大荒川支流
西小倉沢

2006年6月11日、東風さん、山楽さん、T子さん、よしだ

コースタイム
6:45魚止の滝登山口発-7:17堰堤-7:53小倉沢出合-10:10三十三間の滝下-11:05三十三間の滝上-14:07二ノ峰着-14:18三ノ峰着14:55発-16:25登山口着

 五頭山をめぐる沢の中ではよく名前を聞く沢、西小倉沢。沢登りを始めた当初から何度か計画したが、これまでは何故か計画すると雨になり流れてしまった。
 今回は何度目の正直だろうか。

 朝6時過ぎ、集合場所の魚止の滝駐車場に着くと既に東風さんとT子さんが到着していた。東風さんは仙台から、T子さんは新庄からわざわざ来ている。6時半過ぎに山楽さんが到着、支度をして歩き始めた。
 大荒川を木橋で渡り右岸の登山道を進む。山葵沢で松平山に向かう登山道を分け、そのままはっきりした道を進み大きな堰堤で大荒川に入渓した。堰堤のバックウォーターは埋まり、この堰堤の役目は人工の滝を出現させているだけになっている。
 天気は曇り空、水は冷たい。それに、水量が多く感じられちょっとした滝を越えるのも、苦労する。
 小広手沢、広手沢を分け、左岸に踏み跡が現れたので進んでいくと、山の神様が祭られた石室があり小倉沢出合となった。
 藤島玄著「越後の山旅」では小倉道として西小倉沢沿いの登山道を紹介している。かつては登山道があったのだ。

ヨシベエの滝、左から高巻いた

 小倉沢に入り最初の滝がヨシベエの滝。右岸に登山道並みの踏み跡がありそちらを巻く。
 次から次へと滝が現れる。登れる限りは登った。私が先に登り、お助けロープを出す場面が何度かあった。
 沢が大きくカーブしているところにスノーブリッジがかかっていた。
 すぐに崩れるとは考えられないので「中をくぐるしかないかなぁ」といって中を覗き込んだ。ナメ状になっているように見えるが暗くてよくわからない。流れる水は雪で冷却されてとにかく冷たい。
 右壁を登って高巻くしかない、高巻ルートが大きくなりすぎないようにルート取りをして確保してもらいながら登った。フリーだと雪の高さあたりでトラバースできるが、ザイルを引っ張っているとザイルの流れを考えて行動しなければならない。小尾根の先端部分まで登って後続に連絡した。2番手以降はタイブロックによる確保で登ってきた。
 下りは木に掴まりながらのクライムダウン。沢に雪が詰まっていたのはここだけだった。

唯一あったスノーブリッジ
中をくぐることも考えたが、安全第一、
右壁を直登して高巻いた

 その後もぎりぎりの滝がいくつか現れ、登れる限りは直登した。
 そして、いよいよ核心部三十三間の滝が現れた。
 最下部の滝を右壁から越えて、三十三間の大滝を直登する作戦で動こうとしたが、他の3人は私が示したところは登れないという。そこから少し右の岩壁を登ろうと登り始めたが、そこもついてこず、3人は大高巻に入った。
 3人も大滝の滝下に降りるものと考えて、適当なところでトラバースして滝に近づいたが、3人は私のルートよりはるか高いところを歩いている。滝の写真をとって急な山肌を攀じ登ってメンバーに合流した。
「見てください、左壁登れそうですよ」と山楽さんに声をかけ、東風さんにも同意を求めたが、もうすでに大きい巻道に入っている。一旦降りて登るより巻の方がよかろうということになってそのまま巻いた。
 すごい迫力の滝だ。いつかは登りたい。
 滝上に来てその上の小滝の下めがけて20m懸垂で降りた。結局最後のメンバーが懸垂で降りるまでこの高巻きに55分も費やした。大きな高巻きだった。

大迫力の三十三間の滝

 すぐに二股になり西小倉沢に入る。
 核心部を越えて歩が早まるが、相変わらず楽しい滝が次々と現れた。
 沢が左にカーブするところで迫力ある15mの滝が現れた。山楽さん、東風さんは正面のヒドを登って高巻くことを主張したが、私が強引に左壁直登に持ち込んだ。見るからに傾斜もきつくなく、掴まるブッシュも豊富にある。一応確保してもらった。
 支点を取るブッシュは豊富にある。単独だと簡単にフリーで登ってしまいそうだが、せっかくだからブッシュに支点をとって登った。
 ここでも、ザイルの流れを考えながら登らねばならなかった。最後の登りは右でも左でも傾斜の緩いところはあったが、ザイルの流れを考えてほぼ直登のルートを取った。
 後続の3名はやはり最後の登りで苦労したようだった。
 滝上で昼食とした。

きれいな15m滝、左壁直登

 昼食を摂っている間に体が冷える。早々に昼食時間を切り上げて歩き始めた。
 五ノ峰に向かう沢をわけ、一の峰を目指す。
 水量は減ってきたが面白い滝はまだまだ現れた。際どい滝をつっぱりながら登っているとき、左腿が痙攣した。でも、痛みなんていっていられず、その場で足をブラブラさせてそのまま登った。足が冷えているのだろう。後続を確保している間に痛みは消えた。
 三角点峰からの沢を左に分け、一ノ峰を目指す。しかし、小沢をそれと勘違いして登り、藪こぎして登り付いた峰は二ノ峰だった。

次から次へと楽しい滝が現れる

 ニノ峰の山頂は風が強く濡れた体には寒い。小屋へ入ろうと三ノ峰に移動した。三ノ峰は小屋の前でも風がなく薄暗い小屋の中に入るまでもなかったので、そこで休憩とした。
 下山は赤安山経由の登山道を下った。

 西小倉沢、素晴らしい沢だった。

五ノ峰で記念写真

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