苗場山、小松原湿原

登山メーリングリスト オフラインミーティング山行

1999年7月4日


メンバー、南雲さん、岡本さん、石原さん夫妻、川田さん、熊坂さん、Yさん、
吉田

コースタイム 
4:00小赤沢登山口発−5:13六合目手前の水場着5:25発−
6:03山頂の湿原の一角着6:11発−6:55苗場山山頂着7:05発−7:4
5雷清水着7:52発−8:10神楽ケ峰着8:13発−9:48霧の塔着10:0
8発−10:58日蔭山着11:11発−11:56小松原小屋着12:30発−1
3:10中の代(下の代分岐)着13:19発−14:10金城山着14:37発−
15:45風穴駐車場着=小赤沢登山口=逆巻温泉=21:00豊栄着


  深田久弥は日本百名山の選定基準を後記の中で述べている。その基準とは、山の品
格、山の歴史、山の個性である。苗場山はそのどれをとっても名山の資格充分な山で
ある。
  そして、その懐に小松原湿原という広大な湿原を抱えているということを忘れては
ならない。
  一昨年の夏、苗場山に初めて登った。その時は祓川ルートより登ったが、山頂に広
がる広大な湿原に感動し、さらに、神楽ケ峰からの眺望の素晴らしさにも感動し、再
びルートを変えて登ってみたいと思うようになった。
  藤島玄著の「越後の山旅」下巻では苗場山の記述に紙数を沢山裂いており、特に小
松原湿原にいたっては苗場山(北側)という項で特別に紙数を裂いている。
  この苗場山と小松原湿原を一度に歩いてみたいとかねてから思っていた。そこへ、
昨年秋に十日町の南雲さんが小松原湿原へ行ったという報告をMMLで読んだとき、
このルートを歩いてみたいと思っていることを知り、南雲さんを誘えば実現できると
思うようになった。
  そして、どうせならMMLにこの計画を流して他の参加者を募ってオフミという形
式を取ればまた楽しいかなと思って募ったところ、思ったよりも多くの参加者が集
まった。

  前日の7/3の18時に下山予定の秋山郷の見倉トンネルの入口脇の駐車場に集合
を掛けておいた。
  私は仕事を終え、11時30分頃新潟市を出発した。
  天気予報の降水確率はこの日午後から100%、新潟を出発する頃には雨が降り出
した。
  集合場所には15時頃一旦着いたが、早すぎるので一旦登山口を下見しておこうと
小赤沢ルート三合目の登山口に向かった。
  登山口は広い駐車場があり、トイレもあった。車が10台ほどとまっていた。悪天
候にもかかわらず沢山の登山者が登っているようだ。
  集合場所に戻ったのは16時頃、すでに岡本さんと石原さん夫妻は到着していた。
  その後、続々とメンバーが集まり、翌日一緒に行動は出来ないが、夜だけの参加の
荘司さん夫妻と香田さんもやってきた。最後に一番近い南雲さんが到着、登山口へ移
動した。
  かとう@ミーハー登山隊さんが小赤沢の民宿にいるので一目会いたいという
メッセージが携帯電話に入っており、短い時間でという制限付きでその民宿の前でお
会いした。
  雨は降ったり止んだりしていたが、登山口の駐車場に幕営の準備をしている頃から
本降りになってきた。
  夜はオフミ用に共同購入した大きなテントの中で宴会となった。12名のメンバーが
入っても充分宴会をすることが出来た。

  早朝3時起床。雨は相変わらず降り続いている。登山口の駐車場はいつのまにか沢
山の車が到着していた。
  テントなどの撤収は荘司さんたちにまかせて、まだ暗い午前4時にヘッドランプを
つけて歩き出した。
  四合目に着く頃にはあたりは明るくなった。 しかし、ガスがかかっていて視界は
悪い。
  五合目を過ぎ、六合目の手前の水場で朝食の為に休憩を取った。
  六合目辺りからは急登になってきたが、ガスがかかっている為、目で見た感じでは
急な感覚が無い。振り返れば鳥甲山が見えるはずだがなと思いながら何も見えないガ
スの中を歩いていく。
  笹原を突っ切ると苗場山頂につながる広大な湿原の一角に出た。ガスの為視界が悪
いが足元のきれいな花は水滴をつけて一層きれいに見えた。
  そこから山頂までの間は沢山の人にすれ違った。木道は単線の為よけなければなら
ない。
  一部に雪も残っていた。
  苗場山の三角点は遊仙閣の裏にある。ここは山頂の雰囲気はまるで無く、三角点の
前で記念撮影をした後、湿原の中で休もうと移動したが、沢山の人に休憩用の場所を
占領されていた為、すぐに移動を開始した。
  雲尾坂を下り神楽ケ峰に向かう途中も沢山の花が咲いていた。
  神楽ケ峰の山頂は地図には三角点の表示はあるが、越後の山旅の記述どおり崩れ落
ちたのだろう、見当たらなかった。
  ここは以前来たときに上信越の山々の展望を堪能したところなのだが、今回は全く
見えない。しかし、雨が上がり始めてきた。
  祓川ルートを右に分けるとこれまでの整備された登山道が一変し、湿地帯にも木道
はなく、岩場にも鎖はなく、その上倒木だらけの道に変わった。
  これまで予定よりかなり早く進んできたが、一気に速度が落ちてきた。
  霧の塔の登りは思った以上に長かった。霧の塔からは360゜の展望が得られると
ガイドブックに書かれてあったが、相変わらずのガスの中で何も見えない。それでも
霧の塔の山頂で清酒「霧の塔」を飲もうと担いできた4合瓶を出し、みんなに分け
た。味は格別だった。
  釜ケ峰、日蔭山と小休止し、日蔭山を下り始めたところで、小松原湿原のピストン
ということで登山口で別れた高橋貴美子さんとこの日のみの参加で同じく小松原湿原
のピストンのみの鈴木眞さんが一緒に登ってきた。
  聞くと登山口から一緒に登ってきたそうだ。この二人に出会うまでは、神楽ケ峰の
上の芝分岐からここまで1人の登山者にしかすれ違っていない。静かなコースだ。
  下り始めてすぐこの2名が加わり、総勢10名のパーティーになった。
  天候が回復した為、小松原の景色の良いところで昼食にしようと思っていたが、ま
た雨が降り出した為、小屋に入ることにした。
  小松原湿原の小屋に着くと、大きな団体が小屋を占領しており、その前にビニール
シートを張り出して、その下にも大人数が休んでいた。
  仕方なく我々は再び雨具を着て外で昼食を摂ることにした。
  聞くとこの日は地元中里村主催の小松原湿原自然観察会が開催されていたとのこと
だった。静かな湿原を想像していたのだが、期待を裏切られてしまった。
  団体の後ろについて歩き出したらなかなか前に進まない。それもそのはずちょっと
した沢の通過などでつっかえるとそこから後ろはしばらく止まってしまうのだ。
  湿原の花は素晴らしかった。白い綿状の実をつけたワタスゲが一面に広がり見事な
風景を作り出していた。
  想像以上の素晴らしい湿原だ。
  中の代で団体は下の代方向に下っていった。団体は普段通行止めの林道を開けても
らい、最短コースでここまでやってきたそうだ。
  記念撮影をした後、金城山の方向へ歩き出した。再び湿地帯に木道の無い倒木だら
けの道になった。
  金城山山頂で薮に分け入り三角点を探した。しかし、広い山頂で三角点は最高点よ
り下がったところにあるらしく、探すのは困難と諦めた。
  金城山の下りは急な下りだった。ぐんぐんと高度を下げていった。
  ほぼ予定通りの時間で下山口の風穴の駐車場に出た。
  そこに車のある熊坂さん、高橋さん、鈴木さんとそこで別れて、残ったメンバーは
車に分乗して登山口の小赤沢三合目の駐車場へ向かった。
  登山口の駐車場でそれぞれの車に乗り換えて、逆巻温泉で汗を流して帰途につい
た。

  通常ガイドブックでは1泊2日のルートとして紹介されているが、それを一日で歩き
とおした。
  メンバーの力量が分からないオフミとしての山行だったがそれなりに体力があるメ
ンバーが揃ったせいか、充実した山行を楽しむことが出来た。
  また一つ、良い思い出が出来た。

写真は熊坂さんのホームページへ

写真と文書、石原さんのホームページへ

写真と文書、南雲さんのホームページへ

文書、岡本さんのホームページへ


ワタスゲの舞う小松原湿原

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