大荒川支流小倉沢
三十三間滝
2006年6月25日、単独
コースタイム
9:35魚止滝駐車場発-10:25小倉沢出合-11:20三十三間滝下着-12:00三十三間滝上-12:20三十三間滝下発-13:20大荒川合流点着13:40発-14:20魚止滝駐車場着
6月11日に西小倉沢を遡行したとき、三十三間の滝を巻いた。巻き道から見た三十三間の滝は迫力があったが、簡単に登れそうだったので、再トライする機会を伺っていた。
この日、朝のうち所属会からの依頼で柔道大会の駐車場整理のボランティアをしていたが、その後はフリー、天気もよさそうなので行って来た。
魚止滝駐車場に車を置いて登山道を歩く。
一週間前から風邪気味で体調が悪いが中止するほどのことでもない。
山葵沢の先で正規の登山道と分かれ、踏み跡を直進し、大荒川の堰堤のところで入渓した。
単独だとお助け紐など出さないからペースは速い。1時間弱で小倉沢出合に着いた。
まずはヨシベの滝、直登も考えたが、右岸にいい巻き道があるのを知っているので、さっさとそちらを巻いた。
その後現れた滝は全て直登した。風邪気味なので高巻きしたくない。
前回登れなかった滝も、よく見ると際どいルートがあり、壁のような滝でも、フィンガーホールドをつなげて行けば登れるのだ。
いくつか滝を越えていくうちに、目当ての三十三間の滝の水しぶきが見えてきた。前回はここから大きく巻いたのだ。
大きな滝の下に2つの滝がある。越えてきた滝も含めると、三十三間の滝は全部で5段構成になるだろうか。
この滝の上に三十三間の大滝の水しぶきが見える。 この滝は右から登る。 逆層に見えるが足場はしっかりしている。 この上の小さい滝が難しい。 |
まずは大滝の下まで行きたい。
最初の滝は右壁を直登、へつり気味に落ち口に出た。途中に残置ハーケンがあった。逆層に見えるが足場はしっかりしている。
次の滝は落差はないがトイ状で壁はつるつるだ。右壁を登れば際どいホールドがあるが一歩目がない。一歩目で失敗すれば、下の滝の下まで10m落ちる。
目の前に残置ボルトがあったので、シュリンゲを掛けて、それを一歩目の足場とした。しかし、その後の数歩も指先がかかるだけのホールドしかなく、一番緊張した場面だった。
大滝の下に着き滝を見上げる。
巻き道で見た時は迫力があったが、思っていたより小さく見えた。
左壁が階段状で際どいところは無さそうだ。フリーでも登れそうだが、一応確保することにした。
持ってきたシュリンゲを全てザックより出した。とりあえず途中のテラスまでフリーで登った。
ザイルの末端を固定するためボルトを打とうとあたりを見たら、左にボルト2本にシュリンゲが残置してある。まるで岩登りゲレンデの終了点のようだ。ありがたく使わせていただき、ザイルの末端を結びつけた。ザックはここに置いていくこととした。
残置ハーケンが要所にあるのでそこに中間支点を取っての登った。
単独の確保方法ではザイルの操作に手間取る場合があるが、足場がしっかりしているので操作はしやすかった。
途中3箇所支点を取った。残置で2箇所、最後は新しくハーケンを打った。
落ち口左の木に支点を取り登攀終了。メインザイルを木にセットした捨て縄に通して、登ったのと反対側のロープを使ってカラピナ、シュリンゲを回収しながら懸垂下降した。
滝下から見た三十三間の滝。落差は30mくらい。 左壁を階段状に登れる。 |
登っている途中から見た三十三間の滝 |
登るのであれば基部のザイルを解いてもう一度登るのだが、私はこの滝の直登が目的だったので降りることにした。
懸垂2回で大滝を降りた。2回目の懸垂で2段目の滝もついでに降りた。しかし、その下の滝を降りる懸垂下降の支点になる木がない。左壁にいい木があって登ってみるがちょっと恐い。
よって、登るときシュリンゲを掛けた残置ボルトにもう一個ハーケンを打ち足して支点として懸垂で降りた。
しかし、つるつるの滝で水量が強く、後半は完全に頭から水を浴びながらの懸垂で釜に着水してしまった。
それからもいくつか滝が現れたが、できるだけクライムダウンした。
ある滝の巻き道で杉滝岩で先日一緒になったKさんとすれ違った。女性なのに単独で沢登りだ、すごい!
下るのに苦労していたので一緒に登ろうかとも考えたが、風邪気味での登りは辛いなと思ってそのまま下った。優しい人なら登ったかも知れない下ってから自分の薄情さに後悔した。
沢の下りは足場がよく見えないので難しい。でも、ほとんどロープを出すことなく下ることが出来た。
大荒川に出たところで昼食とした。
食事はすぐ終わったが、しばらく水の流れをみてボーッとする。水音と小鳥のさえずり、木漏れ日を写した水面・・・・癒される。
堰堤から再び登山道を歩き、登山口に戻った。
三十三間の滝、思ったより簡単だった。