万太郎谷 大ベタテ沢 右俣
2013年8月14日、単独
コースタイム
7:35駐車場発-7:42吾作新道入口-8:10大ベタテ沢出合着8:35発-8:55二又-9:00土砂崩れ跡-10:00 5段滝上-10:35 30mスラブ滝上-11:25源頭-11:40稜線着12:07発-13:05林道に出る-13:10駐車場着
谷川連峰にはきれいな沢が沢山ある。
本やインターネットでその写真や報告を見るにつけ、時々は行きたいと思ってしまう。
せっかく久しぶりにとれた盆休み。以前から気になっていた、万太郎谷の支流の大ベタテ沢に行くことにした。
湯沢町で17号線を離れると、分岐が多く迷いやすい、入山口まで地図を見ながら進んだ。
最後は高速の土樽PAを横切るような道を進むと万太郎谷の入山口だ。
車止めのゲートの手前左側に、大きな駐車場があったので、そこに車を止めた。ゲート前にも数台置けるスペースはあったが、お盆休み期間中だ、広いところに止めた方が無難と判断した。
渓流シューズに履き替えて歩き出す。
林道を進み、吾作新道の入り口を過ぎると、間もなく林道は終点になった。
沢に降りて、巨大な堰堤の間を通って、万太郎谷の遡行が始まった。
少しの間、平凡なゴーロ帯を進むと、きれいな岩盤の渓相になってきた。さすが、名渓万太郎本谷。
石畳のナメ床を水が流れるところは言葉を失うくらいの美しさだ。
そんな美しい流れが終わる前に、右から支流の流入があった。事前に調べた写真の記憶からすると、大ベタテ沢だと思ったが、間違えると悪いと思い、しばらく本谷を遡行して、他に流入がないことを確認して、戻ってきた。
本谷の美しさと迫力に比べると、いかにも貧相な沢という印象だ。
本谷のナメ 素晴らしい | 大ベタテ沢の合流点 |
ゴーロ状の登りを進んでいくと、ナメ状の滝が連続するようになった。
ちょっとした滝を越えたところで二又となり、目指す右俣に入った。水流は左俣の方が多い。
右俣に入って間もなく、行く手を土砂となぎ倒された木々が塞いでいた。右手を見ると、山肌が崩れている。最近の梅雨末期の大雨で崩れたのだろう。
山肌が崩れ、土砂が沢を埋めていた。 |
その後も連続して現れる滝は簡単に登れ、楽しい遡行ができた。
ただ、水量は少なく、もうすでに源頭っぽい様相になっている。
ガイドや多くの記録で、この沢の核心部のように紹介している、5段の滝が現れた。
下からは、5段の全景は見えない。
1段目は登れるはずもなく、左から巻いた。2段目は簡単。
3段目は、流れの右側から灌木頼りに登ろうとするが、上部に生えている灌木が折れそうなので諦め一旦下降。
左壁のクラックに残置ハーケンがあるので、それを利用して登ろうともするが、ホールドが乏しく、ここも諦め。
そこで、靴をクライミングシューズに履き替え、ザックを置いて、もう一度右壁に取付いた。
強引に体を持ち上げると、ガバが多く、何とか登ることができた。ザックは滝上からロープで引っ張り上げた。
4段目は、最初のホールドにシュリンゲをかけてアブミにして登った。多くの記録に書かれているほど悪くはなかった。シュリンゲはロープでつないであり、登るにつれて自動的に回収できるようにしておいた。
5段目は簡単。
その上に、2段の滝が現れ、これがどうにも登れず、左から巻いた。相棒がいれば、ショルダーで越えられる滝だろう。
登れなかった1段目の滝 | 3段目の滝。流れの右側から取付いて、 強引に体を持ち上げ、上部で中央に トラバース気味に登った 写真左端近くのクラックに残置ハーケンがある |
4段目 右の流れの中の突起にシュリンゲをかけてアブミにし 上部で左にトラバースして登った。 |
30mスラブ滝が現れた。相当大きな滝をイメージしていたが、実際に見ると迫力はない。
クライミングシューズのフリクションを効かせて、流れの左側を快適に登ることができた。
滝上で、再び渓流シューズに履き替えた。
30mスラブ滝。 クライミングシューズのフリクションを効かせて流れの左を快適に登った |
小滝をいくつか越えていくと、奥の二又。
ガイドの遡行図通り、左に進路を取る。降り注ぐ日差しが暑い。
そして、源頭。
はるか下に本谷が見える | 源頭近くも小滝が続く |
ガイドやインターネットの多くの記録には、稜線まで踏み跡があると書かれているが、踏み跡は確認できず、藪漕ぎが始まった。
急斜面の灌木と笹の混ざった藪を登っていく。
源頭より15分の藪漕ぎで、大ベタテの頭のわずか北方で稜線に出た。
周囲の山々の展望が素晴らしいが、暑かったので、木陰に移動して昼食とした。
下山は吾作新道を下る。
静かな登山道で、途中に見事なブナの大木がいくつかあった。
1時間ほどで下山できた。
茂倉岳〜谷川岳〜オジカ沢の頭 | 万太郎山に乾杯 |