笠倉山

1999年11月3日、岡本さん、鈴木眞さん、吉田の3名


コースタイム
3:45新潟発=5:43本名御神楽登山口通過=(一度道をまちがえる)=6:4
2林道終点手前発−8:04 1091mピーク着8:13発−9:30 914m
ピーク着9:40発−10:51笠倉山山頂着11:38発−12:16 914m
ピーク着12:44発−14:13  1091mピーク着14:16発−15:30
林道終点手前着=早戸温泉つるの湯=19:00新潟着

笠倉山は会越の名山御神楽岳の東側に位置し、御神楽岳を遠くから眺めるとき御神楽
岳のすぐ横に目印のように尖ったピークをしている山がある、それが笠倉山である。
御神楽岳を横綱とすればまるで横綱の土俵入りの時の太刀持ちか露払いのようなそん
な感じに見える山である。
私は早くからこの山に興味を持っていた。しかし、登るとしても登山道は無くそして
奥深いことからそうたやすく近ずく事は出来なかった。
薮山ゆえに残雪期に登ろうと最初考えたが、取付きまでの林道が開く頃には雪は解け
てしまい、雪のある時期を狙ったとしても取付きまで雪崩の危険性のある道を行かね
ばならない。
5月の連休に御神楽岳経由で行こうと試みたが、御神楽岳から続く稜線は痩せて危険
な上
その直前に五剣谷岳へ行った疲れも残っており御神楽岳本峰で断念した。
いろいろ情報を調べているうち、かつては御神楽岳より笠倉山の山腹を通っていく登
山道が有ったことを知り、このルートを使えば行けそうな気がしてきた。
ただ、御神楽岳経由ではあまりにアプローチが長く、本名御神楽東方の1091m
ピークより南に伸びる尾根上に林道が伸びておりこの林道を車で登れる所まで登り、
そこから歩き出して1091mピークで稜線に出て、そこから笠倉山へ向かえば楽で
はないかと考えた。
そして、落葉樹の葉が落ちた頃に行こうと考えていた。
10月24日に御神楽岳に登ったときの紅葉の進行状況から11月3日に行こうと決
め、同じくこの山が気になっていると言っていた、岡本さんと鈴木眞さんを誘った。

早朝3時40頃、集合場所の新潟市の鳥屋野潟公園に着いたら既に岡本さんも鈴木さ
んも来ていた。鈴木さんの車に乗って登山口の会津の金山町を目指して出発した。
新潟中央ICで高速に乗り、会津坂下ICで降り252号を只見川沿いに進んでいっ
た。
金山町の本名ダムで国道を離れ、新潟県の上川村に抜ける峰越林道に入った。この林
道は新潟県側は工事の為通行できなくなっており、その為に会津側から入ったのだ。
まだ暗い為あたりはよく見えない、峰越林道を左に分け、少し進むと御神楽岳の標識
が有ったのでそこから右に入る林道が目指す林道だと思って右の林道に入った。
しかし、その林道はすぐに行き止まりとなった。この頃にはすっかりあたりは明るく
なっていた。
この林道が何処まで車が入れるか、そこから稜線上の1091mピークまで登山道が
あると言う情報だがその道がどの程度の道だか情報はなかった。
取りあえず歩き出したが踏み跡は沢に下りて消えてしまった。沢の対岸の尾根を見て
も踏み跡は見えなかった。
あとでこの林道は目指す林道と違うことに気づくのだが、この時我々はまだその事に
気づいていなかった。
取りあえずこのルートの登山は不可能と判断し、本名御神楽へのルートに変更しよう
と車に戻った。
しかし、このあたりの紅葉は見事だった。
林道を戻り先に進むともう一つ林道が右に分かれていた。ここで初めて先程の林道が
目指す林道ではなく大鍋又沢沿いの林道だと気づいた。
それなら計画はまた元に戻し、この林道に入ることにした。
林道は思ったより道は荒れておらず4WDの鈴木さんの車はどんどん登っていった。
尾根の上に出て、林道終点のやや手前に車を置いて歩き始めた。
しっかりした登山道が伸びていた。
825mピークは崩壊地があり東側の視界が開けた。
ブナと杉の大木のある尾根道だ。正面に本名御神楽岳、左手に日尊の倉山、狢ケ森
山、そして、右手に尖った笠倉山が徐々に見え始めてきた。
稜線上の1091mピークまでは問題の無い登山道だった。
1091mピークは薮に覆われていたが、やや本名御神楽方向に歩くと視界が開け
た。
近くに御神楽岳東面のスラブがものすごい迫力で迫って見える。
遠くに雪を冠した飯豊山が見える。
薮に突入してすぐ、踏み跡に乗った。
踏み跡は有るが、潅木主体の薮だ。まずは鞍部めがけて下ることになる。
隣のピークが岩峰でとても展望がよかった。会津の山々が見渡せた。
25000図では1091mピークのやや東まで破線があるが、ここはもう薮の中
だ。
ツルが絡まった所もあり早くも鉈を使って進んだ。
会津側にがけのマークのある所は北側がぶなの林で、ぶな林は薮が薄いことから稜線
を外れこの林を進んだ。
標高980m付近で北東に別れる支尾根があり、そちらの方が薮が薄いので迷い込み
そうになった。すぐに気づいて稜線に戻った。稜線上は潅木の薮で進むのは大変だ。
しかし、下りなので薮は順目だ。
しかし、尾根の痩せている所は木が低く展望のよい尾根道だ。薮も分けやすい。
最低鞍部手前の914mピークは岩峰でとても景色が良い、特に御神楽岳東面のスラ
ブはここから見る姿が一番迫力があった。
このピーク東側に岩をへつる所があり、岩場が苦手な鈴木さんは難渋した。
最低鞍部東側にも小さな岩峰があった。
尾根が広がり出した所で古い標識の板が落ちていた。もう既に文字は消えてなんて書
いてあるか分からない。ここにも昔は登山道があった証拠だ。
月山平と思われる所は杉の林になっていた。水の音がする。水場が近くにあるのだろ
う。古いガイドにはこの近くに水場のマークがあったことを思い出した。
ここから小さい谷を越え真東にルートをとって笠倉山山頂より南に伸びる尾根を目指
した。
この斜面はぶな林の為、薮が薄くて歩きやすかった。
尾根の上は杉が地面ぎりぎりに枝を伸ばして茂っていた。
尾根の西側のぶなの林を尾根から外れずに進み斜面が急になりだした所で稜線に立っ
た。
最後は尖ったピークらしい急登で山頂に着いた。山頂は杉の林の中で視界はない、ま
ずは山頂よりやや北にある三角点を探しに行った。最高点から三角点までは赤布が
所々つけてあった。
三角点は薮の中にあった。
座って休めるような所でないので最高点まで戻って昼食とした。
なんとか順調に山頂に立てることが出来た。
帰りは往路を戻ったが、最低鞍部東の小さな岩峰に登るとき左太腿の裏側が痙攣し
た。筋を伸ばしてマッサージして直したが、薮は不自然な姿勢を多くするので変な所
が痙攣する。
最低鞍部を過ぎ、岩場をへつって、914mピークで再び景色を見る為に休んだ。
しっかり景色を楽しんだ後、登り返しが始まった。
今度は潅木が逆目なのでしっかり枝を分けて進まないと進めない、越後の薮山の典型
的な例だ。
1091mピーク東側のピークで再び景色を楽しんだ、飯豊山は雲がかかり始めてい
た。
1091mピークで登山道に出るとほっとした。
あとは整備された道を下るだけだ。
順調に下って、林道終点近くの車に戻った。
気になっていた山を登ることが出来てよかった。
御神楽岳東面のスラブを眺めるにはこのコースは最高だと思った。


県境稜線より見た御神楽岳のスラブ

笠倉山を望む

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