登川
米子沢支流ナメ沢

2011年9月25日、単独

コースタイム
7:10桜坂駐車場発-7:24入渓-8:05ナメ沢出合-9:00第2スラブ上着9:10発-(詰めを誤り猛烈な藪こぎ)-11:10登山道七号五勺着11:17発-13:13桜坂駐車場着

 日本百名山である巻機山。その頂に突き上げる米子沢も名渓として有名だ。
 私も過去何度か遡行した。その度に支流のナメ沢が気になっていた。
 井戸尾根登山道五合目より米子沢の景色が良く見えるが、そこからニセ巻機を眺めるとき、一筋の沢がニセ巻機に突き上げているのに気づく。それがナメ沢だ。
 仕事のやりくりがついたので、この以前より気になる沢に行くことにした。

 秋の連休のこの日、一般登山道の登山口でもある桜坂駐車場は満車だった。米子沢橋手前の駐車場に車を止めて歩き出す。
 工事用道路を登り、大きくカーブしている先から米子沢に降りる道を降りて入渓だ。最後の堰堤は中央が割れているようになっていて、通り抜けられる。
 5年ぶりの米子沢になる。
 7月の記録的な豪雨の影響が気になるが、最初のゴーロ帯はいつもの米子沢と変わらぬ風景だった。

 しばらく行くと、正面にナメ沢が見えてくる。ニセ巻機に向かって一直線に突き上げる沢だ。第一スラブ、第二スラブと下からもはっきりわかる。
 2日前まで降っていた雨の影響か、少々水量が多い感じがした。
 最初の滝を越えるとナメ沢出合だ。小休止の後、ナメ沢に入る。

 最初はちょっとしたゴルジュになっているが、難しいところはない。
 最初の滝が現れ、それを右から越えると第1スラブに入った。
 傾斜は渓流シューズでぎりぎり立って歩けるくらい。右(左岸)をそのまま登って行ったが、逆層で悪くなってきたので、真ん中あたりで左(右岸)に移った。
 
 スラブの幅が一旦狭まり、その先が第2スラブ。
 高度も随分稼いだようで、振り返ると上信越国境の山々が綺麗に見え始める。とりわけ尖がった大源太と仙ノ倉〜平標、そして、傾いた屋根の形をしている苗場山がきれいだ。
 落ち口まできて一旦ザックを下した。

 第2スラブが終わっても、きれいなナメ状の沢が続く。
 いくつかの滝が現れるが、難しい滝はなく、簡単に越えられる。
 
 段々水量が減っていき、源頭が近い雰囲気になってきた。
 ネマガリタケが小さい沢の両方から覆いかぶさり、それをやり過ごすため、低い姿勢を取ることが多くなった。
 沢登りしながら藪こぎ状態になってきた。

 本来なら登山道に近い左へ進むことを意識しなければならなかったが、水量の多い方へ進んで行ったら、右の方へ登ったようだ。
 水も枯れヒド状になり、完全に藪こぎになった。そして、ヒドの形状もなくなりネマガリダケの猛烈な藪に入っていった。
 一歩進むにも藪をすべて払いのけなければならない。視界は効かない。ただ、登山道のある井戸尾根は左の方なので、左へトラバース気味に登って行った。
 ニセ巻機のピークが見えたとき、その直下に崩壊地が見えた。
 私の記憶では、登山道のすぐ脇に崩壊地があった。あの崩壊地がそれだろうか・・・
 そう信じて、さらに左へトラバース気味に登っていくと、はっきりしたヒドに降りた。
 ネマガリダケの藪が薄くなる灌木の生えているところを目指していくと、藪の間から、ガレ場が見えた。
 藪から解放されたい一心で、ガレ場に出ると、目指す崩壊地に続くガレ場だった。
 藪から解放されて一安心。井戸尾根の登山道も眼下に見える。私の記憶が正しければ、このガレ場を左寄りに登っていけば、登山道に出られる。一旦ザックを降ろして景色を楽しんだ。
 

 案の定、ガレ場の左側を登って行ったら、ロープが見え、登山道に出たことが分かった。
 登山道に出ると7号5勺の標柱があった。
 ナメ沢方向を眺めると、私は右寄りに進路を取ったことが分かった。
 

 下山は登山道を下る。
 久しぶりの登山で足に疲れが出ている。何人かの登山者に追い越されながらゆっくりと下って行った。
 

 気になっていた沢に登れてよかった。
 ただ、これから登ろうとする人は、詰めは左寄りに登りましょう。


 ※単独の沢登りは危険を伴いますので、初心者はまねをしないようにお願いします。

     
 第1スラブ  途中から 第1スラブを見下ろす  第2スラブ入口の滝
     
 第2スラブ  第2スラブを見下ろす  第2スラブが終わっても、ナメは続く
     
 三段の滝 きれいな滝が時折現れる  流れが細くなって藪をこぎながら進む  井戸尾根五合目から見たナメ沢。ニセ巻機に一気に突き上げる



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