思い出の縦走路

2004年9月20日記

 振り返ってみると登山を始めてから8年目に突入した。この間飽きもせず越後の山々を中心に休みになっては出かけてきた。しかし、最近は仕事の関係で思うように山に行けない。また、泊りで行くことは出来なくなってしまった。そうなると泊りで出かけた縦走登山の思い出がとても懐かしく思えてくる。

 1997年初夏にはじめて登った山が二王子岳ということもあって、最初は飯豊連峰に憧れを持った。そして、この年の夏山形県側から石転び沢を登り北股岳〜大日岳〜飯豊本山と縦走してダイグラ尾根を下った。初心者の身でいきなり2泊3日のテント泊の飯豊環状縦走。荷物が重くて辛かったけど3日間天気が良くていい思い出になった。
                           
                                 夕映えの中に浮かぶ大日岳

 翌年は飯豊山連峰縦走に出かけた。ところがこの年の夏は8.4水害のあった年、お盆の頃でも梅雨前線の活動が活発でついに梅雨明けしなかった年である。当初予定していた弥平四郎口の登山口が林道崩壊で使えず、急遽川入にまわって入山した。初日のうちに本山小屋まで着いたがその晩から風雨が強まり翌日は本山小屋で停滞、3泊4日の予定で入っていたので大日岳とえぶり差岳をカットしての縦走に切り替えざるを得なくなった。
 翌日は一気に頼母木小屋まで足を伸ばし、その翌日胎内に下山した。縦走中はほぼ雨の中だったが充実感のある山行だった。

 99年からお盆の休みはまとまって取れなくなっていた。8月中に分散して休みをとるようになる。そこで1泊2日で越後越後三山縦走に出かけた。
 ところがこの越後三山、縦走路に日陰や水場が乏しく、真夏の縦走は暑さとの戦いだった。後で知ったが越後三山縦走のメインシーズンは秋の様だった。特に辛かったのがオカメノゾキのキレットからの八海山の登り返し、足が痙攣してしまいやっとの思いで登った記憶がある。
                           
                                      中ノ岳山頂にて

 99年春に川内山塊の五剣谷岳に日帰りで登ってから、残雪期は川内山塊の稜線を歩くようになった。
 その中で特に思い出に残るのが2000年春に歩いた毛石山〜三方ガリ〜青里岳〜五剣谷岳〜木六山の縦走路だ。まだ残雪歩きに慣れない頃でとにかくばてばてだった。体力が許せば灰ケ岳や割岩山にも行くはずだったのだが、とても許さず今でもこのピークには立てていない。
                           
                                       青里岳にて

 2002年にはこの川内山塊の盟主とされている矢筈岳に立った。この年2週連続して出かけ最初は室谷口より魚止山を経由で至り、翌週は笠堀ダムより14時間かけての日帰りで往復ということをやった。
                            
                                   2回目の時の矢筈岳山頂

 そして、矢筈に立った直後のゴールデンウィーク、会の合宿のリーダーとして飯豊連峰の二王子岳〜赤津山〜門内岳の縦走路を歩いた。この縦走路は憧れの縦走路であったが、この年は暖冬少雪で残雪が少なく、初心者同行の上2日目は雨模様、いろいろハプニングもあり忘れられない縦走の思い出となった。
                            
                               北股岳直下より一瞬見えた縦走路、
                               右の尖った峰は二つ峰左奥は赤津山

 この2002年春はちょうど失業していたということもあり、高知山〜二王子岳粟ケ岳〜白山という残雪期ならではのコースも歩いている。

 2002年のこの春の二王子岳から飯豊連峰の縦走を終えた時に現在の商売を開業した。休みはとりにくくなり、また、日曜日といえども忙しい時期は休めなくなった。当然泊りで山に行くことなど出来なくなった。
 しかし、翌年の5月の連休に泊りの山行は最後と心に決めた山行に出かけた。
 残雪期に朝日連峰の大鳥池の大鳥池の周りの山を一周したいと以前から考えていたのだが、この年より会の年間計画を立てる役員になったこともあって、会の合宿のスケジュールに入れたのだった。ルートは茶畑山から戸立山を経て三角峰で幕営、そこをベースキャンプとして大鳥池畔に下って化穴山に登り、以東岳に登ってオツボ峰経由でベースキャンプの三角峰に戻り、最後は一日目の往路を下山するというものだ。
 3日間快晴で残雪の朝日連峰の素晴らしい眺望を楽しみながらの縦走だった。ちょうど大鳥池の周囲の稜線を回っている日に大鳥池の氷が解け始めるというすばらしい瞬間にも出会うことが出来た。
 泊りの山行はこれで最後と決めていたのでフィナーレを飾るにはこれ以上ないという素晴らしい思い出を作ることが出来た。
                            
                          オツボ峰付近から見た大鳥池、対岸左奥に化穴山も見える

 この最後の泊りの縦走の前に日帰りで毛猛山に登っている。

 泊りでの縦走の思いではそれぞれにとても濃く、稜線で迎えた朝はいつもすがすがしかった。

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