貧乏トレッカー


 私はとにかくいつも金が無い。サラリーマンとしては多額の借金を抱えているせいなのだが、とにかく貧乏トレッカーなのである。
 だけど、山は登るも下るも自分の足で、おまけにただで楽しめるのだから、私のような貧乏人にも楽しめる。ありがたいことだ。
 私が実践している清貧登山をここで紹介しよう。
 まず、道具は中古品やもらい物でまかなえればそれで済ませる。
 私の重登山靴はインターネットの知り合いを通じで5000円で手に入れたものだ。ザックは父のお下がり、アイゼンは会の先輩のもらい物。などなど・・・。道具に金をかけ始めるときりが無い。特に私は藪山や沢登り、雪山までやるので、道具はいろいろ必要だ。しかし、どうやって生活を苦しめずに道具を揃えるかでいつも悩んでいる。
 それから、交通費をかけないこと。つまり遠出はしない。信州の山に対する憧れはある。しかし、我慢のしどころだ。越後の山の素晴らしさのひとつに地元というのがある。できる限り高速道路を使わずに行ける範囲の山を楽しむ。
 そして、金のかかる宿に泊まらない事。民宿はもちろん営業小屋も利用しない。幸い、越後の山の山小屋の多くは避難小屋で利用料金はかからない。もちろん、管理人が居るところは維持協力の為の費用は払う。しかし、それ以上の経費のかかる山小屋は利用しないことだ。
 夏山シーズンなどはかえって小屋は混んでまともに眠れ無いことが多いが、テントを持っていけば、費用は安くなるうえ中は個室だ。快適に眠ることができる。
 登山口に前夜着く時は車中で寝るかテントを張る。
 とにかく、登山のスタイルなんかでどうでもいい、貧乏人には貧乏人の登山がある。人を羨んでも仕方が無いのだ。
 登山口に高級車で乗り入れて、温泉ホテルに泊まって朝を迎え、特注の靴を履き最先端の道具を揃えて山に登り、山中では営業小屋に泊まって宴会をする。私にはできないスタイルだ。
 今にも壊れそうなオンボロ車で登山口にやっとこ入り、お古の靴を履いて、補修だらけのザックを背負い。山中はテントで泊まって、腹が満たされればそれて良いという食事をする。
 これこそ、私のスタイルなのだ。それだから、毎週山に行けるのだ。


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