守門岳(袴腰)、黒姫

2003年3月23日、単独

コースタイム
6:12ムジナ沢橋-6:42林道終点-7:40沢から離れる-8:35 1040mの平地着8:40発-9:20稜線に上がる-9:47黒姫着10:00発-10:43 1328mピーク着-10:55発-11:10エラオトシ沢と下黒姫沢の間の尾根分岐-11:27駒の神-12:23袴腰着12:40発-13:07駒の神-13:15尾根分岐着13:28発-13:50下黒姫沢に降り立つ-14:10林道終点着14:17発-14:33ムジナ沢橋着

 守門岳は四季を通じてコースを変えて楽しめる山だ。そして、その東隣に黒姫というピークを張り出している。北魚沼を貫流する。破間川(あぶるまかわ)はこの黒姫を巻くように流れ、守門岳に突き上げている。
 先月安易な気持ちで下黒姫沢から黒姫を目指した。結局仕事の時間が気になって早々と撤退したのが心残りになっていた。
 そこで、この連休中に再度トライをしようと計画を立てたが、21日、22日と仕事の都合で動けず、結局この日になった。
 でも、絶好の好天に恵まれ、また連休前半にこのコースを歩いた人のトレースがしっかりしていたこともあって、素晴らしい山を比較的楽に登ることが出来た。
 道付けをしてくださった皆様、感謝感激です。

 浅草岳より流れる。ムジナ沢にかかる橋をくぐるところからこの山行は始まる。登山靴に山スキーを付けて歩き出す。最初は林道歩きだ。
 破間川にかかる橋を見て、先月訪れたときより積雪が増えていることがわかった。
林道をトレースに沿ってぐんぐん進んでいく。
 林道終点より下黒姫沢の沢底に降りた。
 沢の両岸は先月来た時より積雪が増えているが、沢に穴があいている部分は増えている。そして、穴があいてなくとも、流れに沿って雪がかなり下がっている。新しい積雪は沢水を覆うほどは降らなかったようだ。
 雪面はがちがちに締まっていた。壷足のトレースに沿って歩くことで無理なく歩けた。やがて、沢に朝日が差し込んできた。青い空に白い稜線が美しい。振り返ると浅草岳が堂々と聳えている。
 昨年もこの沢を遡行しているが、その時登った尾根より一本手前の尾根に登った。これもトレースの通りだ。急斜面の雪が締まってシールもエッジも効かない事から板をはずしザックにくくりつけ。トレース利用で登っていった。トレースの存在はありがたい。
 このルートは昨年登ったコースに比べるとやや回り道だが、その分斜度が緩く、おまけにトレースもあることからそれほど労せずとも1040mの平原に出た。
 目指す黒姫が進行右手に見える。まだまだ遠い。これだけしっかりしたトレースがあればいらないかと思ったが、下降点の目印に旗を一本立てていった。
 それから、上黒姫沢の源頭部を先月通ったところよりやや上を横切り、鞍部目指して登って行った。この辺から雪も緩み、シール登行も順調になった。高度が上がるにつれ絶景が広がってきた。
 稜線に出ると雪質が変わった。締まった雪の上にさらさらの雪が積もっている状態だ。南斜面はエッジもシールも効くが、北斜面はがちがちだ。しかし、尾根幅も広く、斜度も緩いことからそのままスキーで登って行けた。
 黒姫山頂はとても広い山頂だった。360度の大展望が目の前に広がった。
 間近に聳える守門岳。そして、左に遠く妙高連山、苗場山塊。手前に越後三山が雄雄しい姿を見せ、その隣に平が岳、奥に双耳峰の美しい燧ケ岳、その横にぽこっと頭を出しているのは日光白根か。そして、会津駒、会津丸山岳、間近に浅草岳。浅草岳のやや右に毛猛山塊が確認できた。そして、左に進むと、御神楽岳、矢筈岳、青里岳、粟ケ岳。矢筈岳の背後に白く浮かぶ飯豊連峰。いやはや絶景だ。
 
 時間がまだ早いので予定通り袴腰に向かうことにした。
 鞍部でありがたいトレースと別れを告げ、1328mピークの登りが急だったため、登りの途中からスキーをはずして壷足に切り替えた。この登りは雪が緩くずぼずぼもぐって大変だった。急なところはピッケルをうまく利用して登った。
 そして、1328mピークで再びスキーを装着。面倒だが、斜度の緩い所はスキーを使ったの方が効率がいい。
 エラオトシ沢と下黒姫沢の間の尾根が分かれるところから再びトレースが始まった。尾根がやや痩せている上、北斜面はエッジが効かない、深くえぐれたトレースの中を歩くほうが安心だ。
 しかし、このトレースは駒の神で終わっていた。駒の神から見た守門の姿は雄大だ。
 駒の神よりやや北側に向かう、案の定雪面はがちがちだ。アイスバーンは慎重に横滑りで降り、アイスバーンが終わったところから一気に直滑降で鞍部に向かった。
シール登行で登れるだけ登って、途中でスキーをデポし、わかんに履き替えて登った。雪質は固い雪の上に新雪が薄く積もった感じでわかんの意味は余り為さなかった。
 最後の急登はキックステップで無いと登れないことから、わかんをはずし、キックステップで登った。山頂近くは雪が固く、何度も蹴りこんで足場を作った。急な斜面で気は抜けない。
 袴腰の頂からは絶景が広がった。先ほどの黒姫より標高が高い分こちらの方が素晴らしい。ただ、黒姫でデジカメのメモリーを使い切ってしまい、カメラに収められないのが残念だ。今度から予備のメモリーカードを持参しなくては・・・
 いらない画像を一枚削除して、記念写真だけ撮った。
 風は微風で春の日差しが暖かい。持ってきたビールを越後の山々にかざして乾杯し、最高の気分だ。
 袴岳や青雲岳に人影が見える。手を振ったが反応は無かった。余り手を振ると救助と勘違いすると悪いので、それ以上振らなかった。
 下山は基本に忠実にピッケルを刺しながらかかとで蹴りこんで下った。一歩間違えば谷底に滑落だ。それでも、スキーをデポした地点までは早かった。
 再びスキーを装着して、駒の神を登り返す。振り返ると自らのトレースのみが山肌に刻み込まれている。たった今あの頂に立った証だ。
 尾根分岐でシールをはずして靴紐をきつく締め、いよいよ滑降開始だ。
 雪は緩んでいて適度にブレーキがかかって滑りやすい。でも、登山靴スキーだ、バランスを崩しやすいので何度も止まりながらスピードをコントロールして下っていった。
 沢底に近づくと、緩んだ雪の中に硬いバーンがあるところがあり、そんなところでバランスをくずして何度も転んでしまった。
 沢底の緩い下りもトレースがあるおかげで板はすいすい進む。過去2回はスケーティングを多用したが、今回はそんなことは無かった。 
 林道に上がる斜面もトレース利用でスキーを手に楽々登ることが出来た。
 林道もすいすい下り、思ったより早くムジナ沢橋に着いた。

 今回雪が緩んでいれば守門の山頂の袴岳まで行きたかったが、北斜面の雪が硬くてあきらめた。でも、気になっていた黒姫を登ることが出来、また、袴腰までも行けて、とても満足の行く山行となった。

黒姫より見る、川内山塊と白く浮かぶ飯豊連峰 駒の神より見た守門岳、右端が袴腰 袴腰山頂で記念写真。
背後に見えるのは守門の山頂、袴岳

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