二王子岳

2012年5月5日、単独

コースタイム
5:50二王子神社発-6:55一王子着7:03発-7:53独標通過-8:55油こぼし着9:00発-9:36山頂着10:12発-10:33油こぼし通過-11:07独標通過-11:33一王子着11:38発-12:25二王子神社着

 越後平野の東にあり、飯豊連峰の前衛の位置にある山、二王子岳。
 連休後半、一日だけ休みが取れたので、久しぶりに登ることにした。
 登山を始めるきっかけになった山であり、21世紀の元旦を迎えた山であり、今の業態で商売を始めたときに、この山から飯豊に向かって歩いている。
 私の節目に縁のある山だ。

 早朝、登山口の二王子神社に向かう。
 神社の駐車場にはすでに2台の車がとめてあった。
 天気はあいにくの雨模様、雨具を着てのスタートとなった。
 
 杉林の中の登山道をゆっくりと進む。
 急な登りが始まると、神子岩がある。
 女人禁制を犯して登った女が、神の怒りにふれて岩になったという岩だが、なんとなくボルダリング岩に見えてしまう。
 急登を登り終えると、杉の大木のある一王子に着く。石の祠があるので、そちらに回って安全祈願をした。
 一王子で小屋に泊まったというパーティーとすれ違った。
 以前は一王子まで1時間を悠に切るペースで登れたのだが、時計を見ると登山口から1時間5分経っている。いつまでも若くはない。体力が落ちたことを実感させられた。

 一王子から先は雪道となった。
 ピンクテープを目印に進むが、霧が濃いため、帰路確保のために持ってきたオレンジ布を要所要所に付けながら登った。
 ガスの中、登るルートを見極めたり、オレンジ布を付けたりしながらの登山なので時間がかかる。おまけに雪がしまっていて、軽登山靴だとキックステップしにくい。
 霧の中に電柱のような標柱が見え、独標に着いたことが分かった。
 そのまま立ち止まらずに進む。

 独標から上は高原状の地形でさらにルートが分かりづらい。
 引き返そうか・・・と、思い始めると目印のピンクテープが現れる。それを見ると前に進む勇気が湧いてくる。
 視界は20m位か、オレンジ布を頻繁につけた。
 油こぼしから上は、夏道半分、雪道半分という感じになった。

 かつて祠があった石垣のある9合目。
 ガスが一層濃くなり、山頂の方向が分からない。適当に進んだら、藪が途切れて夏道のある形が霧の中に影のように現れ、方角が分かった。

 霧の中に避難小屋と山頂の鐘が浮かび上がって、山頂に着いたことが分かった。
 鐘を一突きして、小屋に入った。

 悪天候の時の避難小屋はありがたい。
 この山の名物の飯豊の絶景は見ることができなかったが、久しぶりの二王子山頂は充実感でいっぱいだった。
 

 山頂にいる間に誰かが来れば、目印の布は全て残置するつもりだったが、誰も来なかったので、オレンジ布を回収しながら下った。
 雨は上がったものの、視界は10m位にまで落ちていた。慎重に登ったときの自分の足跡を拾いながら下っていく。

 油こぼしを過ぎたあたりで、進路を見失ってしまった。
 目印の布が全く見えないうえ、登ったときの自分の足跡も消えている。ガスも濃く、視界は10m無い。
 地形図を見たって、現在地すら特定できない。
 そんな時、人が歩く音が聞こえた。その方向に歩くと、一人の登山者が登ってきた。ほっとした。
 この先の状況を教え、目印は何か持ってきているかと聞くと、持ってきていないという。雪の二王子の怖さを知らないようだ。仕方ないので、私が持っているオレンジ布を持たせてあげた。
 ここから下は、彼の為にもオレンジ布は回収せずに、残置していくことにした。
 新しい足跡は道しるべになって助かる。
 
 その後まもなく10人くらいの団体とすれ違った。多勢の足跡は更に助かる。
 独標あたりで3人のパーティーともすれ違った。
 
 一王子から下は夏道になる。
 登り同様石の祠に一礼して下山した。

 ガスが晴れてきた。
 ブナの新緑がきれいだ。
 杉林を抜けると登山口の二王子神社だ。

 下山後、見上げると、空は晴れてきて、二王子岳も山頂近くまで雲が上がってきていた。
 節目の時の思い出の山、二王子岳。
 今年も人生の節目になる予定である。


山頂の標柱と鐘

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