守門岳(途中撤退)

2005年1月2日、単独

コースタイム
6:55大原スキー場下発-7:45大原スキー場上着7:50発-10:50標高680付近着(昼食)11:55発-13:55大原スキー場ゲレンデ着

 守門岳は四季を通じて楽しめる山だ。特に冬は山スキーを楽しむものにとってはコースのバリエーションが多く、また、日帰りでも充分に楽しめるので賑わっている。

 昨年の年末はとても忙しく、全く休みのない状態が続いていた。正月に1日だけ山に行くことにして周囲と調整を図り、この日だけあけられることになったので守門岳で山スキーを楽しむことにした。

 登山口の大原スキー場には空が白み始めた頃に着いた。12月は異常なほど暖かな日が多かったが、年末より越後の冬らしい天気となり道路脇に雪の壁が出来ている。
 天候は雪、だが風は無い。
 スキーにシールを付けゲレンデ内を登っていく。ゲレンデ整備の圧雪車が走り回っている。作業の邪魔にならぬよう一番隅の方を登っていった。
 第2リフト終点からブナ林に入っていく。ガスがかかっていて進行方向が分からないのでコンパスで方角を示して入っていった。
 しかし、ブナ林に入った途端スキーを履いているのに膝までもぐってしまった。例年ならこの辺りは1月ともなれば下に締まった雪の層が出来てくるのだが、ここ数日の新雪はかなりの量でその前はほとんど積もっていなかったことが想像された。
 スキーは浮力があるので足を前に出せば板は浮き上がってくるのだが、その上に重たい雪が乗りラッセル状態になってしまった。
 スキー場終点からはやや下りになる。周囲の景色が見えないのでコンパスは首から下げていつでも見れるようにした。
 歩行速度は極端に遅い。1時間ほどで鞍部付近に着いた。ここまで300mほどの距離に1時間かかったことになる。やや下りの状態でこのペースだ、登りとなれば更にラッセルとなるのでもっと困難になるだろう。この時点で山頂はあきらめたが、なんとか最初のピークの755.2m地点には行きたいと思っていた。
 案の定登りになると大変なラッセルとなった。場所によっては腰までもぐる。スキーの浮力だけでは足は持ち上がらず、手やストックで前方の雪を崩して、数回足を前に出しながら持ち上げないと前に進めない。それでも一歩の歩幅は30cmも無い。その上、わずかな斜度でもジグザグに登らないとスキーが浮いて来ない。
 この頃になると雪は小雪となり周囲の景色が見え始めた。
 歩行速度は半分に落ちた。1時間に150mしか進まない。トップの交代要員もいない。頼りになるのは自分だけだ。
 時間はあっても体力が何処まで持つか。
 ちょっとした平地に来たときに撤退を決めた。この先斜度がきつくなればスキーでは登ることが出来ないだろう。わかんも持ってきているが、スキーを履いていても膝から腰までもぐるのに、わかんでは胸くらいまでもぐるに違いない。
 この頃には雪も上がった。ゆっくり昼食をとろうとツェルトを張った。

 下山は下祝沢沿いの畑地を通ることにしていた。往路を戻ったのでは滑り降りることは出来ない。下山はすいすいと滑り降りるつもりでした。しかし、この作戦は予想通りには行かなかった。
 斜度のある斜面を滑り降りようとするがもぐって全く滑れない。結局登り同様ラッセルしながら歩かないと前に進めないのだ。
 畑地に出るところには用水路が流れている。雪で埋まっていると思っていたが、埋まっておらず水が流れていた。
 スノーブリッジが出来ているところに進みどのように越えるか思案する。この時期の雪は不安定で少しの刺激でスノーブリッジは崩れることが予想された。刺激の少なさを取るのであればスキーで渡った方がいいかもしれないが、スキーで用水路に落ちたのでは復活が難しい。ワカンに履き替えることにした。
 スキーを対岸に投げ、わかんでスノーブリッジに歩を進める。案の定胸までもぐる。早く渡りたいのだが深いラッセルでなかなか前に進まない。それでも崩れることなく渡ることが出来た。
 畑地に出る頃には青空が広がってきた。真っ青な青空に雪化粧した白い山々が美しい。
 再びスキー歩行だ。
 緩やかに下っているとはいえ、相変わらずラッセル状態だ。途中で前進しやすいように再びシールを付けた。
 大原スキー場のゲレンデに出ると正面に毛猛の山並みが出迎えてくれた。
 結局下山も2時間かかってしまった。

 山頂どころか、わずかな距離しか進めなかったが、いい汗かいて心の洗濯をすることが出来た。

スキーを履いても膝までもぐっています。 下祝沢沿いの畑地より見上げる。
左の稜線を登って、正面の斜面を滑り降りるつもりでいた。
大原スキー場より見た毛猛の山々 歩いたコース

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