木々の葉が赤や黄色に色ずく紅葉。 秋が深まり、白い冬が近づく前に山々は赤く染まる。 落葉樹たちはその進化の過程で厳しい冬を乗り切る手段として、植物にとって 光合成という生きていくためのエネルギーを生成する葉までを落とし、春が来 るまで息をひそめて耐えることにした。 周囲の気温が下がり日照時間が短くなると、木々は冬を乗り切る準備にかかる。 葉の緑素を落とし、赤や黄色に色を変え、やがて葉を落とす。 しかし、なぜ葉を落とす前に色を変えるのか。かえってその為に余分なエネル ギーを消費していることにならないか。 現在の科学では紅葉になる仕組みは分かっていても、その目的は分かっていな い。 こんな身近な現象までも科学はまだ解明できていない。 大自然の出来事の中で人類が解明できたのはまだほんの一部分に過ぎないのだ。