大荒川支流赤安沢
2005年7月9日、単独
コースタイム
9:15魚止の滝駐車場発-9:35赤安沢出合-9:58二又-11:35稜線-12:08林道に出る-12:17魚止の滝駐車場
翌日の午前中に沢登りに出かけようかと天気予報を見ていたら、翌日は雨、この日は晴れになった。配達などの仕事はあるが、配達だけこなしてその他の仕事をよく日に回し、急遽この日に出かけることにした。
配達は豊栄と水原だ。自ずと五頭山塊に足が向く。
魚止の滝駐車場に車を止め沢の装備で歩き出す。すぐに大荒川に入渓する。
魚止の滝は右からなら越えられそうだが、この日の水量は多く取り付き点までヘつっていけない。左から巻くことにした。
堰堤の少し上で再び大荒川に戻り、最初に右から流入する沢が赤安沢だ。
出合からいきなり小滝の連続が始まる、それを越えると明るいゴーロ帯となる。
壊れた堰堤跡があった。何に使ったのだろうか。
左からの枝沢の流入を見て沢の巾が狭まるとF1だ。7m位あるだろうか。昨年この沢を下ったときこの滝は絶対登れないなと思っていたが、左壁を良く見ると際どいが登れそうなスタンスが続いている。取り付いてみた。
途中どうにも悪く一旦降りて再度ルートを良く見る。今度は少し上のルートをとるがさっきより悪い。最初のルートを登りなおし、岩の割れ目に生えている草をむしりとると足場がよく見え、そのまま直登出来た。
そこからいくつか簡単に登れる滝を越えていくと二又になる。左又には20mの大きな滝(F2)がかかっている。昨年は30mあるかなと思ったが、2度目に見るとやや小さく見えるものか。
流れの左側ならひょっとしたら登れるかとルートを目で追ってみる。単独だから確保はZ法だが、滝の基部にハーケンを打ち込むいいリスがない。太い流木でもあればそれを支点とするのだがそれもない。そのうえ、中間支点のハーケンを打ち込むよさそうなリスも見えない。安全に巻くなら右からだろう。でも、登ってみたいとしばらく思案する。結局、下半分を直登し途中から左のブッシュに入って滝の近くを登る作戦に出た。これなら危険度は低いし直登の気分も味わえる。早速トライした。とげのある草に苦労したが無事完登した。
その上には2つ目の大きな滝(F3)が現れた。今回はこの滝は直登しようと思ってきた。昨年下りでこの沢を降りたとき、確保さえうまく行けば登れると思っていたのだ。だが改めて下から見上げると傾斜は緩く見える。フリーで登ってみた。滝は3段構成だ。1段目の落ち口で見た目よりもホールドが小さかったのでZ法確保を使わないと危険と思い一旦クライムダウンした。
流木にザイルの末端を縛り、シャントでザイルとハーネスを固定し登り始めた。流れの左側を登る。1段目の上に立ち適当なリスにハーケンを打ち込んだ。よく効いている音だ。さらに登り2段目の上はいいリスがなく左の木に支点を取った。50mザイルの半分の長さ一杯一杯で滝上に出た。潅木にザイルを固定し、シャントとエイト環を組み合わせた懸垂下降で下る。支点のシュリンゲやカラピナを回収しながら下ったが、ハーケンはしっかり入り込んでいて抜けなかった。そして、基部の流木に縛り付けたザイルを解き、ハンマーを重りとしてザイルの端にぶら下げるように縛り、シャントの確保で再び登った。
そこからいくつか小滝を越すと、大きな流木が立てかけられたように引っかかっている8mの滝(F4)が現れた。右壁がホールドが豊富で登れる。
そしてさらに小滝をいくつか越していくと、のっぺりとした6mの滝(F5)が行く手を阻む。左にわずかに登れそうなスタンスがある。しかし、途中でなかなかいいスタンスがなく、苔むした土壁に生えた草の根元に一回だけ足を乗せて滝のほうに戻るということをやった。ホールドは頼りない。
それからも小滝が続く、短いが内容の濃い沢だ。
左からの枝沢の流入を見送ると水量がぐっと減ってくる。右が崩壊した跡を過ぎ、二又になった。水量は左が多いが稜線に近いのは右なので右へ向かう。
やがて水が涸れ、ブナ林を抜けて稜線に出た。
左へひと登りで赤安山だが昼食も持ってきていないので登らずにまっすぐ下った。
短い沢だが登り応えある滝がいくつもあり、登攀力を試すためや沢登りの練習にはもってこいの沢だと思った。
F1 7m 左の草が生えているところにスタンスがある 草を引き抜いて足場を見ながら登った。 |
二又にかかる F2 20m 見た目は立っているが、少し傾斜がある 水線左側を中間まで登り、上部は左の藪に入った 上部の方が傾斜は緩い 現場ではハーケンを打つリスは無いように見えたが、写真を見るとありそうだ |
F3 20m 唯一ザイルを出した滝 写真中央部の一段目のテラスまでフリーで上り、そこでハーケンを打った 2段目のテラス左手のブッシュに二つ目の支点を取り、最上部は藪の中を登った。 50mザイル折り返し一杯一杯だった。 (Z法だとザイルの半分の長さまでしか登れない) |