御神楽岳
2004年4月11日、単独
コースタイム
5:35 林道途中(瀬戸沢沿いになるカーブのあたり)発-6:05登山口-7:45 740mの痩せ尾根-9:00大森の少し上の1080m付近の稜線着9:05発-10:08山頂着10:25発-10:50 大森の少し上-11:05 740mの痩せ尾根-11:50登山口-12:25 除雪終点着
このところ取引先の対応が細かくなり、また、個人のお客様が増えたりで日曜といえども思うように山の計画が立てられない。でも、山にどうしても行きたいので、早朝に登り始めて電話がかかってくる時間に下山するという形で山とかかわることにした。
しかし、そうなると登れる山は限られてくる。この日は下山リミットを勝手に12時まで伸ばし、御神楽岳に行くことにした。
夜が明けて辺りがすっかり明るくなった頃、上川村室谷の登山口へ通じる林道に入った。先月来た時は林道はほぼ山スキーで歩いたが、雪はすっかり消え、また、残っている部分も除雪されていた。このまま登山口まで行けるかなと思ったが、雪崩地帯の瀬戸沢沿いに走るところにきたら除雪は終わっていた。そこに車を置いて歩き出した。
先月来た時はデブリの通過に慎重になったが、今回はデブリも大分解け雪も緩んでいるので足場に注意しながらも簡単に通過できた。頭上の雪は落ちきっている。
スキーをザックにくくりつけているのでザックが重い、また、足場も悪いので歩はゆっくりめだ。
天気は快晴、朝から気温が上がり全く寒くない。
林道の雪が消えたところにはふきのとうが顔を出していた。少し進んだところには岩の割れ目からおいしい清水が湧き出している。
帰りの御土産が楽しみだ。
30分ほどで登山口に着いた。ここから先も雪崩地帯だが、頭上のスラブの雪はほぼ落ちきっている。
デブリの通過で難渋するのでスキーはまだ装着できない。
デブリ地帯を抜け、小沢を渡り雪が土を覆い始めてきたところでスキーを装着した。荷が軽くなったうえ、歩きも楽になるのでスピードがあがる。
瀬戸沢を左に見ながら広い谷を登っていく。だんだん谷が広がって、ブナ林の大斜面になってきた。だいたい夏道沿いを登る予定にしている。
小尾根を乗越し広い谷を横切るとちょっとした痩せた尾根の鞍部に上がった。
このうえがまるでぶなの生えたスキー場のような斜面だ。帰路を間違えないように要所要所にオレンジ布を付けるが、あまり持ってきていなかったので、大森の稜線に出る前になくなってしまった。山頂付近で使おうと標識旗を持ってきていたが、天気がいいので稜線では帰路を間違うことはないと判断し、足りない部分はこの標識旗を使った。
大森の少し上の1080m付近で稜線に出た。ここで、持ってきた標識類は全て使った。気温が上がっているので帰りまでにスキーのトレースは消えるかもしれない。このコースは目印は必携だ。
気持ちのいい稜線歩きが始まった。矢筈岳や青里岳などの川内山塊の思い出の山々が目を和ませる。
広い尾根に斜度が緩いのでスキーは快適に高度を上げていく。
雪に乱反射した光線がまぶしい。行く手に雨乞峰が横に広がって構えている。
雨乞峰の肩に上がると目指す御神楽岳の本峰が見えた。山頂付近は不安定な雪庇が出来ている。
雨乞峰のピークは北側をトラバースした。
最後の登りも快適だった。山頂近くの雪庇の上は歩けないので、スキーをはずして藪との境目辺りを歩いた。
そして、山頂に着いた。御神楽岳は沢登りで何度か来ているが、山頂に立つのは久しぶりだ。
すぐにスキーのシールをはずしてワックスを塗った。
そして、会越の山々を見ながらビールで乾杯だ。誰もいない静かな山頂だ。
遠くの山々は気温が上がったためか霞んでいた。じっとしていても全く寒くない。
下山は不安定な雪庇を通り過ぎたところでスキーを装着。尖った御神楽岳の山頂ピークに自らのシュプールを描いた。
雨乞峰はやはり北側をトラバース。大森へ続く稜線で5人パーティーとすれ違った。彼らは壷足だ。私が付けた標識は全て回収する旨了解をとった。
この頃頭上にヘリコプターが旋回していた。遭難でもあったか?でも、トレースは私のものしかない。
標識を回収しながらブナ林の大斜面を滑り降りる。スキーは下山は一気だ。
雪が少なくなり始めるところも出来るだけスキーを履き続けて、登りの時にスキーを履いたところまできてスキーを脱いだ。
そして、スキーを再びザックにくくりつけて雪崩地帯を戻っていった。小規模な新しいデブリが有った。
登山口を過ぎると、ふきのとうを取りながら戻った。そして、岩から染み出している清水を汲んで、自宅での水割りの水に使うことにした。
デブリ地帯を過ぎて無事車に戻った。
帰りに御神楽温泉に浸かり、出てきた所で仕事の電話が入り、大急ぎでそちらへ向かった。
今後は仕事の関係でなかなか一日山に行くことが出来ない。しかし、こういう形をとれば、結構山に親しんでいけると実感した。
東面のスラブはまだ雪が付いていた。 | 山頂から見た矢筈岳、青里岳、遠くに粟ケ岳 | 御神楽岳山頂ピークに自らのシュプールを描く |