オリンガ平

1999年5月16日、単独

コースタイム
6:00豊栄発=7:36 室谷登山口着 7:45発−8:22 御神楽岳まであと3
時間の標識通過−8:55 オリンガ平着 9:00発−9:15御神楽岳まであと3
時間の標識通過−9:50 登山口着 10:00発−12:00豊栄着

新潟の峡彩ランタン会の会報ラテルネ6の御神楽岳の山行報告の中に御神楽岳伝説オ
リンガ平という項がある。そこには上村氏が昭和57年の5月に訪ねたとき可愛らしい
水芭蕉が一面に咲いた桃源郷として紹介している。
このオリンガ平に鈴木さんと行く予定をしていたが直前になって鈴木さんの都合が付
かなくなり、独りで行く事にした。
5月3日に御神楽岳に登ったときに登山道から入る所の目安を付けてあった。

まずオリンガ平の場所だ。
25千図の御神楽岳を見ていただきたい。御神楽岳の山頂北東方に大森山という三角
点がある、その北方標高680m付近が台地状の地形をしているそこがオリンガ平だ。

朝6時豊栄の自宅を出発、水原で国道49号にのり津川の先で国道と分かれて御神楽
岳の登山口を目指した。
登山口にはすでに3台の車が停められてあった。そして、私が出かけるときにもう一
台が到着した。
天候は小雨、ただし、雨具を着るほどではない。ぶなや楢の新緑が気持ち良い。
20分ほどで目印にしていた「御神楽岳まであと3時間」の標識に到着した。周囲は
やや平らな湿地帯になっている。ここから90゜の方角つまり磁石の上では真東に入
れば良いはずだ。
ガスがかかって見えにくいがオリンガ平までの距離はさほど離れていない地形からす
るとこの辺りの沢は何処を下っても登山道脇を流れる清水沢に合流する。迷ったと
思ったら沢を下る事にしている。(他の山では通用しない事ですよ)
薮に入って最初の沢を渡るとき後続の登山者が見ていた。まさか付いてこないよなと
思ったが、2本目の沢を渡ったとき後ろで声がした。これはまずい御神楽岳はこっち
じゃない。立派な道が続いているのに何故そっちへ行かないのかと思い引き返してそ
れを告げようとするとその前に分かったらしく戻っていった。
ブナやミズナラ、スギの混成林で林床に低木がありツルが絡まっている。鉈でツルを
切りながら進んだ。そして、要所要所に赤布代わりのオレンジ布を付けていった。
3本目の沢は涸れ沢だ、この沢を越えるとラテルネの紹介では150m登るとある、
私も少し登った。この辺りは邪魔な潅木やツルはなく歩きやすかった。
少し登った後4本目の沢を渡る。渡った後また少し登ってみた。
左手を流れる沢の上流が明るくなっているのが見える。ガスがかかっているが視界は
100m以上ある。おそらく左を流れる沢がオリンガ平から流れ出ている沢だろうと
信じ、その沢に下りて沢沿いに登っていった。
すぐに視界が開け湿地帯に出た。潅木が縦横無尽に生えていてその間をツルが渡って
いる。また鉈の登場だ。
おそらくここがラテルネの図面に示されている水の流れる湿地だろう。そうなると小
さな尾根を越すとそこがオリンガ平という事になる。
どきどきしてきた。
尾根を越そうと尾根に近ずきコンパスを見ると間違って北の方に歩いていた。とにか
く目指す方角は東だ、進路を変えて歩き出す。
途中のぶなの木の下に一升瓶が二本落ちていた。昔の熊狩りの人の宴会跡だろうか。
尾根というよりちょっとした木の生えた台地を越すとオリンガ平に出た。
周囲をネマガリタケが覆い、それを踏み分けていくと、まっ平な湿原だ、木が何本か
庭園を飾るように生えている。
ゼンマイだろうかシダ類の若芽が沢山生えていた。広さは地図で見るより狭く感じ
た。木六山の水無平より狭い。そして、目指す水芭蕉は咲いていなかった。
一面のお花畑をイメージしていたのにちょっとがっかりだ。常に地図とコンパスで位
置を確認したのでまず間違いないだろう。水芭蕉には時期が早かったのだろうか。小
雨が降っているし湿地帯なので腰を下ろして休む気になれない。
5分ほど中心部を歩き戻る事にした。
来た方角が分からなくなったが、今度は磁石の真西に向かえば良いのだ。
ネマガリタケの薮を避け、流れ出る沢沿いに隣の湿地帯に戻った。
また潅木とツルと格闘が始まったが、すぐに登ってきた沢に出た。
帰りは目印はあるし道が分かっているのでペースが早い。ただし、回収できる布はす
べて回収した。
元来た道を忠実に戻って登山道へは15分ほどで戻ってきた。
薮の露でズボンも上着も水浸しになった。
車に戻って下着まですべて着替え真っ直ぐ豊栄に帰ってきた。
オリンガ平はきれいな湿原だったが、小尾瀬と呼ぶにはいささか物足りない湿原だっ
た。

雨に煙ったオリンが平

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