末沢川支流横倉沢〜鬼が面山
2003年6月22日、吉田、寺尾、中澤、バク
コースタイム
8:20入渓-9:55 20mの美しい滝-10:37 二又-13:25県境稜線-13:35鬼が面山着14:20発-15:50登山口-16:10入渓地点着
昨年夏、前毛猛へ突き上げる毛猛沢の支流久右エ門沢を遡行したら、短い沢ながらきれいな滝の連続で飽きることなく、また、沢から見上げる山肌も磨かれたスラブで楽しい沢登が出来た。
ガイドブックで紹介していないような沢でもこのようなきれいな沢があるのかと感動し、同じ流域で鬼が面山に突き上げる横倉沢もきっときれいだろうと地図を見ながら思いを寄せるようになった。
今年から沢登りをはじめる所属会の中澤女史とインターネットで知り合ったバクさん(T氏)を誘い、この沢を遡行することにした。どんな渓相か分からない沢を初心者同行で行くのはどうかとも思ったが、彼らはロープワークの練習を何度かしており、岩トレもやっているので問題なかろうと考えた。また、沢の途中に登山道が横切っているので、エスケープに使えるのも安心材料になっていた。そして、ベテランの寺尾さんも行くことになったのも心強かった。
福島県境にある六十里越の国道252号を県境に向かって進み、国道が末沢川から離れてカーブを繰り返しながら登って行く。やがて、正面にスラブに囲まれた裸山が見えると、入渓地点はもうすぐだ。
横倉沢にかかる橋を越えて右側に建設用の土石置き場に車を止めた。
ハーネスはつけずにザックに入れて渓流シューズを履いて歩き出す。
歩き始めて間もなく、建設中の砂防ダムがあった、右脇には工事用の道路が延びていた。
ゴーロがしばらく続く。遡行図などはないのでこの先どういう展開になるかが楽しみだ。
5mの滝を二つ越えた。大したことなく簡単に越える。ほとんどの滝は大きな岩を組み合わせたような滝なので、面倒なところはない。初心者の中澤さんやバクさんも臆することなくどんどん越えて行った。
右から枝沢が流入し左に沢がカーブするところにちょっとしたナメがあった。きれいな景色なのでそこで腰をおろす。
山肌にまだ雪が多く残っているせいか、流入する枝沢が多い。地形図を頻繁に出してみるが、現在地がよくわからない。
そこから間もなくで落差20mはあるかと思われる美しい滝が現れた。これが地形図に滝のマークのある滝だろう。しばらく見とれる。
直登ルートを探すが、逆層で悪そうだ。右から簡単に高巻出来そうなので、そちらを進むことにした。
簡単に登れそうなところを登るが、先が逆層で足場が悪そうだ。バクさんがいいルートを見つけ、そちらに続いた。
滝上も悪い場所は無く、小さい高巻で沢床に降りられた。
間もなく二又だ。1:1で沢が分かれる。右へ行けば南岳へ突き上げる。我々は左又へ進んだ。
それから少しで、立派な登山道が横切った。エスケープルートにと考えていた道だ。先を進む寺尾さんやバクさんは気づかなかったようだ。
スノーブリッジも現れ始めた。
今度は右から3:2で枝沢が流入する。ここまでは地形図で読めた。しかし、少し進むと再び1:1の二又になった。地形図を見るが、1:1で流入しそうな場所は無い。水量を見ると左がやや多そうだったので左へ進んだ。
しかし、登って行くと、もはや源頭のような雰囲気になり、雪渓が現れた。雪渓から周囲を見たら、間違ったところに来たことが分かった。先頭を歩く寺尾さんにトラバース気味に進んで、沢へ戻ろうと言った。しかし、上へ上へと登っていき。かえって尾根に出たほうが状況がよくなってきた。
コンパスで南岳と横倉沢の頭を目印に現在地を同定する。1383mの標高点のやや上で尾根に出た。しかし、尾根に出たところで登山道があるわけではない。猛烈な藪が待っていた。
県境稜線は目の前なのに中々近づかない。
横倉沢の突き上げ付近は雪渓になっていた。見下ろすと横倉沢上流部は雪渓が続いていた。これを予想してメンバーにアイゼンまで用意させたのに、最後は雪渓をぐいぐい上がるはずだったのにと悔やんでみても仕方がない。
雪渓から藪こぎわずかで県境稜線に出た。一般登山者が珍しいものでも見るかのように藪から現れた我々を見ていた。
稜線を鬼が面山頂へ向かって進む。私は花の写真を撮りながらゆっくり歩いた。他の3人は藪で遅れた分を取り戻そうとしているのか、駆けるように離れていった。
登山道脇には、ヒメサユリが盛りで、ゴゼンタチバナやアカモノが可愛い花を見せていた。眼下に田子倉湖を見下ろし、進行方向に只見沢を突き上げる浅草岳が聳えている。
鬼が面山山頂で遅い昼食を摂り、花と展望の稜線を六十里越に下った。
六十里越の登山口で国道に出て、アスファルトの上を歩いて横倉沢の入渓地点に戻った。
まだ山肌に雪の残る時期である。そのため本流より枝沢の方が水量が多いことがあるのを今回の山行で知った。まだまだ勉強不足である。
20mの美しい滝、右から高巻いた | 鬼が面山はヒメサユリが見頃だった |