松平山

2008年9月7日、単独

コースタイム
8:13魚止の滝登山口発-8:33山葵沢出合-9:13山葵山着9:20発-10:05雷清水-10:16松平山着10:27発-11:10山葵山着11:20発-11:50山葵沢出合-12:10登山口着

 松平山は五頭連峰北部の一等三角点の山である。
 人気の高い山域に属し、標高も菱ケ岳には及ばないものの、953.9mと堂々たる標高を持ちながら、訪れる人の少ない静かな山だ。
 おそらく、登山口に設置してある「松平山は健脚向けにつき・・・」と書かれた看板が影響しているのだろうと思う。
 それだけに、静かな山歩きが楽しめる。

 足の具合も徐々によくなり、少しずつ行動時間を延ばしていこうと考え、松平山を選んだ。
 登山道の標高差は約700m、登りで2時間行程。今の時期の私の足を試すにはちょうどいいコースだ。
 
 魚止の滝の駐車場に車をとめて歩き出す。
 前夜の雨で大荒川は多少増水している。天気予報は雨だが、まだ降っていない。
 丸木橋を渡って大荒川右岸の高台の道を進む。
 クモの巣が時々ネチャっと顔に付く。小枝を拾ってクモの巣を払いながら進んでいった。
 いきなり「ギャーッ」という動物の声がして、藪ががさがさと動いた。
 サルかな?と、思い、声のするほうを見ると、大きな灰色のお尻が見えた。カモシカのようだ。
 「オーイ!カモシカー、オーイ!」と呼んで見るが、物陰に隠れているようで、出てこない。近くにいる気配はするのだが・・・
 山葵沢を渡ると、道は大荒川から離れて登り始める。
 コース中一番の急登だが、他の山の急登に比べれば大したことはない。
 綺麗なブナ林の中を黙々と登っていく。道幅は広く、クモの巣に悩まされることは無くなった。
 周囲の木の高さが低くなると、やがて山葵山だ。山のピークに向かう道が分かれている。
 小休止する。
 ここからは緩やかな登りになる。
 痛み止めの薬を飲んでいるため、足は痛くならないが、左足が少し腫れてきた。
 やがて雨が降り出し、雨具を着た。
 周囲はガスで景色は見えないが、緑の中の静かな登山道は癒される。
 雷清水の標識があったので、ちょっと行ってみた。
 登山道から1分ほど下ったところに清水はあった。清水の味よりも雨水の味のほうが濃かった。
 この清水の手前にも、登山道沿いに染み出すように水が湧き出ているところがある。
 緩やかな登山道を歩いているうちに、ひょっこりと松平山の山頂に出た。
 一等三角点と大きな看板がある。その看板の下に「←松平山・五頭山→」という看板があった。これは本来、松平山と五頭山の縦走路の途中にあってしかるべき看板だと思う。
 持ってきた缶ビールでひとり乾杯した。久しぶりに行う山頂の儀式だ。
 雨なので、ビールを飲み干したらさっさと下山の途に就いた。
 足が悪いので駆け足では下れない。出来るだけ衝撃を与えないようにベタ足でゆっくり下る。
それでも、歩き始めてすぐ、足が痛み始めた。持ってきた痛み止めの薬を飲んだ。
 登ってくる登山者2名とすれ違った。この日出会った登山者はこの2人だけ。
 山葵山で昼食を摂った。そして、靴紐を締めなおす。
 山葵山の下りで雨が激しく降り始めた。樹林帯の中でも激しく体を濡らしてくる。
 増水した山葵沢を渡り、濁流となった大荒川の轟音を聞きながら、登山口に戻ってきた。

 往復4時間歩けるようになった。

松平山山頂。標柱の上のビールは私が乗せました。

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