1997年9月27日〜29日、単独
土曜日の午後から出発した。この日湯の平で泊まり、翌日オオインの尾根を 登って梅皮花小屋で泊まり、翌々日下山する予定だ。月曜日は休みを取ってい た。 湯の平温泉は夕方についた。沢山の人がすでに入っていた。私は二階で寝る ように管理人に言われた。 夜半頃から激しい雨が屋根をたたき時折目を覚ました。 朝起きたとき、若干雨は小降りになったように感じた。天気予報では天気は 次第に回復すると言っていた。 朝6時30分頃、雨が止んだのを見計らって小屋を出発。鳥居峰まではかな りの急登だ。 滝見場を過ぎる辺りから風が強く吹き始めた。そして、中峰で休憩している 時に激しい雨が降り始めた。前日の天気予報は外れたのか。 登るに連れてガスの中に入り視界は100m以下になっていた。 二股を過ぎ最後の登りはジグザグに道が切ってあるが、尾根の上に出ると強 風で足を上げると倒されそうになる。 北股岳の山頂は鳥居を見て分かった。その時雨が雪に変わった。一瞬のうち に周囲が白くなる。山頂の気分に浸っていられなかった。ザックも降ろさずに 梅花皮小屋へ向かった。 道は風下の山形県側に付いているので、強風を避けることが出来たが。小屋 が近ずくと尾根上に出る、また足を上げると体が持っていかれる。 視界は10m無くなっていた。 ガスの中に小屋が見えたとき、着いたというより助かったという思いがした。 小屋には12時頃着いた。 小屋の中で火をたくとすぐに暖まる。悪天候のときの小屋の存在はありがた い。 雪はすぐまた雨に変わり、積もった雪もすぐに解けた。 後から4人の登山者がやってきた。人が増えると暖かくなる。 翌日は往路を下山した。風は幾分収まってきた。 中峰の辺りで雨が上がった。 9月の飯豊で雪に会うなんて、予想していなかったが、いい思い出になった。