弥彦山、滝の沢

2003年8月3日、単独

(コースタイムの記録は取っていません)

 3週連続の弥彦滝の沢になってしまった。
 この日は、本来五頭山の西小倉沢に行こうと仲間を誘っていた。ところが、前日夜になって具合が悪いので行けないと電話があった。もう沢の支度は整っている。でも、渓相の分からない沢に一人で行く勇気はない。
 どこへ行こうかと考えるが、一人となるとテンションが下がってきて、だんだん車を運転するのもいやになってきた。そして、結局一番近くて渓相も分かる、弥彦滝の沢にしたのだ。
 ただ、滝の沢へ行くにも目標を持たねばならない。目標は大滝の直登にした。

 朝から暑い日だった。海岸近くの我が家の周りも夏の休日は海水浴へ向かう車で混む。道路が混まないうちに出発した。
 弥彦第一駐車場に車をとめて歩き出す。滝の沢沿いの道に入ると、水量は前週前々週よりも少ないのが目に見えて分かった。
 入渓後15分で大滝の下に着いた。
 ハーネスなどを装着して単独での登攀の時に使うロープワーク、Z法で確保しての登り始めた。基部にはボルトが打ってありそこにザイルの末端が結んだ。
 前々週ふうたさんがてこずったあたりで一歩が出ず、一旦下降する。滝の飛沫を浴びても目を開けられるように水泳用のゴーグルを着けていた。
 下からよく見ると水流右側からへつるように登って、途中から水流の中を歩けば楽そうだ。
 右側の基部にハーケンを打ち込み登ってみる。しかし、へつりながらザイルの結び目をずらすのにてこずり、こちらも途中から下降した。
 結局巻いて登って上の木に支点を取り、上からザイルをたらして、タイブロックで確保しながら登った。直登の意味はないかもしれないが、プルージックの結び目をずらしながらの登攀はやはり大変なのだ。
 この方法で2回登った。ルートは水流右からへつるように登り、途中で水流の中を歩くルートだ。歩いてみるとフリーでも登れそうなくらいいいホールドが沢山あった。
 4回目となるとルートも良く見えてきた。時計を見ると1時間半もこの大滝にかかわっていた。

 そこから3つほどあるちょっとした滝ではビビリモードになってしましった。大滝で緊張感がほぐれたのか。残置ハーケンにシュリンゲを掛けて手がかりとして登った。前週はもっと簡単に登ったはずなのだが、気持ち次第で滝の直登も難しくなる。シュリンゲを回収するため一旦懸垂で下降、シュリンゲを回収する。
 最初の二又で楽勝パターンの右へ進路を取った。
 前週は時間が気になって途中で現れた滝を登らずに右側の藪斜面を登って登山道に出たのだ。しかし、この日はここも直登するつもりでやってきた。
 フリーで登れそうだが、先ほどの大滝でうまくいかなかったZ式で登ってみる。途中の残置ハーケンで最初の支点を取り、途中にもう一ヶ所ハーケンを打ち込んだ。なんとかこの方法で登りきった。そのあと、木に支点をとって一旦懸垂で下降、基部の結び目を解く。ところが、懸垂で降りた後、いつもの癖でロープを回収してしまった。ちょっとボケてきたか?また一からやり直しだ。
 ところが、自分が打ったハーケンにかけたシュリンゲを手がかりにしようと引っ張ったら抜けてしまった。そして、そのまま落下。6mほどの落差だろうか、その前のハーケンからのロープの長さでは長すぎ、滝下まで落ちてしまった。足から着地して尻もちをついて怪我はなかったが、自ら打ったハーケンなのだから怒ってもしょうがない。結局面倒くさくなり、フリーで登ってしまった。
 Z法で登るのは大変なのだ。
 その後も適度な高さの滝が現れ気持ちよく登った。そして、登山道が横切る6合目で登山道に出た。そして、昼前には下山してしまった。

 単独での沢登りの技術、なかなか難しいですね。

*Z法

@基部に支点を取りロープの末端を縛る。
Aシュリンゲをプルージックでロープに結んでそのシュリンゲをハーネスに装着。プルージックが効くかどうか確認する。
Bプルージックをずらしながら登り、中間支点にロープを通しながら登る。この時、プルージックの結び目は中間支点の先にある。もし落下しても、中間支点からプルージックの結び目までのロープの長さとハーネスに装着しているシュリンゲの長さだけ落ちて止まるという仕組み。
Cロープの長さの半分以内の所で登るのをやめて支点を取り、基部から上がっているロープと反対側のロープを使って懸垂下降。
D基部の結び目を解き、再度中間に設置したシュリンゲやカラピナを回収しながら登る。この時はユマールなどの登高機があるといいかも。
Eロープを引き上げ、再度そこを基部として登る。

 登って降りてまた登る、同じ場所を3度通過しなければならず、また、プルージックの結び目をずらしながら登るのは大変な労力です。
 確保者がいるときはロープの長さだけ登れますが、この場合、ロープの長さの半分以下しか登れません。

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