光兎山
(滑落負傷事故)
とき 平成11年4月4日
場所 新潟県岩船郡 光兎山山頂直下 光兎山山頂より頭布山方向に350進んだ
標高850m付近の尾根上
負傷者 Y.K 50才 男
天候 快晴 風 微風 気温 暖かい
メンバー リーダー S.K サブリーダー T.H 、 K.T 、 T.S 、 T.S 、
K.M 、T.F、Y.K(負傷者) 吉田
4:03 豊栄発
5:07 登山口の関川村田麦着
5:35 除雪されていない林道を歩き出す。
6:15 林道終点着
6:23 林道終点発、淀峰と呼ばれる尾根に取り付く。
7:06 標高660m地点の尾根上、ここで体力に応じて2班に分かれる。
予定通り頭布山に向かう班 SL T.H K.T T.S Y.K(負傷者)
吉田
7:23 同地点を出発 Y.K(負傷者)はこのとき少し遅れ気味になるが他4人
と一緒のルートを取らず、ひとり薮に入ってみたり、雪庇に近ずいてみたり、ちょっ
とわがままが出る。
8:16 光兎山山頂着 この班のSLのT.Hより今までは北斜面だったのでわ
かんは必要無かったが、これからは東斜面なので雪が緩んでいると思われる為わかん
をつけるように指示が出た。わかんを付ければ滑り止めにもなるとのことだった。
このときT.Hはキジ打ちをするので少し先に出ると言い残して先に歩き始めた。
8:35 残った4人は歩き出した。吉田、K.T T.S Y.K(負傷者)の順
で出発。
Y.K(負傷者)はわかんを付けようとしなかった。
Y.Kは他3人を追い越し先に行きすぐに見えなくなった。慎重に歩く我々3人の行動
に業をにやしたのか。
8:40 急斜面の下で倒れているY.Kを発見。私は抱きかかえようとするが激痛
の為動けないとのこと。右肩を脱臼したことが予想された。
現場は上部が低木薮で下部が雪の斜度35度くらいの急斜面で下にほぼ平らな場所が有
り、そこでY.Kは倒れていた。5Mほど滑落したと思われる。
私は先行していたSLのT.Hを呼び戻し、持っていた携帯電話でLのS.Kに連絡
を取ろうとするが通じず、すぐに光兎山に登り返す。
現場にT.H、K.T、T.S3名が残る。
9:00 光兎山山頂に戻り、後からの班にY.K滑落負傷を報告、右肩を脱臼した
ようだと報告する。
9:05 LのS.KとT.Mが現場へ向かう。
9:10 入れ替わりにSLのT.Hが山頂に戻る。山頂に居るT.Sが現場に無線
でやり取りし、T.Hが電話で外部と連絡を取る体制を作る。
9:30 LのS.Kより会のメンバーに連絡を取り警察に救助を要請せよとの指示
9:40 T.Mの妻に連絡が取れる。医師より応急処置の方法を教えてもらうべく
医師に連絡を取るが素人は下手なことはしない方が良いとのこと、T.Mの妻が前会
長のHに連絡を取りH経由で救助を要請する。
10:00 Hより電話が有り、救助要請OKとのこと
10:10 村上警察署より電話あり、場所と状況の説明をする。
10:15 県警本部より電話あり、場所と状況の連絡をする。ヘリの手配をしたと
のこと。
11:00 私は救助隊に渡す山行計画書をもって現場に向かう。
11:17 県警救助隊ヘリ「こしかぜ」現場上空に到着。数分間旋回する
11:23 救助隊1名降りてくる
11:32 Y.Kヘリに収容
11:40 S.Kがヘリに同乗
11:52 残ったメンバーは現場を離れ山頂に向かう
12:09 光兎山山頂に戻る。昼食を摂る
13:15 S.Kより電話が入り村上市の瀬波病院に収容され手当てを受けY.K
は元気になったとの連絡が入る。
13:20 往路を下山開始。
下山途中再びS.Kより電話が入り、Y.Kは家族が迎えに来て帰ったとのこと、自
分は関川村在住の会員が迎えに来て登山口の田麦に戻るとのこと。
14:54 林道終点に着く
15:38 登山口の田麦に到着、すでにS.Kは到着していた。S.KよりY.K
の状況の報告を聞く
16:05 田麦を出発。地元の関係者に挨拶して豊栄に帰る。
途中、車の故障が有ったが20:00頃豊栄に帰った。
Y.Kは登山経験が豊富だが単独行が多かった。
はしゃぐ気持ちは分かるが、みんなと一緒に歩いていれば事故に遭わなかったのでは
ないかと思う。
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