角田山

灯台コース

2005年9月17日、単独

コースタイムの記録は取っていません、角田浜から山頂往復2時間くらいでした。

 連休初日の土曜日、連休といえども休めないのだが、配達もなく作らねばならない提案書もない。セールスにまわる気力もない。家でごろごろしているといくらでも寝ていられる。電話番ぐらいは母でも出来る。
 ヨシッ!と気合を入れて角田山でも登るかぁ、と、昼近くになって出かけることにした。

 コンビニでビールとおにぎりとポカリスエットを仕入れ灯台コースを登るべく角田浜に向かう。自宅近くに手頃な山があることには感謝だ。
 角田浜の駐車場に車を止めて歩き出す。夏の期間あれだけ賑わった角田浜も駐車場はがら空きだ。浜は静けさを取り戻している。
 波打ち際から上り始める。角田岬の灯台へ続く階段は立派な手すりが出来ていた。
 灯台から海を見下ろす、沖に浮かぶ佐渡は霞んで見えない。9月も半ばだというのに予想最高気温は30度だ。
 スニーカーで足元を踏みしめながら一歩ずつ登る。最近沢登りなどバリエーションルートばかり登っているので、整備された登山道は短い時間でも長く感じてしまう。
 すぐに汗が滴り落ちる。木陰に入るまでは直射日光をもろに浴びながらの登山だ。
 行きかう人や追い越す人に「こんにちは」と声をかけながら登る。営業の仕事をしているせいか「こんにちは」というときはスマイルを心がけてしまう。
 ルートファインディングの必要がないと、いろいろなことを考えながら歩いてしまう。
 
 独立して3年がたった。今年は5月までの状況はとても厳しく、ついに身内やJAなどから借金をしてしまった。身内の借金はお盆までに返すと約束をしたが資金が詰まる一方で借入は増えるばかり、でも、頼れるのは自分自身しかいない、普段は見向きもしないような仕事にも立ち向かい、競争となると勝つべくベストな提案を行い、空いている時間は飛び込みセールスに周り、早朝から夜遅くまで必死に働いた。自らの仕事を失いたくないという気持ちよりも、応援してくれる身内や仲間の期待に答えたいという気持ちが気力の原動力となったと思う。
 結果、6月〜8月はこれまでにない売上と利益を計上し、身内からの借金は約束どおりにお盆前までに全額返済することが出来た。JAは1年間の約定で借りているので、この間に財務内容を好転させて利益体質に持って行きたいと思っている。
 
 しかし、疲れがどっと出た。仕事量が増えているだけでなく、経営の勉強のためにと所属している経営者団体の役員に9月から任命され、会議や会合が増えた。仕事のために役立てようと9月はじめに資格試験にもチャレンジした。心身ともに疲れると感情もおかしくなる、人間関係でおかしなことまでおきてしまい、精神的にも疲れが出てしまった。
 そうなると、とにかく休みたい、この日もやる気があればセールスに出かけてもいいのだが、休みたい気持ちが勝ってしまった。

 30分歩いたところで小休止とする。木陰の涼しさが心地いい。ポカリスエットを半分飲んだ。
 小浜コースと合流し、五ケ峠コースと合流すると三望平だ。以前はここから景色が良かったと記憶していたが、木が繁茂し景色は見えなくなっていた。
 山頂までは緩やかな道が続くだけだ。

 山頂は多くの人たちが思い思いの場所に陣取って昼食を取っていた。ちょうどお昼頃だった。
 私もベンチに座り、持ってきたビールとおにぎりをいただいた。樹間から見える海をずっと見ていた。
 下山は往路を戻った。
 日本海に飛び降りるように下りていく最後の岩場の道が心地いい。砂浜に降り立ち灯台を振り返る。
 波音が心を癒してくれる。山から下りてこのシチュエーションはなかなかない。
 帰ってからまた昼寝でもするか。そうつぶやいて浜から上がった。

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