2005年1月29日、単独

コースタイム
6:55岩野集落奥除雪終了地点発-7:23第二貯水池登山口-8:25 3合目分岐点着8:30発-11:15砥沢峰(粟ケ岳ヒュッテ)着13:00発-14:00山頂着14:10発-14:45砥沢峰(粟ケ岳ヒュッテ)着15:10発-16:25登山口-16:50岩野集落奥着

 粟ケ岳は越後平野を挟んで弥彦山と対峙している雄々しい姿の山だ。手頃な日帰りの山として多くの登山愛好家から親しまれている。
 仕事のやりくりも出来、天気予報も見事な晴れマークになったので山に行くことにし、大展望でも見ようと粟ケ岳に登ることにした。私は雪の粟ケ岳は好きだ。

 この冬は豪雪地帯の中越地方は雪が多いと言われているが、下越は例年よりも少なく感じる。加茂市街を通過し、粟ケ岳を正面に見ながら進んでいくと、ひょっとして水源地まで入れるのではないかと期待が膨らむが、やはりいつもの岩野集落奥の浄水場横の高台で除雪は終了していた。
 あたりはすっかり明るくなっているが、まだ誰も来ていない、冬でも天気がよければ休日には登山者が訪れる山なのだが、いずれ誰か追いつくだろうと林道を歩き始めた。
 林道にはしっかりとトレースが付いているが、放射冷却現象で冷え込みがきついこの朝は雪が締まっていて全くもぐらないで歩けた。公園の木々は樹霜で白くなっている。
 第二水源地の堰堤を渡り中央登山道に足を踏み入れた。トレースはまだ続いている。
 トレースは前日のものだろうか、長靴の足跡のようだ。ありがたく使わせていただくが、坂の部分では登りと下りとでは歩幅が合わず、こちらの歩幅に合わせて登らねばならないので歩くペースが遅くなる。
 3合目の分岐点で単独行が追いついてきた。挨拶して先に行く。トレースはまだ延びている。袴腰山が進行右手に見えている。振り返ると弥彦山が越後平野の向こうに見える。
 4合目付近でトレースが終わっていた。前日の人はここから引き返したのだろう。わかんを装着した。いよいよラッセルの開始だ。ここで、先ほどの登山者ともう一人の単独行が追いつキ3人で交代でラッセルをすることになった。
 小雪庇になっているところは雪が深いが、新雪の下に締まった雪がありもぐっても膝くらいだ。進行右手に守門の姿が美しい。こちらから見ると火口壁を正面に見せ荒々しい姿になっている。遠くに米山や妙高連山が見える。守門の右手に見える山塊は苗場山だろうか。天気がよいので遠くの山々まで良く見える。素晴らしい。
 やがて次々と登山者が追いつき6名の体制になった。その中に藪山ネットのMさんもいた。皆さん馬力がありトップを歩いても速度が落ちない。私も負けていられないと思うが今季初のラッセルの上、いつもの癖で日帰りのときでもかなりの装備を持ってくるため荷が重い。メンバーに甘えている方が多かった。
 6合目の岩場はすっかり雪に埋まっていた。ここは中途半端に雪が付いていると危ないところだたが、難なく通過する。
 小屋のある砥沢峰の登りは南側の斜面を登る。私の腿はもう張り気味だ。
 小屋に着いたとき11時を過ぎていたのと腿の張り具合からここでやめようと中に入った。メンバーの中の一人と後から来た登山者は次々と山頂めがけて登っていった。
 小屋の扉は外開きなのできれいに除雪しないと中に入れない。冬山を知らない人が作った扉なのだろう。(この扉が付いたのは2-3年前だったと思う。)
 扉の除雪をし、明かり窓の除雪をして中に入る。冬山での小屋の存在は暖かい。また、単独でもその日出会った人たちが打ち解けられるのは交代でラッセルするという共同作業を行う冬山ならではの楽しみだ。おかげで楽しい昼食タイムとなった。
 そろそろ帰ろうかとしたところにヒロタンご一行が到着した。美女3人を引き連れてのうらやましいパーティー構成だ。彼の山通信でこの日粟ケ岳に入ることは知っていた。せっかくなので宴会に付き合おうかと中に入る。でも、ビールは出すが靴を脱ぐ様子が無い。荷物をデポして山頂へ向かうという。
 私ももうラッセルの疲れは取れていた。この先はあまりもぐらないことはこれまでの経験で知っている。でも、逆にアイスバーンでてこずることも過去の山行にはあった。それでも、もう既に何人もの人が山頂に立っているのでトレースが出来ていて歩きやすいだろう。下山の日没時間を考えると1時間という時間制限を設けて山頂を目指すことにした。
 案の定わかん無しでも全くもぐらない。西向きのこの斜面は常に西風を受けて凍っているのだ。その上にわずかに積もった新雪が滑り止めになっているという感じだ。
 時に絶景に見とれながら山頂に到着。川内の山々はもとより、真っ白い飯豊連峰、遠くに霞む磐梯山まで見え、御神楽の凛々しい姿、浅草だけの優美な姿、そして、守門岳の荒々しい姿と最高の展望を満喫した。
 風は弱いがじっとしていれば寒い。ヒロタンたちは小屋で泊りだが、私は日帰りだ。早々に引き上げた。
 小屋でヒロタン一行とわかれ、小屋で一緒になった中年の男性と一緒に来た道を引き返した。私はよく一気に下れる大俣登山道を下山に使っていたが、この日は多くの登山者が歩いてしっかりした道の出来ている中央道をそのまま下った。
 順調に下ったが案外時間がかかった。岩野の除雪終了地点に戻ったときは薄暗くなり始めていた。

歩き始め残月が朝の空に浮かんでいた 交代でラッセルしながら急な斜面を登る 砥沢峰のヒュッテ前から見た粟ケ岳、本峰は見えない、小屋はすっぽりと埋まっていた。
粟ケ岳山頂に向かっている途中、飛行機雲が現れた 真っ白い飯豊連峰 樹氷となった山頂の標識と守門岳

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