白根山

2003年1月13日、7名

コースタイム
7:20親沢林道入口-7:45尾根取付き-9:20稜線に上がる-11:26白根山着13:10発-(ザイルによりる滑落停止の練習30分)-14:35稜線から離れる-(懸垂下降の練習1時間)-15:45尾根取付き-16:07親沢林道入口着

 白根山は三条付近から粟ケ岳を望むとき、その右側にひょこんとこぶのように飛び出した山がある。それが白根山だ。
 私は過去2回登っているが、そこから眺める粟ケ岳の迫力は満点で、そして、守門や川内下田の山々を眺めながら歩く稜線の景色のよさも気に入っていた。成人の日のこの日、その展望を山仲間に紹介し、ラッセル登山を楽しむべく、この山行を計画した。そして、見事に晴れ渡り、存分に展望を楽しむことが出来た。

 下田村の日帰り温泉施設の「いい湯らてい」に7時に集合を掛けていた。私はそれより30分ほど前に現地入りし、条件がよければ烏帽子岳経由で登るか下るかしようと思い、笠堀ダムまで行き、烏帽子岳の雪の付き具合を見てきた。熟練した山岳会のメンバーなら登れるかもしれないが、今回のメンバーでは不安を感じるほどの急斜面だ。当初計画したとおり、親沢の林道途中から北側の尾根に上がることにしようと思った。ただ、雪が締まっていて条件がよければ、烏帽子岳経由で烏帽子岳より西側に下りる尾根を下ろうと、その下山ポイント付近も下見しておいた。
 7時にメンバー全員が集合し、親沢林道入口に車を移動した。入口は会越産業の敷地を通過し、林道入口が土木業者の残土置き場になっていて、除雪してあった。この日は祝日のためここに車を置いても差し支えないだろう。
 林道に足を踏み入れると、まるいかんじきの踏み跡が続いていた。時折林の中に踏み跡が枝分かれしているので、これは林業関係者の物だろう。
 取付き点を見落とさないように時々地形図で現在地を確かめながら進んでいく、トレースのおかげでほとんどもぐらずわかんは付けなかった。やがてトレースが無くなりもぐるようになったが、かまわず進んでいった。
 尾根の取り付きは地形図で林道の実線が破線に変わる付近に斜めに入っている尾根だ。すぐ目の前の親沢には堰堤がある。
 メンバーが追いつくのを待って尾根に取り付くが、わずかな距離だが急勾配で登りにくかった。尾根に上がってからわかんを付けた。
 前日より気温が上がり雪が緩んだところに前夜冷え込んだためか、雪はこの時期にしては締まっていた。先頭を交代しながら進むが、体重の差でもぐる人ともぐらない人がいるようだ。
 開けた伐採林にでると尾根は広がり、その右よりの高みに向かって進む。なかなかの急な登りだ。
 登るにつれて日に翳っていた斜面も日向に出てきた。そして、稜線に上がると目の前に大迫力で粟ケ岳が現れた。みなそれぞれに歓声をあげる。
 ここからはゆるいアップダウンの繰り返しだ。進行左には常に粟ケ岳が見えている。そして、右側には守門岳の雄姿が見えていた。
 稜線に出たところから雪質は変わり、それまでの締まったざら目雪から重たい粉雪になった。ただ、もぐっても脛くらいなので先頭は少々辛いが、2番手以降は楽々歩行だ。
 人数がいるので短い間隔で先頭を交代しようと伝えていたつもりが、2名の山岳会メンバーは張り切っていつまでも先頭を歩く、ま、体力があまっているようだから、その好意には甘えさせてもらって後を付いて行った。
 638mの標高点を過ぎると登りがきつくなっていく。目の前にあるのは山頂ではないのは分かっている。しかし、そこに上がって次に見えたのが山頂かと思いきや、また次が現れ、3度目の正直でやっと山頂に着いた。
 山頂に着くと矢筈岳や青里岳、五剣谷岳といった川内の核心部の山々が現れ、青里岳と矢筈岳の間には御神楽岳も望むことが出来た。そして、毛無山、中の又山から守門に続く稜線。そして、その奥に浅草岳の緩やかな山容が浮かんでいた。そして、なんといっても目の前の大迫力の粟ケ岳。右に一本岳を従えて堂々と聳えている。
 360度の大パノラマだ。
 山頂よりやや西側に戻ったところで昼食とした。真冬とは思えない暖かさに、持ってきたテントは張らず、スコップでテーブルを作るだけで充分だった。
 雪山の下山は速い。途中でせっかく持ってきたので自分自身の確認も含めて、ザイルを使った滑落停止(スタンディングアックスビレー)の練習や、腰バンドとエイト環を使った懸垂下降の練習をして往路を下山した。
 
 川内下田の展望台として絶好のロケーションの白根山。この山は隠れた名山だと思った。

大迫力の粟ケ岳 青里岳と矢筈岳

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