては長い山旅は終わった。
帰りにとんとんさんの実家のお母さんから取れたての筍をいただいた、どうもありがとう。
お気軽登山主体のメンバーにとって、この日の山行はハードなものだったに違いない。でも、いい経験だったと思う。
日本平山は静かでいい山です。

金ケ谷の渡渉 素晴らしいブナ林 粟ケ岳、白山を眺める


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