弥彦山
お滝の沢
2007年9月16日、単独
コースタイム
7:00登山口-7:30大滝-8:00二又-8:30六合目-9:20茶屋-9:50登山口
御神楽岳での事故から11ヶ月経った。
左足は日常生活では支障ないくらいまで回復したが、後遺症が残り、まだ長い時間歩くことが出来ない。さらに、でこぼこしたところを歩くとすぐに痛んでくる。
それでも、自分なりにリハビリを進め、全行程3時間程度なら歩けるだろうと判断できるまで回復してきた。
一般登山道を歩いてもいいのだが、やはり夢中で歩ける沢のほうが痛みを感じにくいのではないかと思い、一番慣れ親しんでいる。弥彦滝ノ沢を遡行することにした。
大滝を巻けば、下山も含め3時間で行って来れるだろう。
墓地の奥の橋のたもとに車を置いて歩き出す。
途中撤退を考えて、30mロープ1本とシュリンゲ4本、エイト環、環付カラピナ1個ずつという装備だ。
大滝以外はフリーで直登できる自信はある。
左足には足首の動きを制限するため、サポーターを巻いて渓流シューズを履いている。さらに、痛み止めの薬をあらかじめ飲んでいた。
意識的に小さい歩幅で登っていく。登山道が沢を横切るところで入渓した。
何度も登っているので、登るルートは覚えている。ただ、左足が痛むので、左足を踏み出すときは大きなムーブは出来ない。それだけ意識して登っていった。
現れる滝は全てフリーで直登。
沢幅が広がったあたりで、いきなりガサガサと音がしたと思ったら、キジが数羽飛び出してきた。驚いた。離れたところで私を見下ろすキジに「ごめんな」と声をかけた。
大滝は巻いた。ここまで登り始めから30分。
次の赤滝は取り付きにシュリンゲがかかっている。シュリンゲのかかっている2本のハーケンは私がかつて打った物だ。これがないと、誰かに踏み台になってもらわないと登れなかったのだ。
このシュリンゲにつかまって体を持ち上げ、滑りやすい岩を慎重につかんで登った。
次の滝、またその次の滝は右でも左でも登れるが、右のほうが厳しい。でも、残置シュリンゲがあるので、それを掴めば容易に登れる。二又手前の滝には新しいシュリンゲが残置されていた。
二又まで1時間で着いた。足が浮腫み始めているのが分かる。足を伸ばしてしばし休憩する。
そこから右又に入っていった。
厳しい滝もあるが、落差が小さいので恐さはない。細かいホールドではあるが、順層なので掴みやすい。
いくつかの小滝を攀じているうちに、登山道の6合目に出た。
ベンチでしばし休憩し、余計なものをザックにしまって下山開始。
足はすでにパンパンに腫れ、足を着くだけで痛い。ストックを突きながら慎重に下った。
中高年登山者がハイスピードで私を追い越していく。
登りの登山者に道を譲り、下りの登山者に道を譲りつつゆっくりと下っていった。
滝ノ沢入渓点に下るには、二合目の下から右に進むのだが、茶屋のところてんを食べるべく、そのまま下っていった。
茶屋でところてんを注文し、店の女将に「沢登ってきたよ」とあいさつ。
その後、山の花の話をしながら美味しいところてんを食べ、サービスのコーヒーを飲んだ。
素手でストックを持っていたら、手のひらに水ぶくれが出来てしまった。
弥彦、お滝の沢。遡行できるまで回復してよかった。
登山道脇の茶屋のところてん。 けやきの清水を使い、醤油指しにすぎの葉の栓を使っています。 とても美味です。 |