八海山(薬師岳まで)

2004年1月18日、吉田、ふうた、東風、現地でヒロタンパーティーと合流

コースタイム
8:55ロープウェー山頂駅発-10:10女人堂着10:27発-11:35薬師岳着11:40発-12:15女人堂着(この後のコースタイムの記録は取っていませんでした。)

 八海山は越後を代表する霊峰である。
 山の個性、山の歴史、地元とのかかわり全てをとっても名山に違いないと思っている。
 深田久弥は「日本百名山」として越後三山の中から駒ケ岳を選んでいるが、その記述を見ると八海山のことに行数を割いている。

 新潟市内でふうたさんと仙台からこられる東風さんと合流して高速で八海山スキー場を目指す。豪雪地帯の魚沼に入っても道路わきの雪の壁の高さが例年より低い。
 高速から越後三山は雲の中で見えなかったが、近づくにつれて八海山が姿を現し始めた。
 八海山スキー場の駐車場に入りここからロープウェーに乗ることになる。8時ロープウェー始動と同時に乗るつもりでいたが、相変わらず誰かさんが準備にてこずっている。アイゼンの調節まではじめやがった。結局ロープウェーに乗り込んだのは8時半過ぎ、八ツ峰の岩峰に取り付くつもりだったが、多分そこまでは行かないなと思った。やはり集合時間を早めにすればよかった反省した。(この時は新潟市内に朝6時集合だったが、5時集合にすればよかった)
 アイゼンやピッケル、ザイルでザックは重かったが岩峰一つくらいは取り付けるかもしれないので一応持っていく。

 八海山スキー場は10年ほど前は毎週のように来ていた。当時はリッチだった。その時は登山はしていなかったが、八海山はいずれ登ろうと思っていた。その後、登山開始後、夏や秋に既に3回登っている。
 ロープウェーはさすがに早い。以前は4人乗りゴンドラで長いときは1時間待ちが当たり前だったが、待つことなく乗り込め、あっという間に標高1160mまで導いてくれる。料金1000円で標高差800mを買うことになる。
 山スキーで歩き出すが、既にトレースが出来ていた。予定より30分近く遅い。日の短い冬山で30分のロスは痛い。
 ヒロタンたちが来ているはずだが、先に行っているだろうと思った。
 緩やかなアップダウンが続きながら少しずつ高度を上げていく。天気は晴れ、ダイヤモンドダストが舞っている。しかし、八ツ峰はガスの中で見えない。。木に付けてある赤布には「わらじ(き)」と書かれてあった、関東の沢登り中心の山岳会「わらじの仲間」が入山していることがわかった。
 池の峰を過ぎた辺りで3人パーティーに追いつく、見るとヒロタンご一行だった。一人はワカンだ、埼玉から来ているらしい。
 けが人を搬送しているパーティーとすれ違う、「けが人ですか」と問いかけると「訓練です」と答えた。しかし、けが人役の人もシートにくるまれて大変だと思った。このパーティーがわらじの仲間パーティーだった。
 女人堂手前の急坂の登りは大変だった。みんな壷足に切り替えて登る。わかんを履いているガツちゃんがうらやましい。私も少し壷足で登ったが、もぐるのでまたスキーを履いた。しかし、スキーでも結構大変だった。
 女人堂で一旦休憩。素晴らしい雪景色を堪能しながらお茶を飲んだ。
 トレースはその先わずかなところで止まっていた。傾斜が増すが尾根幅は広いのでジグザグに登れる。迷うようなところも無いと思ったが、念のために持ってきたのでルート旗を立てながら登っていった。
 やがてガスの中に入っていくが、このルートの経験者のヒロタンがいるので心強い。
 低木に樹氷がこびりついた中を登ると薬師岳だ。縦走路に雪庇出来ているが、ガスが濃くて稜線がはっきり見えない。千本檜小屋が目前のはずだがそれも見えない。雪庇をスコップで崩してルートを取れるとヒロタンが言ったが、時間も時間だし(11時半過ぎ)引き返すことにした。冬の八海山でここまで来れれば満足だ。
 スキー滑走の準備をしていると、ヒロタンからビールが回ってきた。そうだったのだ、山頂でのビールは儀式だったのだ。私は岩峰のことが頭にあり、余計なアルコールを持ってこないようにメンバーに伝えてあった。しかし、岩峰はお預けそうなると恋しくなるのはアルコールだ。
 ルート旗を回収しながら滑る。最初の低木樹氷帯を抜けるのに苦労したが、後は快適なコースだ。新雪の下に適度に硬い雪の層があり、板も思うように操作できる。登山靴スキーはどうしてもポジションが後ろになりがちだが、それでも大丈夫だ。旗を持っているのでストックを使わずにジャンプターンで小回り滑走だ。でも、時々こける。転ぶと起き上がるのは一苦労だ。だいたい緩斜面で転んでしまう。緩斜面になると後傾になってしまうのだろう。スキー兼用靴を履いたふうたさんがうらやましい。ふうたさんも我流ながらもなかなかうまかった。
 女人堂で宴会だ。2階まではしごで上がって窓から入る。ヒロタンや笠原さんのご馳走は最高だ。アイゼンやピッケルよりも酒とご馳走が山の標準装備だと反省(?)した。みなさんごちそう様でした。
 久々に山で楽しい宴会をした。その間に一気に晴れ渡り、見ると八ツ峰も姿を現した。
 小屋の外に出ると周囲の山々は全て見渡せる。間近の駒ケ岳は勿論、すぐそばの巻機山、その向こうに仙ノ倉山、遠く妙高まで見える。真っ青な空に真っ白な山、いやはや絶景だ。しかし、寒くて動かないデジカメでこの景色を納められない。残念だ。
 女人堂からほろ酔い気分で下山した。
 わらじの仲間パーティーがビーコンの訓練をしていたので、少し見学していた。私も訓練を受けたことがあるが、ビーコンでの捜索は難しいものだ。雪山を志す人は雪崩に関する訓練を一度は受けるべきである。
 スキー場のBGMが近づきやがてスキー場に戻ってきた。
 ゲレンデとは言え八海山スキー場は3kmのダウンヒルが売り物である。登山靴スキーでバランスが取りづらいので暴走気味になり何度も転んでしまう。調子よくなった頃に下に着いてしまった。
 ヒロタンパーティーに別れを告げて、八海山パークホテルで入浴して帰った。
 
 岩峰に取り付けずに残念だったが、雪山をたっぷり堪能した一日だった。
 

女人堂あたりから見た薬師岳(撮影、ヒロタン) 薬師岳山頂付近はガスの中だった(撮影、ふうたさん) 八ツ峰の岩峰が見えてきた(撮影、ヒロタン)

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