毛猛沢支流久右エ門沢〜前毛猛山〜大鳥沢下降

2002年9月15日、ふうたさん、吉田


コースタイム
8:25毛猛沢出合発(入渓)-9:02久右エ門沢出合-12:21前毛猛山着13:00発-15: 15大鳥沢入渓地点着

毛猛山塊の北端に位置する前毛猛山に、六十里トンネルの越後側の出口付近から大鳥 沢を経由して簡単に登れそうなルートがあるという情報を得、7月に単独で行ってみ た。しかし、ちょっとした判断ミスと水の補給の忘れから途中撤退となってしまい、 それ以来の宿題になっていた。
その後の休日のスケジュールから、この宿題をするのは9/15しかないと思い、地元で 民宿をやっておられる浅井氏に情報を聞いたら、彼は長靴で大鳥沢を遡行して登って きた。どうやら簡単な沢らしい。 沢登りの装備を携えて長靴でも登れる沢を登るのはもったいない、地形図を見て毛猛 沢の支流の久右エ門沢を登れば少しは楽しいだろうかと考えた。

新潟市内で同行のふうたさんと待ち合わせをし、彼の新車で入広瀬を目指した。
まずは下山予定の大鳥沢の入渓地点に自転車をセットし、毛猛沢出合に向かった。 毛猛沢出合は川底で工事をしているのですぐに分かる。岩魚釣りらしい人の車も止 まっていた。
沢登り装備に身を固めて歩き出す。末沢川をコンクリートの橋で渡り、毛猛沢右岸の 踏み跡をたどった。
踏み跡はすぐに消え、沢に足を踏み入れた。毛猛沢は沢というよ り川だ。
明け方まで降った雨の影響で沢は増水し、泥の匂いがする。それに水は冷たい。右へ 左へと渡渉を繰り返しながら進んでいった。
目の前にいきなり堰堤が現れた。 左岸を高巻くが、堰堤を越えるとしっかりとした踏み跡があった。そして、川原が出 てきたところで再び沢に下りた。
進行方向に目指す前毛猛山が聳えている。遡行する久右エ門沢もいくつもの大きなス ラブを両岸の斜面に従えて前毛猛に突き上げている。久右エ門沢左岸尾根は見事な岩 稜の尾根だ。
久右エ門沢に入ると急峻な沢らしく、早々と滝が連続して現れた。大きな滝は無く簡 単に登れる滝の連続だ。 一部ショルダーで登る滝もあったが、あとは我々の登攀力でも充分に登られる。岩は ごつごつしていてホールドは豊富だ。
左から1:2で支沢が流入するのを過ぎると、8mの直滝が現れた。この滝は登れ ず、左岸を高巻くことにする。 しかし、高巻始めると目の前に大きなスラブが現れた。右岸を高巻いた方が良かった かもしれない。振り向くと、先ほど流入した支沢は美しい滝をいくつも重ねて流れて いた。
スラブの上部まで藪に沿って登り、上部のバンドを使ってスラブを横切り、小尾根に 登った。
小尾根からスラブの先を見ると尾根がすぐそばに見え、このまま尾根に登ったほうが 早いかもなどと思ったが、それでは面白くない。沢登に来たのだ。 その場から斜上しながらトラバースするが、草付きや密藪などでてこずった。
小1時間も高巻きしただろうか、高巻きし始めてから100m以上上がったあたりで沢 に降りた。 そこからは再び登れる滝の連続で楽しい沢登りとなった。
右から2:3で支沢を流入するところを過ぎると、明るくなり40mのスラブ滝が現れ た。 2/3くらいまでは難なく登るが、上部のトイ状になっている部分は滑りやすく登りづ らい。登攀力のあるふうたさんに先に登ってもらい、ザイルを出してもらった。
その上部で1:1の二股になった。右のほうが本流のように見えたのでそちらを進ん だ。
やがて水量が減っていき、草付のスラブ帯になった。そのスラブも消え、草付きの斜 面になり足場が悪いので左手の藪に入った。
藪こぎ間もなくで稜線に出た。 しかし、稜線に出たところで登山道があるわけでもない。前毛猛山目指して藪の稜線を進みも 前毛猛の山頂に立った。
毛猛沢の流れ。正面の岩肌の見える谷が久右エ門沢。 綺麗な滝の連続で飽きることがない。 綺麗な滝だ

前毛猛の山頂は綺麗に藪が刈り払われていた。周囲を取り囲む会越の山々の眺めが雄 大だ。そして、眼下に田子倉湖を見下ろせる。 ここまで行動食も食べずにやってきたので腹ペコだ。ビールで乾杯し持ってきた弁当 を食べた。
下山は大鳥沢だ。 三角点より少し東へ進み、適当な斜面を北に向かって降りた。 藪の急斜面の下降はなかなか大変だ。
やがてひどが現れ、水が流れ出し、ゴーロ状の 沢になった。
沢の傾斜は緩いがだんだんと小さな滝も現れ始める。
ちょっとしたナメの下方に15mくらいのトイ状の滝が現れ、この部分は懸垂下降で降 りた。
それからも2mくらいの滝が連続して現れたが、足場はしっかりある。
そして、この沢最大の滝が現れた。前回来た時は落差20mくらいかと思ったが、ザイ ルをたらしてみると30m以上はありそうだ。 ここは3段になっていて、最下段の上まで懸垂で降りた。そして、最後の一段は私は 滑り降りたが、ふうたさんは足場を慎重に探しながら降りてきた。
ここまで来ればあとわずかだ。 右から流入してくる沢を目印に踏み跡を上がり、国道に出た。
ふうたさんが自転車で毛猛沢出合まで車を取りに行って戻ってくるのを待った。
大鳥沢最大の滝、30m。(7月21日撮影) この滝は近くまで寄ってみると左岸から高巻けた。
7月に遡行したときは右岸を上がり、そのまま稜線に出た。
(7月21日撮影)

今回はガイドや遡行記録のない沢を登って藪山にいたり、沢を下ってきた。
自らの力量でルートを開拓しながら歩くことは自然をありのまま享受する事になる。 そういう意味で満足した山行となった。

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