三岩岳

2003年9月21日、豊栄山岳会月例山行11名。

コースタイム
9/20 
19:00豊栄発=22:45小豆温泉入口駐車場着
9/21
6:17駐車場発-7:57尾根コース分岐着8:10発-9:33避難小屋着9:40発-10:25三岩岳山頂着10:35発-11:10避難小屋着12:10発-12:58沢コース分岐着13:05発-14:00登山口-14:10駐車場着=古町温泉=18:45豊栄着

 越後駒ケ岳や未丈ガ岳などの奥只見の山々から眺めると、会津駒ケ岳から会津朝日岳へ続く緩やか稜線を見ることが出来る。どこがどの山だか分からないくらい特徴のない緩やかな稜線だ。この度はその中の一座、三岩岳に行くことにした。
 ただ、せっかくだから尾根登山道を行く隊とは別に沢隊を組織して、黒檜沢(くろびさわ)を登る計画を立てた。

 前夜豊栄中央公民館に佐藤(健)リーダー以下11名のメンバーが集まり、2台の車に分乗して南会津伊南村を目指した。車を運転していると「あっちへ行ったほうがいい」「こっちのほうが早い」と皆口々に意見を言う。運転しているほうはナビが沢山いすぎて困る。
 ルートは豊栄-笹神-安田と行き、安田インターで高速に乗り、西会津で降りて会津坂下経由で只見川沿いの国道を走り(西会津から直接三島に抜けたかったのだが・・・)只見から左折して伊南村に行くというルートを取った。途中休憩を含めて4時間弱かかった。
 深夜「小豆温泉」の看板を目印に登山口近くの駐車場に車を止め、幕営に入った。そして、軽く宴会後就寝した。この時既に外は雨模様だった。

 テントをたたく雨音で目が覚める。時計を見ると起床時間の5時を回っていた。外を見ると結構な雨だ。
 伊南川の本流の流れを見る。それほど濁っていない。遡行予定の黒檜沢を見ると、茶色く濁った水が二重滝を落ちていた。沢登は中止だ。
 それよりも、軽く飲んだつもりが前夜飲みすぎたか気分が悪い。雨と二日酔いで山へ行く気分は乗らなかった。
 しかし、佐藤リーダーの指示により予定通り三岩岳へ登る事になった。沢隊は中止になったので全員尾根登山だ。
 二つある登山道のうち沢コースを登る事になる。
 スノーシェッドの上に上がるスロープを登るところから登山道は始まる。そして、鉄の錆びた階段を登り森の中に入った。
 沢の音が大きくこだまする。所々沢を見下ろせるところから沢を見ると、増水して迫力のある沢を覗くことが出来た。
 沢の渡渉地点はコンクリートで固められた足場が出来ていた。山道には似つかわしくないものであったが、その足場を越えて水が流れ、足首までぬらして渡った。この足場がなければ、靴を脱がねばならなかっただろう。
 渡渉を終えると道は沢から離れて行った。二日酔いで苦しい、小休止のときに他のメンバーは朝食を取っていたが、私は食物を受け入れられない。山川さんから砂糖レモンを貰って食べると、それが体に作用したのか元気が戻った。
 途中数本の小沢を横切り、そのうちの一本で水を補給した。雨水の味がすると思いきや、中々の美味だった。
 尾根コースと合わさり、尾根歩きになる。しかし、雨とガスで視界は全くない。雨は止む気配は全くなかった。
 最近沢登りばかりだったので、歩きながら会話を交わす事がなんとなく懐かしくもあった。
 登山道脇にはブナハリなどのきのこが豊富で、きのこに詳しい中村さんは収穫に余念がない。花の時期は終わりを告げていたが、花に詳しい湯川さんは時々立ち止まって残った花の解説をしていた。
 それにしても雨に濡れた登山道はぬかるみもあり歩きにくい。
 道の傾斜が緩んで間もなく立派な小屋が現れた。窓明山への分岐点も確認された。
 山頂へ向かう。所々池塘をちりばめた草原と、笹原にダケカンバとオオシラビソの木。普段見る越後の山の風景とは少々違った趣だ。しかし、雨が降り続く道は沢と化し、ぬかるみは田んぼのようだ。
 左手に三ツ岩の一角がガスの中に浮かぶ。山頂はもうすぐだ。
 笹の登山道を突き上げるとひょっこり山頂に出た。岩の上に立って周囲を見回すが、周囲の山々は見えるはずもない。
 乾杯と記念写真を撮って早々に下山した。
 避難小屋で昼食となった。悪天候のときの小屋の存在はありがたい。
 下山は途中まで往路を戻り、沢コースを分けた後そのまま尾根コースを下った。
 降り続く雨のため道は歩きにくく、皆何度か転倒しながら下って行った。
 国道に出て、少し戻ると駐車場に戻った。

 雨で冷えた体には温泉で暖めるのが一番だ。
 南会津には沢山の温泉地があるが、目の前の小豆温泉は少々高いということもあり、中山さん推薦の古町温泉で冷えた体を温めた。
 帰りは田島から会津若松経由で戻ってきた。時間的には往路とは変らなかった。

 一日雨の中を歩く登山。自然にふれ自然に溶け込むのが登山の本分であるならば、雨も自然のなせる業なので受け入れなければならない。
 雨に煙ったブナ林は幻想的で美しかった。雨もまた楽しである。

黄緑の湿原と濃い緑の笹、さして、オオシラビソの木
いつも見ている下越の山の風景とは違う趣だ。

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