広谷川支流湯沢前沢

2005年7月18日、単独

コースタイム
7:30登山口発-8:20湯沢出合着(慰霊碑捜索、ラクダの窓沢出合まで行く)9:20発-9:38前沢出合-11:00栄太郎新道馬の背の少し上着11:20発-12:10湯沢出合着12:30発-13:35登山口着

 この日は海の日だ。例年この日は配達がありこれまで休んだことが無い。しかし、毎年配達していた仕事が無くなり海の日が休めることとなった。その他の仕事もやりくりできた。そこで掲示板に書き込みのあった方のお話しにあった湯沢出合の慰霊碑を探しつつ、湯沢の簡単なスラブを一つ登ることにした。

 週間天気予報は直前まで曇り、真夏のスラブ登攀は暑さとの戦いだ。曇りで喜んでいたのだが、前日の天気予報で晴れに変わり、気温も上がり真夏日になることとなった。スラブの登攀はその場の気力で決めようと出かけた。
 栄太郎新道登山口で沢登りの装備をして歩き出す。私が登山口に着くと一人の登山者が歩き出したどうやら沢登りのようだ。単独で大丈夫か?(自分のことは棚に上げている)この人から少し遅れて歩き出した。
 鉱山跡の3つの慰霊碑にそれぞれ手を合わす。いつもは素通りなのだが、今回の目的の件もあり手を合わせてから通過した。
 先行者は西谷地小屋沢を登って入った。この沢なら単独でも大丈夫だろう。
 湯沢の出合で3人のパーティーが休んでいた。こちらは一般の登山者のようだ。
 今回の目的の慰霊碑探しを開始する。
 スモヒラの広場に一つ慰霊碑があるが、これは昭和58年の新潟大学医学部ワンダーフォーゲル部のもの、探しているのと違う。
 探している慰霊碑は「越後の山旅」を見るとラクダの窓沢にあるとのことなので、広谷川沿いの踏み跡をたどって行って見た。
 ラクダの窓沢出合はまだ雪で埋められており、可能な限り探してみたが見つからなかった。帰路は広谷川の流れの中を可能な限り進み、岩に慰霊碑が無いか注意しながら進んだ。結局見つけられなかった。雪渓の下になっていたのかもしれない。

ラクダの窓沢を見上げる。
出合は雪渓になっていた。

 湯沢の遡行を開始する。核心部の雪渓のため水量は豊富だが水が冷たい。
 前沢か高頭スラブを登ろうと思ってきたが、手前の前沢に入った。
 出合はスノーブリッジがかかっていた。
 水量が極端に少ないゴーロの沢を登っていく。すぐに3m×3段の滝が現れた。(滝といっても岩肌が濡れている程度)2段目までは簡単だったが、最上段はなかなかホールドが小さい指の第一関節も掛けられないくらいだ。登っていくと古いボルトがあった。こんな程度の滝に確保が必要だったのか、それとも手がかりに打ち込んだのか・・・・ボルトには小さいスリングが掛けられていたので利用しようとしたが、そのスリングをつかんでいると次の足場が悪い。結局頼らずに登った。
 その後の10m程度の滝は濡れているところは苔で滑るし、左端が安定しているかと思い登るとずるっと滑り落ちてしまい。結局草を頼りに登った。
 開けた15mくらいのスラブ滝は濡れているところ以外は純層で傾斜が緩く簡単に登った。
 それにしても暑い、すでに熱射病の症状が出始めている。岩の照り返しがきつい。濡れたタオルを首に巻き、首や体に水をかけながら登った。
 地形図をみて核心部だと思っていたところには30mくらいの滝になっていたが、階段状で難しくは無かった。ただ、落ち口は立っており、高度感もあってちょっとはスリリングだった。
 この滝を越えれば後はスラブの登りだ。傾斜は緩く2足歩行で楽々歩ける。
 スラブ登りが好きな人ならまっすぐ高頭へ突き上げる方向へ進むだろうが、私は早く登山道へ出るべく、滝上の二又で右又に入った。
 最初はゴーロ状だが、すぐにスラブの斜面になった。とにかく暑い。
 いきなりちょっと先の岩の上を登山者が横切った。もう登山道は近いらしい。そうとなると早く登山道に出たい、そこから藪をトラバースして馬の背の少し上の岩場で登山道に出た。
 稜線の上のほうが風が吹いて涼しい。馬の背の近くの木陰で休む。
 登山道とはいえ岩場の連続の栄太郎新道だ。前沢の支流が馬の背に突き上げている。こちらを下ろうかとしばらく考えたが、結局ロープを出すのが面倒になり、登山道を下った。
 暑さでばてているのでゆっくりしたペースで下る。
 湯沢出合についたらすぐに沢に入り、足を濡らして全身に水を掛けた。こうすることですぐに体調は回復する。回復したら腹も減ってきた。持ってきた握り飯を食べた。
 あとは樹林帯の道だ、ホタル沢の滝を見て登りたくなる衝動に駆られしばらく見上げた。でも、やめた。
 鉱山跡で樹林帯を抜けると情け容赦の無い夏の日差しが降り注ぐ。

 真夏に御神楽のスラブなんか登るんじゃないと思った山行だった。

ちょっと苦労したところ
左端が簡単に行けそうなので進んだらズリズリと
滑り落ちた。
写真右半分を占める濡れている部分が登れそうだが、
苔が生えているので足が置けない、結局写真に写っていない右の草の斜面を登った。
もっと水が流れていれば涼しいのだが・・・
全体的にこんな感じで岩が濡れている程度。
登山道から前沢を見る。
中央のV字に切れ込んでいるところが前沢
私はあのV字の部分を抜けると右に登ってさっさと登山道に出た。
後ろのピークは高頭(こうつむり)

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