お勧め山の本

ガイドブックや記録本を除き、山に関する本で私が特に気に入った本を選び紹介します。
私は心に残った本は必ず後で読み返します。ここに紹介する本はすべて読み返した本です。読み返すとき、1度目のときと違った感じで読むことができます。

タイトル 著者 出版社 書評
日本百名山 深田久弥 新潮文庫 日本の百名山を選んだ本
今、○○百名山などいろいろあるが、深田久弥は百の山を選ぶ為に全国の山に登り、
自ら登った山のみ紹介している。そこが、他の○○百名山と違うところ。日本百名山に
ついては、この原本以外にもガイドブックや雑誌などがあるが、やはりこの原本を読まな
ければ「日本百名山」は語れないと思うのです。
飯豊道 五十嵐篤雄 恒文社 大正生まれの「篤さん」。彼の飯豊との関わりを綴った本。記録として読むより、随筆とし
て読んだほうが面白い。ちなみに著者は先年亡くなられました。
山へ 原始の香り求めて 大内尚樹 白山書房 「山は不便な方がいい」という大内さん。通常の山の本では紹介されないような山々を紹介しながら
著者自身の心の動きも追っている。
尾瀬-山小屋三代の記- 後藤充 岩波新書 尾瀬沼の長蔵小屋の三代の記録。開発優先の時代の中で身を挺して尾瀬の自然を守った物語。
もしこの山小屋が尾瀬になかったら、今頃尾瀬はどうなっていただろう。
死者は還らず 
山岳遭難の現実
丸山直樹 山と渓谷社 遭難の原因は遭難者の心の状態に原因があるという側面から深く遭難の現実に迫った本
生還
山岳遭難からの救出
羽根田治 山と渓谷社 生死の境をさまよいながらも生きて救出された遭難者達。その行動や心の動きを追った本。
ひとりぼっちの叛乱
とうちゃん巻機山に生きろ
豊田和弘 山と渓谷社 巻機山にスキー場開発が浮上した。地元集落で唯一スキー場開発に反対した雲天のとうちゃん、
かあちゃんの生き方は自然の大切さを今の我々に教えてくれるようだ。
スキーブームが去り、運営がされなくなって荒れ放題のスキー場を見るにつけ、こんな風景が
巻機山に現れなくて良かったと思います。
山でクマに会う方法 米田一彦 山と渓谷社 クマの生態を詳しく書いた本。
「クマはカワイイぬいぐるみではなかったし、顔をひきつらせた邪悪な生き物でもなかった。
クマはクマであり、クマでしかない。」と著者はあとがきのなかで述べている。
新潟では里に降りたクマは有害獣として駆除されているが、はたしてそれでいいのだろうか。
西日本では奥山放獣をしていると聞く。山を愛する人ならば、山に住むクマのことも理解して
やって欲しい。
沢登りの本 岩崎元郎 白水社 岩崎元郎が沢登りを志す若者に沢登りを教える過程を書いた本。物語調に進行するが、その中に
ちゃんと技術の解説もしてあるのです。
遭難の仕方教えます 丸山晴弘 山と渓谷社 遭難しないためには、遭難の原因を知っておくと良い。
もう山でバテない 森田秀巳 山と渓谷社 バテの原因と対策を科学的に解説した本。でも、読んでいるときはなるほどと思っていても、山では
実践していない私がいる。
山でピンチになったら 上村信太郎 山と渓谷社 山で大なり小なりアクシデントを経験した人は多いだろう。アクシデントに的確に対処することも、
裏返せば山の一つの楽しみかもしれない。これは事前知識を持つことであわてなくてすむ。
ホワイトアウト 真保裕一 新潮文庫 日本最大の貯水量のダムがテロリストに占拠された。
一度目はストーリーを追って一気に読み、2度目は文書の裏に隠れていることがらを読むようにして
読むと面白い。
クライマーズ・ハイ 横山秀夫 文芸春秋 同僚のクライマーに誘われて谷川岳衝立岩に臨むはずたった新聞記者。その出かける当日に日航
ジャンボ機の墜落事故が発生し、山に行けなくなる。
衝立岩登攀の心境と事件を追う記者の心境が見事に重なって表現されている。
剱岳<点の記> 新田次郎 文春文庫 前人未到といわれてきた北アルプスの剱岳に三角点設置の為に挑む測量官。しかし、山頂には古代の
錫杖の頭があり、焚き火の跡もあった。
明治末期、登山の薄明期の山男達の葛藤を見事に表現した、新田次郎の秀作。
芙蓉の人 新田次郎 文春文庫 明治28年。正確な天気予報をするには富士山に測候所を作る必要がある。命を掛けて測候所設置の
ために富士山に登った野中到の後を追い、妻の千代子は冬の富士山へ登る。
厳冬期の富士山を舞台に夫の夢を支える妻の心の動きを見事に表現した感動の物語。
山の仕事、山の暮らし 高桑信一 つり人社 遊びで山に入る私だが、山で仕事をしている人もいる。でも、それは採算が取れないと経営が成り立たないのは、里の仕事と一緒である。
沢登りで有名な著者が19人の山の仕事に携わる人たちの描写した本。

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